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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿132

第131回から続く




最速のペースで金利を引き上げて来て


こちらはAyesha Tariq, CFAさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
昨秋、第1回のスペースの機会を持たせて頂いた際、最速のペースで金利を引き上げて来てという事で、別のソースから、類似したチャートを用いさせて頂きましたが、こちらは直近のものです。引用~「最もアグレッシブな金利引き上げサイクルを目にしています。


金融引き締めの影響は株式市場に遅れて表れる



このチャート見ながら、昨日も述べましたが、
僕は、”金融引き締めの影響は株式市場に遅れて表れる”と考えております。

これまで引用を用いて述べてきました通り、「「ターミナルレートが高いほど、通常、資産価格への圧力が高まるわけです。経済の強さという事でそれを相殺出来はしますが、それを言ってもそれはある程度までの事にすぎません」と認識しています。

僕はいずれ10月の安値は割れると思っているんですね。でも世の中には、僕とは異なる考え方をお持ちの専門家の方~下落しても10月の底は割れない。でも、企業業績・利益の不調はあるわけだから、マーケットはそれを織り込む時、下落はするだろうとお考えになる方も当然いらっしゃいます。

ショート、売った後。だったら、人によってはですが、10月の安値を割れるのか割れないのか、今一つ、決めかねる場合においては、10月の安値を割れていない地点であっても、その場所を、まずは、部分利確する場所として考えることはできると思います。マーケット、まずは、売りだと思っている僕としては。

今日のポイント~実際の行動として、S&P500で、356ドル幅、NYダウで2,619ドル幅のダウンサイドを、単に、獲りに行くだけでも、それやってみたいなあ、獲りに行きたいなあ、ここは妙味ありそうだなあ。今日は、その場所、それに焦点を絞って述べます。

前述、「最もアグレッシブな金利引き上げサイクルを目にしています。」株にとって、これの意味するところは、ボディブローのように、企業業績・利益の不調に響いて行くわけですから。

ベアフラッグ・下降(ベア)の旗がたっています


これはPonzi Financeさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
S&P500のチャート。白い線で囲まれた部分に、ベアフラッグ・下降(ベア)の旗がたっていますよという事ですね。

下がったり、戻ったりしながら、このチャートみると、僕は、やはり、S&P500で3750とか3550とか3250とかのところに目が行くだけは、行きます。この250ドル幅のの波動に執着しているわけではありません。下降(ベア)の旗がたっていることだけを意識しています。

それでまあ、このチャートでしたら3250。3300割れ。同じPonzi Financeさんがシェアしたくださった僕が注目している、直近2回引用しました「(エリオット波動理論に基づいて)少し前に作成された”仮定”のS&P500ヘッド・アンド・ショルダー(三尊天井)パターンシナリオが今展開されている可能性がある」と見る事の出来るチャートでの下落到達点は、S&P500で3200。
モルガンスタンレーのチーフ・ストラテジスト、マイケル・ウィルソンさんですと、たとえば、3000ですとか。
今すぐにではないでしょうけど。日柄を掛けながら、いずれという事なんでしょう。
ウィルソン氏は「少なくともつい数日前から見ても、約2割、今後、それに近いくらいの下落を、いったんマーケットが4150レベルまで戻ったとしても、その後、そういう下落幅を、見込んでおられる」ことも、ご本人のコメントから認識しています。

そこ行くまでに、まず、10月の安値というのがあるわけですね。
ここでは、段階的に、ひとつひとつ見て行くという事で述べています。
僕はいずれ10月の安値を下に抜けることになるだろうと、前述のPonzi Financeさんがシェアしてくださったチャート上の矢印到達点のように思っていますが、まずその前にひとつひとつ手前から見て行くという意味において今回述べています。

直近、第128回の寄稿で、今年2023年のS&P500の業績について、5%マイナスだった場合は、で、考えてみました。今回は、10%マイナスだった場合に基づいて、考えてみます。

ソフトランディング、ノーランディング、ハードランディング、リセッション(景気後退)云々、その他諸々、FRBの流動性がどう、米財務省がどう、NY連銀がどう、マーケット支えてどう、とかを、とりあえず、全部脇に置いて。

単に、「2023年の企業業績今年10%マイナス」ということのみに基づいて見てみます。

これまで述べて来た通りですが。業績の不調は、まだ始まったばっかりで、2023年を通して、そして2024年にかけても続くと思っています。

2023年のS&P500の1株当たり利益、ウォール街のコンセンサスは、$221という事も認識していますが、この寄稿では、一貫して、ゴールドマンさんの$224を使用してきましたので、今回もこの$224で見ます。

僕とは異なる考え方をお持ちの専門家の方~下落しても10月の底は割れない。でも、企業業績・利益の不調はあるわけだから、マーケットはそれを織り込む時、下落はするだろうとお考えになる方の視点からでもあります。

$224が10%落ちるので、$202。

現行、PE Multiple(バリュエーション・株価収益率倍数)は、18.3x(倍)ないし18.6x(倍)

PE(プライス・アーニングス・株価収益)のE(アーニングス・収益)が落ちている、落ちて行く事、最速のペースで金利を引き上げて来て、まだ金利引き上げ局面である事、バリュエーション・株価収益率倍数も縮小するだろうとの前提から。

バリュエーションについてのフェア・バリュー(本質的価値・適正価値)を、15x(倍)と見て、そこに基準を置きます。

この寄稿で述べて来た、収益見通しも金利環境も16x(倍)以上をサポートする要因がないこと、もちろん、頭に入れています。
まずは、(抑え目気味に見てであっても)18.3x(倍)とか18.6x(倍)とかの小数点以下、0.3とか0.6の分、その分だけが縮小すると考えた場合。


現政権はNYダウの3万ドル、これは相当意識している

①$202 x 18x(倍)=S&P500で3,636(NYダウで30,179ドル)


僕がこの数字を見て思うのは、マーケット、下落はするんだろうけれど、10月の底は割れないという専門家の方々のダウンサイドはこの辺にあるのかなあと、真面目に想像しています。そういう人にとっては、この水準が、売った後、利益確定する場所なんですかねと思ったりもします。もっと深い下げを見ている人でも、現時点では10月の安値を割るのか割らないのかそれは分からないから、ここでまず、部分利確しておくかという考え方もあるでしょう。(だいぶ以前の週末の寄稿で、トランプ政権の時に意識されていたNYダウ3万ドル、現政権はNYダウの3万ドル、これは相当意識しているだろうなあ、などということについても述べました。これ結構、マジでその時述べました。こんな事も頭に入れながらのまずは、意識される地点かなあと)

まあ、それで、フェアバリューを15x(倍)と見ているわけですから、単に、現行の18.6x(倍)とフェアバリューの15x(倍)の中間値まで、バリューションが縮小すると仮定して考えた場合、16.8x(倍)。

②$202 x 16.8x(倍)=S&P500で3394(NYダウで28,170)

③$202 x 16x(倍)=S&P500で3232(NYダウで26,826)
(収益見通しも金利構造・見通しも16x(倍)を超えるバリュエーションをサポートしていないという事から16xをここで使用)

この②と③のケースでは、2022年10月13日の安値S&P500で3491、NYダウで28,660を割る事になるわけですね。
それで、この②と③は、ここでは、ただ、①との対比例のためだけとして、これらもこの際、脇において。

①だけで見ても。
$202 x 18x(倍)=S&P500で3,636(NYダウで30,179ドル)
3月8日水曜日の引け値は、S&P500が3992、NYダウが32798。
そこから見ると、まずは、S&P500で、356ドル幅、NYダウで2,619ドル幅、ダウンサイド(下降、下落)があり得ると見る事もできるわけですね。少なくとも僕はそう見て、そう考えています。

弱気の、その深さという事は、人によって、そのダウンサイドの見方は、様々に異なります。深く見ている人であっても、まず、目先の地点から。そこへの行き方(一気に行くのか、じわじわ行くのか)は別としても、そこにまず行かないと、その次に行かないわけですから。そして今度は次に、10月安値に向けて、そして、その10月安値を割ったら、という具合に、ひとつ、ひとつですから。

10月の底は抜けない、いや底は抜ける、とかも全部脇に置いて。

まずは、この上記の幅(S&P500で、356、NYダウで2,619ドル、ダウンサイド)を、単に、獲りに行くだけでも、それやってみたいなあ、獲りに行きたいなあ、と僕は思うわけですという事をまず述べています。これだけだって、僕にはチャンスに見えるわけです。

まずは、現実にそうなってみて、そこに行って見てから。
だから、これだけをシンプルに考えただけでも、アメリカ株の戻りを「突っ込み売らず、戻り売り」「戻りを売る」という姿勢で、今のうちに、売っておきたいと思ってきたわけですね。ここについては、これまでこの寄稿で述べて来た通りです。そのスタンス通りです。

そこへまず行ければ、人によってですけど、そこで部分利確でもいいわけですから。もっと深い下げを見る人は、いや、もっと下がる、こんなところで部分利確しない、でもいいわけですし。そこに実際に行って見た時のマーケットのセンティメント(マーケットの心情)や雰囲気があるでしょうし。今とはまた違うでしょうから。

まずは、10月の底云々の、それ以前の話ですが、これだけ獲れるのでも魅力的だなあと僕は思うんです

*それで、僕個人は、以前にも同じ事述べましたが。
先々ですけど、S&P500で3,300割れ、NYダウで27,390割れもあるかな~まあ、ザックリ、この先、S&P500で3,408(NYダウで28,286)
S&P500で、$213 x 16 = 3,408
NYダウで、3408 x 8.3 = 28,286
これらの数字を頭にしっかり入れて、ここから、状況によって、S&P500で3,300割れ、NYダウで27,390割れもあるかな~と、まずは、このようなイメージを僕は持っております。

あとは、現実にそうなったら、そこ行って見てからとこれまでも述べて参りました。10月の安値が、今後のEarnings Recession(企業収益・利益のリセッション)など、マーケットを取り巻く要因をすべて含み切っている安値だとは、僕は思っていません。

僕個人がこう思っていても、こう言っていても、それは僕個人の意見であって。アウトライヤーがそう言っても、実際のマーケットがどうなるか、これは分からないじゃないという時の、まずは、意識する地点としてのS&P500で3,636(NYダウで30,179ドル)ですね。

今から見ると、まずは、この幅(S&P500で、356、NYダウで2,619ドル、ダウンサイド)を、単に、獲りに行くだけでも、僕には魅力的です。

それに際して、売る時は、これはもう、いつも申しております「突っ込み売らず、戻り売り」「戻りを売る」ですね。

*$213という数字は、今年2023年のS&P500の1株当たり利益予想$224(ゴールドマンさんの予想引用)から5%下方修正されたと仮定した場合の数字。現在、$224。
*16xは、この寄稿で述べて来た、引用~「収益見通し、金利構造その見通しから16xを超えるバリュエーションをサポートする要因が見当たりません」という事から。現在、18.3xないし18.6x。
*8.3はdivisor(除数)~NYダウの数字 ÷ S&P500の数字/S&P500の数字から、NYダウの値への換算のため。

上記これらを見比べながら、数字を並べ替えたりして見ています。
この意味におきまして、是非第128回寄稿も併せてご覧になって頂き、様々な数字の組み合わせをイメージして頂けましたら。

また、単に、下がるという抽象的な事ではなくて、段階ごとに、その下げの深さについて、具体的に、部分利確して行く地点を、あらかじめ、複数イメージしておくことは、大切だと僕は思います。

実際に、それらの地点で、部分利確するかどうかはこれはまた別の話です。そういうイメージを、下げの深さに対して持っておくことが大切です。

債券の利回りが下がって、株が下がっている日


先ほど引けたマーケット、3月9日木曜日のマーケット債券の利回りが下がって、株が下がっている日ですね。ここから水面下で、徐々に、マーケットのテーマが変って行く、話がすり替わって行く時なのかなあ、と感じさせます。まだ、1日なので、何とも言えませんが。少なくとも、こういう日を見落とさないようにしたいです。



第133回へ続く


最後に …
これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間

2023年1月19日 第6回スペース 8分間

2023年2月22日 第7回スペース 18分間

2023年2月25日 第8回スペース 8分間


関連note

私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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