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【ブロント語】彼女持ちVSいくえ不明者【対置論法】

「諸学の父」とも呼ばれる、後世の弁論術に多大な影響を与えた古代ギリシアの哲学者アリストテレスも推奨していた『対置論法』。

かつて2chに存在したFF11プレイヤーであるブロント氏が同様の論法を用いていたことが判明したので紹介します。

ぜひマスターしてブロント氏にグイグイ近づきましょう。

このままだとお前いくえ不明になるぞ

2つの未来を対比をすることにより、
優劣をわかりやすく相手に叩きつけたブロント氏の書き込みを引用します。

35 名前:既にその名前は使われています 投稿日:2005/08/03(水) 18:12:14 TOymZVWm
(中略)
・豪華なHNMLS→装備が充実→心が豊かなので性格も良い→彼女ができる
・せこいLS→装備が雑魚→心が狭く顔にまででてくる→いくえ不明

※LS:リンクシェルの略。FF11におけるグループで、他のオンラインゲームでのギルド・クラン等にあたる。

質の良いクランで過ごすと現実で恋人ができることに対し、
質の低いクランに所属しているだけで顔つきが悪く、現実世界で行方不明になると表現することにより、
FF11において良いLSに所属することの正しさを主張しています。

誇張した表現も効いており、その主張をより強めています。

また、「行方」が「いくえ」に誤って記載されてる点も注目すべき点です。
議論において「ユーモア」は説得力を増す強い武器になります。

実際、アリストテレスも、議論における「冗談」に対して、
「論を戦わせる際にはその効用が認められるように思われる」と発言していることから、
ブロント氏による、聴衆の頭に残りやすいような議論の工夫が垣間見えますね。

アリストテレスとブロント、二人の優れた弁論者

アリストテレスは著書『弁論術』で、自身の主張をまとめる際には、対置を推奨しています。

「あの男の言い分はこれこれのことであり、
私の言い分はしかじかのことであった。

かりにあの男が、しかじかであって、これこれではないことを証明したのであったら、彼の行為はなんと立派なものになったことだろう」

『弁論術』p403

ブロント氏もまた、次のような主張をしている。

7 名前:既にその名前は使われています 投稿日:03/06/17 14:37 dwEgqDEpグラットン有り:Pスキル高い・性格良し・会話も楽しい
グラットン無し:Pスキル低い・厨房率高い・面白味の無い奴

※グラットン:FF11に登場する片手剣

同じです。アリストテレス=ブロントです。

この論法が強い理由

  • 違いが明らかになることにより、聞き手が理解しやすい

  • 短い言葉で表現できるため、聞き手の理解が素早くなる

上述したブロント氏の書き込みは、

Q.グラットンの有無で何が変わるのですか?
A.会話が面白い人間になれるか、そうでないかです。

という内容で、グラットンにより生まれる差異を簡潔に答えています。

…「ブロント」という名前、もはや古代ギリシアの学者の名前に見えてきたのは、私だけでしょうか?

きっと、私だけだと思います。

余談

ブロント語は見るだけで癒やされる、観葉植物のようなものです。

まさかアリストテレスとブロント語との共通点があるとは思っていませんでした。
読書は旅ですね。思わぬ出会いがあります。

観葉植物であるブロントさんをこれからもどうぞよろしくお願いします。

X:https://twitter.com/MajinNewType

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