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手荒れは防ぐことができるかも《子供のお手伝い》続編

いつものようにそろばん塾に、小学5年生女子のTちゃんがやって来た。
「指の調子はどうかな」
右手の親指の腹が切り傷のようになり、血が滲んでいた。
30年程前、自分も同じように親指から時々血が出ていたことを思い出した。食器洗いは、親指に1番負荷がかるのだろうと改めて思った。
「あらまぁ、痛いでしょう。この前言ったnote記事の手荒れは防ぐことができるを読んでくれた?」
「うん」
「ちょっと難しかったでしょう」と聞くと無言だった。
「お母さんも読まれた?」
「いいえ」
「そうね」
彼女の親指は痛々しかったが、それでもなんとか練習を始めた。しかし、あまりやる気が見られなかった。

それから次の練習日は、血の滲みはなかったが、まだ全ての指先が荒れていた。
「あら、この前より少し良くなったね」
「もう、食器洗いはしてないよ」
「そうなの‥」
せっかくのお手伝いに水を差してしまったような気がして、一瞬後悔の念が頭を過ぎった。それから幾日か経っても、彼女の指先はまだ荒れていた。
「食器洗いを止めても直ぐには良くならないと思うよ。シャンプーも石けんに変えた方が良いし、冬場は手洗いでお湯を使えば、手の皮膚の脂を取り過ぎて手荒れが酷くなることもあるよ」彼女の顔が少し曇ったので「気長に取り組めば夏場には大丈夫かもしれない」と話すと安堵の表情に変わった。

Tちゃんが帰ろうとする所を呼び止めた。A4用紙を柱に貼り付けるように左手で押さえて、立ったまま大きく3行走り書きをした。
石けん→○    
複合石けん→✖️  
合成洗剤→✖️
「お母さんに見せてね」
すると彼女は、この中に入れてと言わんばかりに黄色のお稽古バックを胸の辺りで広げた。半分に折ったその紙が私の手から離れ、スーッとそろばんの横に潜り込んだ。どうか良い仕事をしてくれますように。

Tちゃんの手荒れが何に起因するかは分からない、昨今のウイルス騒動で消毒のし過ぎも否めない。私の経験ばかりに依拠してはいけないと思うが、参考になれば嬉しい。

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