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#34 これからの授業のあり方は?

今日、3年生の自由進度学習を参観させていただく機会があった。教科は算数。ものすごく学びになったので、考えたことなどを記録しておく。

1.自然発生的な学び合いが起こる自由進度学習

今回見た自由進度学習は、個別的でありながら、子どもたちが互いに教えあったり、学びあったりする姿が見られた。これが自然発生的に起こっているところがとてもすごい。子どもたちが”緩やかな協働性”の中で学んでいるように感じた。
これがどのようにして”緩やかな協働性”は育まれるのだろうか。このことについては、整理して考えたい。私も同じように自由進度的な実践をしたことがある(ここまでの準備はしていないあくまでも”的な”だが)。しかし、どうしても”個人学習化”してしまう部分があったり、協働的に見えて会話の内容が薄かったり…”緩やかな協働性”の中で学び合うというところが難しかった。
このような自然発生的な学び合いが起こるには、どのような条件が必要なのだろう。「学ぶことへの意欲・エネルギー」「関係性」「学習用具・選択肢」考えればたくさん挙がるが、私も実践を重ねる中で明らかにしていきたい。

2.周到な準備

まずなにより準備が周到であった。単元ガイドプリントについても、ものすごく細かく記されている。何をすれば良いのか明確である。
一方で、ここが明確であればあるほど、授業者の先生本人も悩んでいたように、教師が指示しているのと変わらないのではないかと言う問いも生まれる。私も同感だった。「変わらない」とは言わないが、指示されたことをクリアしていくという構図については同じだろう。
目指していく”個別最適な学びと、協働的な学びの一体的な充実”といったところは、どのようなところにあるのかを探って実践を積み重ねていきたい。

3.テストを手放さなければ変わらない?

「テスト」というもので評価をしている限り変わらないのかもしれないとも思った。評価の仕方が変わらなければ、授業は変わらないのだろう。(もちろん、テストだけではないにしても)しかし、そこにはものすごく大きなハードルがあるとも感じる。
テスト(ここでは業者テストを指す)があるという事は、テストに対応できる知識や技能を教えなければならない。となると、どうしても教科書を網羅する形になる。
教科書に載っていることを教えなければならないと言う構図がある限り、「単元ガイドプリント」のような細かい指示が必要になってきてしまうのかもしれない。
ではどのように評価していけば良いのか。業者テストを止めて、その都度チェックテストのようなものを積み重ねるだけということもできるかもしれない。
学びを子どもに渡していく過程で、評価のあり方、テストのあり方についても考えていく必要があるだろう。

4.教科書をこなすから脱却するためには?

教科書が”悪”とは言わない。しかし教科書の内容をやらなければならなくて、それをなぞっていると言う構図になってしまうと、どうしても”学びそのものに没頭している”と言う姿は少なくなってしまう。
学びそのものに没頭するためには、おそらく”やらなければならないこと”をもっともっと手放さなければならないのだろう。教科書はあるが、教科書の内容を網羅するのではなく、子どもの生活と繋げながら考えていくなどが考えられるかもしれい。また、「探究を核としたカリキュラム」を組み、総合的な学習の時間のような探究的な学びと各教科と結びつけていく。(これは、いうほど容易くなく、かなり高度だと思う。)
しかし目指していくところはどこにあるかと言えば、そういった”探究”や”プロジェクト方”とも結びつく部分なのではないだろうか。

5.自己調整学習には、他者との関わりが必ず必要。

自己調整学習・自由進度学習と言うと、個別化(個人学習)のような側面が強調されがちだが、実は本質はそこではない。他者との関わりの中で気づいたり、深まったりする場面がたくさん作られていなければならないと思う。今回の授業の中では、他者との関わりと言うものがたくさん見られた。
もちろんその質は考えなければならないだろう。これから自分が実践していく上でも、どのような環境設定をし、どのような課題を設定していくことで、自然な学び合いが発生し、それが自己調整と結びついていくのかを考えていきたい。また実践も重ねていきたい

6.これからの授業のあり方は?

子どもだけで全てを学ぶと言う事はやはり難しい。もちろん子どもだけで学ぶ場面があっていいと思う。また学び方を学ぶと言うことはとても重要だし、現在の教区で見落とされている場所であると言う事は間違いないだろう。少なくとも、子どもがお客さんで教師がサービス提供者になってはいけないのだ。
一方で、全て子どもにやらせるということが良いとも限らない。子どもに渡す場面と教師が積極的に関わる場面を意図的に組み合わせていくことが、これからの教育の中で必要になってくるのだろう。
自由進度か、一斉授業かという二者択一ではなく、子どもを主語にして考えることが大切なのだろう。

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