喜代田 薫

運動指導や治療の現場における実用的な神経科学の知識を一人でも多くの人に届け、職域を越え…

喜代田 薫

運動指導や治療の現場における実用的な神経科学の知識を一人でも多くの人に届け、職域を越えた共通言語とする為にアリゾナ州にあるZ-Healthという教育機関で学んでいる神経科学を基にしたトレーニングやリハビリのセミナーやセッションをなどを実施している理学療法士です。

最近の記事

【脆弱な基礎が問題の生産工場となる】

算数ができなければ数学がわからないように、運動や動作も基礎がなければ、動作を改善することはできません。身体の司令塔である脳と神経システムという視点から考えれば、呼吸もバランス能力も思考も性格も全てにおいて脳が関与しない活動はありません。しかしそれぞれの能力における基礎を理解する為には、まずは分かり易い関節の動かし方という観点から「基礎とは何か?」を考えてみましょう。 手首や肩など日常的に使い慣れている関節を「上下左右」「円」「横8の字」「縦8の字」などの運動方向に様々な速度

    • ストレスバケツ

      ぶつけた、切れた、折れたなどの痛みの原因となる理由が明確な場合はその原因に対して適切な処置を受ける事は言うまでもないですが、それ以外の明確な原因が見当たらない慢性的な痛みや違和感などはどうでしょう? アレルギー症状の代名詞とも言える花粉症の発症メカニズムを例える比喩でこんな話を聞いた事がありませんか?「身体の中には花粉の容器があって、その容器が花粉でいっぱいになると花粉症を発症する」それではこの「花粉の容器」があると仮定すれば、この入れ物から花粉が減ったり無くなったりすれば

      • Pain Science(痛みの科学)

        1664年デカルトが考えた人が痛みを感じる仕組み。足元の熱い火を避けるような反射を、教会での鐘が鳴るメカニズムに似ている考えたそうです。ベルを鳴らすロープが引かれ、塔の上でベルが鳴る。ロープを強く引くほど、鐘の音は大きくなるように、刺激が痛みの中枢と考えられていた松果体に辿り着き、痛みを感じる。 MRIなどの画像診断をする機械がない時代、人間の体を解剖して肉眼による観察から導き出した科学としては感覚や痛みを理解する革新的な考えだったでしょう。 現在の神経科学や痛みの科学の

      【脆弱な基礎が問題の生産工場となる】