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春をまつ

睡眠薬を飲み、体が自然と眠りにつくまでの30分間。この時間が好きだ。

春が来るのが怖いと言った人がいた。確かにそうかもしれない。

多くの人にとって春は新しい節目になる季節だし、僕自身もまた、新生活をスタートさせる。


朝、起きられるかな。夜は眠れるかな。好きなものを、好きなままでいられるかな。


色んな不安が浮かんでは消えて、浮かんでは消えていく。


多くの人が「もう大人だから」と言って切り捨てたかけがえのないモノたちを、僕自身も切り捨ててしまう日が来るのかな。



バレンタインデーでもらったケーキを写真を撮らずに食べた。いつもなら何かしらの感情が生まれて、写真を撮ったりするのに。


もちろんフォルダの容量の問題もあるけど、それ以上にときめかなかった。


そんな自分になんだか驚いて


ああ、こういう小さな部分から慣れていくことが「大人になる」ということなのかもしれないなと思った。


人生を生きていれば経験は増えていって、そのたびに新鮮さは薄れていくから、だからこそこういうときめきがこれからもたくさん感じられるように、いろいろとチャレンジしていくのが大切なのかも。


大人にはなるけど、いつまでも人生の節々で心からときめいていたいし。


もうすぐ春が来て、ミモザの香りを運んでくるね。


今なら不安なことも乗り越えられる。きっと大丈夫。


心は幼いあの頃と変わらず、春風を待つよ。




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