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カバラ物語 第五章 ぼくの善と美 #4「豪奢な生活のほころび」 |小説 ユニバーサル・カバラの物語 第五章

ぼくは一流の証としてプライベートジェット機を買った。せっかくなので仲間を連れて南の国に出かける。有名リゾート地のプライベートビーチで遊ぶために。ぼくらは美しい真っ青な海でダイビングをしたり、ジェットスキーをしたり、バーベキューをしたりしてバカンスを満喫する。

ぼくはガールフレンドを伴って買い物に出かける。人気モデルの彼女が旅について来てくれたのは、高価な腕時計を買ってあげると約束したから。ぼくは約束を果たすためにブランドショップが立ち並ぶメインストリートに向かう。腕時計だけでは終わらずに高級ブランドのバッグや靴も買うことになった。ガールフレンドは喜び、ぼくは自分のパトロンぶりに満足する。


ぼくらは街中のレストランで昼食を済ませ、センター街をブラブラ歩く。ガールフレンドはまだ欲しいものをおねだりする気満々に見える。ぼくはそろそろ買い物を切り上げたいところなのだが。

交差点で信号待ちをしていると、向かい側のビルに目にとまる。二階の窓に描かれたロゴマークに見覚えがあった。ぼくが毎月高額の寄付をしている非営利団体のロゴマークだ。ぼくはガールフレンドに言った。

「ちょっとあそこに寄ってみてもいい?」

買い物を続けたいガールフレンドは露骨に嫌そうな顔をする。しかし、彼女のお財布役でもあるぼくと離れるわけにはいかないので、しぶしぶついてくる。ぼくらはコンクリート建てのビルの二階に上がった。受付と呼べるようなものはなく、アルバイトらしき現地の娘が出てきた。ぼくは挨拶する。

「毎月ここに寄付をしている者だけど、たまたまオフィスを見かけたので寄ってみたんだ」

室内を見やると殺風景で、粗末な机だけがやけに目立つ。他に人がいる気配がない。

ぼくは尋ねる。

「皆さんはどこかに出かけているの?」

現地の娘は首を振った。

「ここには誰もいない。あたしだけ」

不審に感じたぼくは、毎月送られてきている支援物資を見てみたいと言った。

娘はふたたび首を横に振った。

「そんなものを見かけたことは一度もない」

ぼくは何度も聞き直す。娘は医薬品も衣料品も見たことがないという。確かに部屋の中には何もなく、物資を置くための棚もない。


…#5へつづく。

◆現在公開中の連載はこちらからまとめてご覧いただけます。

​誰も読んだことのない、誰も書いたことのない、本当の成功の物語。
「ユニバーサル・カバラの物語」
秘密はここに。



◆連載小説「ユニバーサル・カバラの物語」が本になりました。

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モダンミステリースクール 形而上学BOOKシリーズ
「カバリスト ぼくの成功物語」〜永遠の生命の木の謎〜(上巻)
イプシスマス・中込英人 著 税込2,500円

物語の裏に秘められた神秘の教え「カバラ」の奥義を解き明かす解説つき。カバラを学ぶ人、そして真理を探求する人に必携の一冊です。


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制作
グッドニー ・グドナソン
中込英人
谷村典子

グッドニー ・グドナソン

モダンミステリースクールファウンダー
リネージホルダー メインイプシスマス

アイスランドの貴族の家系に生まれ、生まれてすぐに双子の兄を亡くす。以来兄の存在を通し、目に見えない世界とこちらの世界を同時に生きるようになる。 10代で英国のミステリースクールに招聘され、カバラ、ヘルメス学、古代エジプトやケルト、ドルイドマジックなどあらゆる魔術と形而上学を学び、最高位の魔術師となる。1997年にモダンミステリースクールを継承(当時はロッキーマウンテンミステリースクールの名称)。「No More Secret」の下、それまで秘密にされてきた真の形而上学の教えをオープンにする。現在は世界60カ国に広がるミステリースクールで教える一方で、DJとしてフジロックのステージに立ったり、ハリウッドの映画祭でプロデューサーとして活動するなど、多方面で活躍。まるでファンタジー映画や物語のようなその生き様を通し、あらゆる可能性と喜びを表現し続けている。オーロラエンタテイメント・エグゼクティブプロデューサー。
中込英人

モダンミステリースクール校長
リネージホルダー サードオーダーイプシスマス

世界中で形而上学を教え伝えるメタフィジックス・ティーチャー。幼少期より空手の天才少年と称され、大山倍達氏のもとで内弟子として研鑽を積んだ武道家でもあり、15歳で渡米した後、飲食店経営などで成功を収める。また、武道の実力を買われ、ダライ・ラマ14世のボディガードを担当。ダライ・ラマ14世から「スピリチュアルな道を人に説くもの」と称されたことをきっかけに、密教の学びを始める。密教行者として厳しい修行を積んだのち、30代で一時帰国。ミステリースクールおよび形而上学の学びと出会い、以降、スクールの拡大に全精力を傾け、2017年に最高峰の魔術師である「イプシスマス」の称号を得る。形而上学をわかりやすく、ユーモアを交え伝えるクラスは、国や文化を問わず常に笑いと活気に満ちている。著書『支配者(エリート)が独占してきた成功の秘笈』『MAX瞑想システム™️ー脳を鍛え可能性を引き出す究極の成功メソッドー』『カバリスト ぼくの成功物語』

谷村典子

作家・脚本家
日本シナリオ作家協会会員

成蹊大学卒業後、会社勤めの傍らで松竹シナリオ研究所卒業。2002年テレビアニメシリーズで脚本家デビュー。テレビ、映画、舞台で、幅広いジャンルの脚本や構成台本を担当する。
L.A.Fear&Fantasy映画祭他では、作品賞などを受賞。タロットをきっかけにモダンミステリースクールと出会い、形而上学の学びを深めている。Atelier ADITI主宰。http://atelier-aditi.jp/

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