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バブルが弾けた頃にブームとなるも泡と消えたポケベル…に感じる諸行無常

この2か月ほど、戦後の日本の世相を振り返るような仕事をしていました。
いろいろ気づきがありました。
こんな記事を見つけたり……

読売新聞縮刷版 1993年7月3日

今から29年前。サッカーファンなら「ドーハの悲劇」でおなじみの年です。
日本がドイツに勝った「ドーハの歓喜」で、この年に思いを巡らせた人も多いでしょう。

バブル経済崩壊の頃。
それと反比例するようにポケベルの普及が進んでいました。
93年は就職氷河期に突入する年でもあったようですが、そんな年の夏に始まったドラマが『ポケベルが鳴らなくて』。
私は視ていませんが、とっても話題になったため、印象に残っています。

「人生弾ませる冒険の誘惑」とあるので、紹介記事を読んでみたら、女子大生の娘がいる真面目な男が、29歳も年下の女性と知り合う話だったのですね。そして、言われる台詞が「アバンチュールはしないのですか」
ポケベルで連絡を取り合って、アバンチュールが燃え上がるドラマなのでしょう、きっと。

私はその頃、サラリーマンで営業職だったため、外回りの時、ポケベル持たされていました。顧客から会社に電話があった際は、連絡しろということを知らせるメッセージが届くのです。公衆電話を見つけて、「クレームじゃありませんように」と願いながら、会社にかけたものでした。

ポケベルという紐で会社につながれている気分。
「おれたち、鵜飼いに泳がされている鵜みたいだな」と同僚と言い合ったことを覚えています。
アバンチュールに使ったことは、私は無い。

ポケベルの最盛期は96年だったとのこと。
携帯に取って代わられた時は、「この機能差なら、負けるのも当然だね」と思いましたが、その携帯もスマホに覇権を奪われるのだから、世の中、本当に恐ろしい。諸行無常です。スマホがポケベルみたいになる日だって、いつか来るかもしれませんしね。

ただ、通信機器がいくら進化しても、浮気をしようとする人がいなくなることはないでしょう。古文に親しんでいると、人間の浮気欲は千年も前から変わっていないとわかります。

読売新聞縮刷版 1993年7月3日

『スマホが震えなくて』というドラマが作られるなら、視てみたい。

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