語源に見るブランドコンセプト

履物の新ブランドをつくるmuneです。

先日、数多ある履物の中でも、何を作るかについてお話しました。

『ヘップサンダル』です。

(ヘップが並んでそうな店頭)

そう、永らく私たちが履いてないアレです。
というか既に『ヘップ』は死語になっていると、私は感じています。

ただ、そこにポテンシャルを感じています。

■語源

このヘップサンダルの「ヘップ」
語源があるのをご存知でしょうか?

・ヘップ【Hep Sandal】女優、オードリー・ヘップバーンが映画『ローマの休日』で着用していたことから、日本で呼ばれるようになった。

劇中、彼女が着用していたのは【フロントオープン / バックレス】タイプのサンダル。(「ミュール」と表現するとフィットするかもしれません。)

…と実はこの語源のうんちく。
ヘップを取り扱う業界では、こすりにこすられたウンチクなんです。ヘップの卸業者さんや靴屋の店主なら、誰でもそんなことは知っています。というか当たり前過ぎて麻痺してます。

しかし、これを読んで頂いてる皆さまは、ご存知だったでしょうか?

いや、そもそも『ヘップ』が死語の時点で、知る由もないんです。

■大女優が生み出す流行

「ローマの休日」が日本で上映開始したのは1954年。
当時、この映画をきっかけに「ヘップサンダル」のみならず、「ヘップバーンカット」と呼ばれるヘアスタイルや、「ベスパ」のスクーター等、多くの流行が日本に生まれました。

また、オードリー・ヘップバーンが主演する多くの映画作品から、ファッションの流行が生まれました。挙げればキリがありませんが、「サブリナパンツ」や「アリアーヌ巻き」(スカーフの巻き方)などは有名です。

■現在の認識

私はこの先程の『ヘップ』の語源に加え、その定義に少し加筆すべき点があると考えています。

■ヘップ【Hep Sandal】・語源:女優、オードリー・ヘップバーンが映画、『ローマの休日』で着用したことから日本で呼ばれるようになった。

・現代ではミュール、サンダルの古称のような認知が高齢層を中心にある。
「つっかけ」や「庭履き」用のケミカル素材の履物を、総称して呼ぶ。

・婦人向け以外にも、「紳士ヘップ」としばしば呼ぶことがある。

以上が、今を生きる私が考える『ヘップ』の定義です。

思い出してください現実を。コレです。

(2018年時点での『ヘップサンダル』
google先生の見解)

私も沢山聞いて回りました。すると本当にご高齢の方にしか認知がないんですね。

つまり、『ヘップ』は世間的にオワコンなんです。

■劇中でキーアイテムだった『ヘップ』

劇中の『ヘップ』の扱われ方について知る人は、履物業界の中でも少ないかもしれません。

オードリー・ヘップバーン演じるアンは、一国の王女としての窮屈な生活に疲れ切っていました。

そんな自由のない日々に耐えかね、彼女はとうとう夜中ひとりで、城を抜け出します。

城を飛び出しローマの街に繰り出す王女アン。自分らしくいられる姿を取り戻すように髪を切り、ベスパに乗り、そして恋をします。ありのままにローマを散策するのです。

ここでは《王女という窮屈な生活から、自由へと解き放たれていく》女性の変化を、ファッションで巧みに表現されています。その象徴的なシーンのひとつに、後に日本で『ヘップ』と呼ばれたあの履物が登場するのです。

彼女にとってのストレスフルな生活から抜け出し、街の市場へ繰り出します。そこで彼女が最初に買い求めたのが[フロントオープン / バックレス]タイプのサンダル、つまり『ヘップ』なのです。

(後に『ヘップ』と呼ばれる履物に初めて足を通す王女アン)

■繋がるブランドコンセプト

なるほど。自分らしさを掴み取るキーアイテムとして使われたのが、この履物だった訳ですね。

詰まる所これは、『いちばん自分らしくいられる(いさせてくれる)履物』を見つけたってことになりませんかね?

これが偶然、以前に私がご説明したブランドコンセプトなんですよね。

そう。だから『ヘップ』の語源や原典を辿っても、ヘップサンダルは『いちばん自分らしくいられる(いさせてくれる)履物』にしかならないんです。

これを発見したとき、結構シビレました。

また新しい光が見えた、そんな瞬間のお話でした。

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mune

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