星の王子さま3「王子さまの星(遠くに行けない場所)」

3章から、男の子こと「彼」の呼び方が「王子さま」に変化する。「僕」は砂漠で出会った小さな男の子のことを少しずつ知り始めるからだ。
「王子さま」は「僕」に質問をたくさんするが、「僕」からの問いにはおかまいなしである。
そのため「僕」は「王子さま」の言葉から断片的ではあるが、「王子さま」について知ることになる。

「きみのくれた木箱だけど、あれは夜、ヒツジの小屋にできるからいいよね」
「そうさ。きみがいい子なら、昼間ヒツジをつないでおく綱もあげるよ。それから綱を結ぶ杭も」
(中略)
「だいじょうぶなんだ。本当にちいさいから、ぼくのところは!」
それからなんとなく少し悲しそうに言いたした。
「ずうっと、まっすぐ行っても、そんなに遠くには行けないんだ……」

この会話から、「王子さま」は地球ではないどこか遠くの星から来ており、そしてその星はとても小さな場所であることが分かる。
あまり自分のことを話したがらない「王子さま」は何故自分の星を離れて、地球まで旅をしてきたのか、謎の導入部分である。

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