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男が嫌い

この一つ前の記事「父が嫌い」に、男性からもスキをいただいている。
身につまされる方にとっては、思考や行動の再考や改善のきっかけとしてお役立ていただけると幸いである。

私のミサンドリー

ミサンドリーとは「男性嫌悪」のこと。

私は、男性の友人や上司とも、当たり障りなくひととおり接することができる。
しかし、家で父のようなクソ男性を見ているので、よその男性のことを心の底から信じることができない。
どんなに優しく、どんなに心も見識も広い人に見えても、どこかで父のようなレイシズムやミソジニーを腹に隠しているのではないか、と考えてしまう。

そういえば、二郎と付き合っていたときのこと。
彼が私のマンハッタン・ポーテージのメッセンジャーバッグを見て、
「そのサイズ違い、俺も持ってる。もうだいぶしまい込んでるから、ベルトがかなりシワになってると思う。今度それ、アイロンかけてくれない?」
と言った。

 は?

そうか、そうか、私と付き合うというということに、君は「無料で使えるオナホ」「無料で使える家政婦」の価値を見出していたということか。
総合すれば、「家事のできるデリヘル」か? 「ヤレる母ちゃん」か?
今まで優しくしてくれたのは、そういうことだったんだな。
急にがっかりした。
こいつも、ミソジニーで家父長制支持者であったか。
前からそんな気はしていたが。

家庭的に尽くすことが恋で、愛で、結婚で、家族なのだ、と主張する御仁もいらっしゃることだろう。
私は、そうしたかたちであれば結婚をして家族をもちたいとは思えない。
仮に将来、同性婚が合法化したとしても、隷属・被隷属の関係をつくるような結婚はしないつもりである。

父嫌いと地続きで、男性嫌いになってしまった。
あんな父の呪われた血を引いてこの家に産まれなければ、もっと良い関係を築けたのに、と思う人が今思えばたくさんいる。

定年まで働き通せて退職金も満額もらえる男性たちは、お気づきだろうか?
あなたたちが働き続けられたのは、途中で妊娠出産育児介護で泣く泣く道を譲ってくれた女性たちがいたからだ、と。
彼女たちへの感謝もなしに、男女共同参画だの女性活躍だのと音頭をとる権利はない。

「父親になる」?

配偶者や交際相手が妊娠していることが判明すると、多くの男性は「父親になる」と声高に宣言してまわる。
男性にとって、性交して射精して気持ち良かったところがゴール。
女性にとって、受精して着床して、そこからがスタート。
酒も飲めない、煙草も吸えない、動けない、吐き気がする、貧血になる、尿が漏れる、寝返りが大変。
母親となる者は、諸々の不如意に耐えながら、10ヶ月あまりの間、お腹に宿った子を命がけで守る。
その間、父親となる者の身体的変化はどうだ?
何もないだろう。
酒を飲もうが何を食べようが、胎児には直接影響がない。
その子を成したときの射精の快感などとうに忘れて、また次の鞘を探す者さえある。
大変なのは女性ばかり。
え?「男だって大変だ」? 何が?
同じ地平で反論したいなら、毎月尻から血を流してから言え。

貴様らが履いているそのゲタをよこせ。
ゲタを脱いだら何が残る?
息を吸っては吐き、メシを食っては排泄する、キンタマをぶら下げた肉の塊。
生理もないし毎日イージーモード。
生きているだけで楽しいし気持ち良いし得しているんだから、多少いじめても問題ないよな?
そういう気持ちが、男性への復讐心を育てていく。

復讐心の一環と後から気づいたが、男性同士が絡むポルノ動画を観るのが好きだ。
陰茎の快感に支配されて動く、男の浅ましい姿を眺めるのが好き。
ケツを掘られてむせび泣く哀れな姿を眺めるのが好き。
身体は正直なのに、情けないよなあ。
男女の交接より、女同士の絡み合いより、男同士のぶつかり合うポルノが好きだ。
あー、二郎が筋骨隆々のゴーグルマンに掘られて泣くところ、そばで見たかったな〜。
偉そうに女にアイロンをかけさせる二郎が、体内まで犯されてボロボロになる様子を見届けたかった。

私の男性蔑視は根深いものの、表層では気づかれにくいかもしれない。
業務上や私的な交友上、あからさまな敵対心や嫌悪感を見せるわけではない。
にこやかに会話することができ、相手に臆することなく意見を伝えることもできる。
おそらく、恋仲など深い関係になるときに、相手が男性であるがゆえの疑いのようなものが生まれてくるのでは、と思う。
男性と早くどうこうなりたい、という強い思いを抱いているわけではない。
そのため、この男性蔑視が何か障害となることは、現時点ではあまりない。
ただ、男性について何か述べる際、怒りや恨みが募るあまり、つい感情的になったり思考の整理がつかなかったりすることはある。
この記事のように。

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