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ここ最近、知らないおばさんにストーカーされた話

9月半ばのこと。いつものように家で爆睡していると、チャイムが鳴った。しかも2回連続で。ぼくは居留守を基本的に使わないので、とりあえず布団を出てモニターを確認。防犯モニターには50代以上と思われる見知らぬおばさんが突っ立っていた。

マジで見知らぬおばさん

「これは宗教勧誘かな」と思いながら、「はーい」と生返事で玄関を開けた。するといきなり訳わからん話をマシンガントークでぶつけてきた。「んん?」と思っていると、ドアを半開きにしているぼくの腕を両手でペタペタと触ってきたので、寝ぼけていたぼくにもようやく、「ああ、これは。。」と理解できた。いわゆる「個性的なひと」に好意を持たれて家にやって来られちゃった、というやつだ。

「ちょっと今寝起きだから一旦閉めるね」と言ってドアをそっと閉じてから、ゆっくりと110番。こういう事態に陥った場合、騒ぐことなく警察を頼るのが大事。どんな物事も、ひとに頼らず自分だけで解決しようとすると大抵失敗する。遭難事故しかり、DV問題しかりetcetc…

ぼくの経験則上も、どうしようもなくなったら、プライドなんか捨てて周りに頼ることが一番、物事が好転する近道だと思っている。人間、切羽詰まると、視野が狭くなっていとも簡単に判断を誤るからだ。

おばさんはその間もドア越しというか、またチャイムを何度も鳴らしてきて、「プレゼントがあるから」と言ってきてぬいぐるみらしきものをカメラに押し付けてきた。

プレゼントがあるよとカメラにアピール。近すぎて何かわからない

その後、ドア越しではあるが、キャッチボールにならない会話を続けた。こういうひとの場合、理解できないなりにきちんと話をきいてあげるのも大事で、むげな態度は取ってはいけない。でも、ドアは決して開けない。そうこうしているうちにやがて警察官が3人来てくれておばさんを連れ去ってくれた。

呼んで約15分で来てくれる日本の警察マジ優秀

警察を呼んだ場合、その場での簡易的な事情聴取があって、一番年配の警察官が話しかけてきた。

「ずいぶん冷静ですね」
「寝起きだからでしょう」

おおまかな出来事の流れを話した後、「あの方はそのまま措置入院となるのでしょうか?」と聞いてみた。

すると警察官の方はなんとも困ったような顔をしつつ「私たちとしては通報があって◯◯◯◯(個性的な人たちのこと)が暴れてると聞けば、すぐに駆けつけます。そして措置入院の手続きをしますが、ほとんど通らずにご家族等が迎えに来て連れ帰っていく。そしてしばらくするとまた他で暴れて通報されるので、我々は同じようなことで駆り出されます。きちんと病院で適切な処置を受けた方がいいと思い、現場の我々は毎回提言しますが、よっぽどのことがない限り、それは通りません」と。

日本は基本的人権に保護されたちゃんとした法治国家なので、国家の暴力装置である警察が、いきなり国民を拘束することができないように何重にも縛りが置かれている。

いくら「個性的なひと」であっても、別々の医院の専門の医師2名に精神鑑定をしてもらい、どちらからも入院の必要ありと判断されないと、即解放となる。警察もあくまでそれまでは保護しているという立場だ。

ぼくは過去、色々な国に行ってきたが、日本の治安の良さは圧倒的だと感じる。実際、年間10万人あたりの殺人件数はあの大阪ですら(失礼w)、1.2人と驚異的な低さだ。数年前に自分が行ってきたレゲエで有名なカリブ海に浮かぶ南国の楽園、ジャマイカの首都キングストンは、年間10万人あたりの殺人件数は126.6人と、世界一治安が悪いとされるベネズエラのカラカスに並ぶ。単純に言えば日本の126倍治安が悪い。そういった都市では赤の他人に気をつけなくてはいけない。いつ暴力を他人から向けられるかわからないからだ。現地のひとですら夜は歩きで動き回ることはない。

しかし、日本のような治安の良い国で、暴力や殺人が起きる場合、知人や身内といった、元々顔見知りの犯行がほとんどである。運悪く通り魔にあったとか、いきなり電車内で殴られたとかニュースになりやすいが、あれは日本では特別なことで注目を浴びやすいから取り上げられる。家族間や身内同士の暴力沙汰は多すぎてニュースにもならない。実際に日本の暴力・殺人件数の約85%が顔見知りの犯行という統計もある。

電車の中でいきなり奇声をあげちゃうひとや、常にぶつぶついってるひと、または今回みたいに単に好意を持ってついてきちゃう「個性的なひと」。こういったケースの危険性はとても低い。だって赤の他人だし、そもそもこういった「個性的な方」は、若年性認知症や知的障害等で、前頭葉の理性を司る部分の機能が低下しており、つい、本能的に叫んだり、ついてきちゃうだけだからだ。

もしかしたら、散歩してたぼくを見て好意を持ち、そのままついてきてしまったのかもしれない。そして、こういう方の場合、ひとりに執着することはあまりない。また別のところで似たようなことをやっちゃうかもしれないが。なのでこういう場合は、「ちょっと被災したな」くらいに思っておけばいい。まったく恐れる必要なはい。冷静に対処すれば大丈夫。

もし、こういう「個性的な方」に絡まれてしまった場合、とにかく落ち着いて対応すること。ただ、女性の場合、普通に会社員やってますとかの、理性的な思考できる男が性的欲求でついてきてしまうこともある。それでも対応としては同じだ。相手を怒らせるようなことをしてはいけない。

最近の若い女の子を見ていて思うのだが、ネット上のノリで、現実社会でも汚い言葉遣いで赤の他人を非難する方が増えたように思える。ああいう罵倒を赤の他人にぶつけるのはめっちゃ危険だ。治安が良い日本とはいえ、メンツを潰されたからには叩きのめすみたいな国民性を日本人は持っている。世間体とメンツは日本人を語る上で特徴的な民族性だろう。そして、そんなつまらない口論が一生を台無しにする暴力事件に発展してしまうこともあるのだ。

ぼくは今回の件について、SNSはもちろん、職場や友人にもほとんど話さなかった。顔見知りではない、赤の他人の「個性的なひと」。まったく危険性はないから、話題にすることもないレベルだと感じてたからだ。それに、「こういうケースは冷静に対処した方が良い」と言いながら、「こんなことがあってさー」とか、めっちゃ騒ぎまくっていたら説得力にかけるやん笑
そして実際、あれから1ヶ月半経っても特に危険な目にあってない。もちろん家にも来られてない。今回、これを文章化したのは、それを伝えたかったからだ。

「個性的なひと」は社会に一定数いるので、こういうことに巻き込まれることもたまにあるかもしれない。しかし、必要以上に怯えたり挑発したり騒いだりしないことだ。冷静に話を聞いてあげて、その間に警察を呼ぶ。状況により、警察に口頭で話せない時は繋ぎっぱにしておくと、スマホのGPSを辿って来てくれる。それでほとんどの危険は防げる。

逆に先ほど、日本の暴力、殺人事件はほとんど身内で起きると書いたが、最近では家族間や夫婦間の揉め事も民事ではなく、事件化する流れになってきている(刑事事件として扱う件が増えた)。だから、身内で揉め事起きた場合もなおさら、すぐに警察を呼んで欲しい。

ちなみに、仮にこのおばさんがまたうちに2、3度やってきてもぼくは引っ越さないと思う。その都度、警察を呼ぶだけだ。ただ、これが10回とか超えるようなら執着・粘着されちゃったことになるので、それは引っ越しするしかない。赤の他人とはいえ、執着されてしまったらお手上げだからだ。引っ越すしかない。手に負えないとなったら、さっさと逃げるのが一番丸く収まる。

世の中は理不尽なことで溢れているので、自分が理不尽な目にあったからといってその都度イライラしても仕方ない。あくまで災害にあってしまったと考え、とっととその場から去り、そのことに関して考えるのをやめることだ。だって被災しただけだから。それが自分にとっても一番楽に生きるコツだと思う。

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