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区役所職員にインタビュー! ―DX推進担当部 DX推進担当課 前編―

皆さんは「役所」と聞いて、何を思い浮かべますか…?
庁舎によっては、建物が古くて怖い場所だと考える方もいらっしゃるかもしれませんね…。
 
そこで、ねつせた!では、世田谷区役所の職員にインタビューする企画を始めました🍀
現在、区役所のいろいろな部署で働く職員へのインタビュー記事を不定期で発信しています!

第4回目は「DX推進担当部 DX推進担当課」!
(第1回目の「子ども・若者部 若者支援担当課」の記事はこちら🔗から、第2回目の「子ども若者部 子ども家庭課」の記事はこちら🔗から、第3回目の「北沢総合支所 街づくり課」の記事はこちら🔗からどうぞ〜!)
ねつせた!メンバーの「りお」「さとぽん」「ゆー」が、DX推進担当課の3名の職員の方々にお話を伺いました。

前編、中編が部署やお仕事について、後編が部署で働く職員についての記事になります。前編である今回は、DX推進担当課の設立された経緯やこれまで行なってきたDXに関するお話です。

Kさん、Sさん、Oさん
世田谷区 DX推進担当部 DX推進担当課

DX推進担当課の設立経緯やDX推進に向けて

さとぽん まず、DX推進担当課は、どのような経緯で設立されたのですか?

Oさん 令和3年度に庁内外のデジタル改革を進める部署として、(旧)デジタル改革担当課が発足しました。その一方で、庁内の情報基盤の維持、管理を行なうセクションとして(旧)ICT推進課が元々あったのですが、今後DXを推進していく上ではそれらを一体的に進めていく必要性があるという話がありました。
 そういった背景の中、今年度、(旧)デジタル改革担当課と(旧)ICT推進課、経営改革・官民連携担当課🔗の業務改革を推進するチームが合併し、DX推進担当課が発足しました。

さとぽん なるほど…。DXは全体的に行っていくことが重要ですもんね。

Oさん 時代に取り残されないように、今後は庁内の情報基盤の整備はもちろんのこと、区民の方の利便性や効率性を重視していきたいと思っています。

さとぽん そんな世田谷区内の各部署では、どのようなDXを推進していますか?

Oさん 各部署1人ずつDX推進リーダーを任命し、オンラインの学習サービスを利用してDXに関する研修を受けてもらい、ICTスキルを高めてもらっています。リーダーにはその部署のDXを牽引するDXインフルエンサーになってほしいと思っています。

さとぽん 実際にリーダーの方が技術を用いて、率先してデジタル化を進めていく感じですか?

Oさん 1人でDXに取り組んでいくのは難しいので、チームで取り組んでいくことになります。ただ、取り組もうにも知識・手段が無ければ行動することは難しいので、まずは1人、部署内の核になってもらえる人を養成しています。DXを推進していくための知識を持っている人と各部署の業務に精通している人がいて初めて、「あの手段を使えばもっと効率化できる」という形で議論が深まってくるので、各部署にDX推進リーダーがいるかいないかで大きく変わってくると思います。

さとぽん やはり、各部署についてよく知っている方がDXを進めていくことが重要なんですね。

Oさん 結局どちらかの知識だけじゃ進まなくて、デジタルの知識を持っていても業務を知らなければ、そこの業務で何をほしいかということを汲み取れず、業務改善は進まないのではないかと思います。

さとぽん 他の自治体と比べて世田谷区が進んでいる点や、これから進めていかなければならない点は、どのようなものがありますか?

Oさん 世田谷区の進んでいる点としては、区役所の内部業務の効率化です。例えば、RPA, OCRです。RPAというのは人間の代わりに単純作業をやってくれるロボット、OCRというのは申請書等の紙文書をスキャニングしてデータ化してくれるものです。このような効率化をした分、政策に関わる部分仕事等、人間にしかできないコア業務に集中することができるというメリットがあると思います。
 一方、窓口や申請など”区民へのサービス”がまだまだ進んでいないので、重点的に進めていかなければならないと思っています。自分たちだけで完結しない対外的な部分は、今までの窓口のあり方や申請の流れが大きく変わるところなので、なかなか進めていくことが難しいのですが、非常に大切な部分です。
 ちなみに直近では、くみん窓口でキャッシュレス決済がはじまったり、住民税保険料などの口座振替について今まで郵送で行っていたものがウェブで登録できるようになったりと、できるところから改善を進めています。

新型コロナウイルス感染症によるDXへの影響

ゆー 次に、ここ2年半以上コロナ禍ですが、新型コロナウイルス感染症の影響によって進められたデジタル化について伺いたいです。
 
Oさん まず庁内については、今や皆さん当たり前かもしれませんが、対面での会議がかなり減ってオンライン会議中心になってきていますね。今までは大きい部屋に何十人も入って会議をしていたのですが、支所等本庁舎外にいる職員はオンライン参加を原則とするなど、オンライン会議の利用が各課にかなり浸透してきたのかな、と思います。
 区民の方向けについては、例えば(健康づくり課で行っている)妊婦の方向けの妊娠期面接🔗があるのですが、来ていただくのが大変な場合はオンライン対応可能になっています。あと、区民の方が参加する審議会🔗やフォーラムも、オンライン参加型で実施し、募集も電子申請という形で申請された方に対してメールで参加のURLとIDを送るようになってきています。コロナの影響で、最初から最後までオンラインで完結するような業務が少しずつ増えてきている印象ですね。
 
ゆー 詳しいご説明ありがとうございます。そういえば私がねつせた!に加入した時も、説明会をオンラインで実施して下さったので、オンライン活用が増えると、区民と区役所のつながりももっと増えるのかなと思いました。
 1から部署が立ち上げられ、デジタル化を行っていく上での難しさについてはいかがでしたか?
 
Oさん DX推進担当課の業務は、あくまでも「各課の業務を支え伴走すること」なので、実際何をやっているのか見えづらいというのがあります。したがって、各課においてDX課の業務がはっきり伝わっておらず、各課それぞれと密な連携をとっていくのが難しいですね。
 
ゆー デジタル化は、DX課と各課が両輪となって取り組む必要があるのですね。
 世田谷区では、どのような方を「デジタル人材」として取り入れていかれる予定でしょうか。今後の採用活動の指針にもなるため、学生としても気になります。
 
Oさん 現状、デジタル人材としては、既にICTスキルがある人材を民間から登用しています。区の情報化の基盤整備のような専門的な分野については、専門性の高い人でないと対応できないためです。
 その一方で、例えば先ほどのDX推進リーダーなど既に在籍している職員に対しては、DX推進に伴う大きな変化に適応できるよう、「リスキリング」という言い方をするのですが、新たにスキルを磨く機会を設けています。なので、ICT分野に関心がある方であれば、入ってからでも十分スキルを伸ばしていくことはできるかと思います。DX推進にアンテナがある人が区のDXを支えていく人材になると思いますし、それは区以外の他のところでも一緒ではないかと思うんですよね。そういう情報に敏感で「吸収しよう」という心持ちの方が、どこも欲しい人材かと思います。
 
ゆー 関心があれば、色々な人に開かれているということですね。DXの推進によってどのような社会を目指していますか?
 
Oさん 世田谷区DX推進方針🔗では、行政サービス、参加と協働、区役所の3つの観点から、DXを推進することで世田谷区をRe・Designする、つまり作り変えていくことを定めています。どのような社会を目指すかというと、デジタル技術を活用して、区民も職員も皆がより便利に効率的に、そして自由になることだと思っています。ワークライフバランスのためにもデジタル技術を活用し、誰もが暮らしやすく働きやすい、そんな区を目指していけるようにと思います。
 
ゆー DXは仕事と生活に大きな恩恵をもたらすのですね。世田谷区のさらなる発展が待ち遠しいです。

以上、区役所職員にインタビュー! ─DX推進担当部 DX推進担当課 前編─でした。
中編では、デジタルデバイドやテレワーク、申請の電子化などについてフォーカスしていきます。次回もお楽しみに!

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