【映画紹介】博士の愛した数式
今週から映画の紹介をしてみようと思います。
前々から見たいと思っていた「博士の愛した数式」をアマゾンプライムビデオで見てみました。
なにか泣けるとかそういうタイプの映画ではないです。
どちらかというと地味な映画というか、何か事件があってそれを解決していくというものではありません。
正直この映画は商業で人を集めてという企画意図で作られたものではないような気がします。
きっとマーケティングという観点とは真逆の位置から作られているんじゃないかと思います。
そんな気がしたのは、とても丁寧に作られた映画だなと感じたからです。
とてもすがすがしい感じがする映画だったので紹介してみようと思いました。
とにかくセリフにやられた。
これほどの良質なシナリオってなかなかできないんじゃないかなと思うほど一つ一つのセリフが練られてます。
本当に1シーンごとに何かキャラクターの性格をこの人物の心の中をしっかり固めているなあと感じます。
事故によって80分しか記憶がないという博士とシングルマザーの家政婦の親子の物語。
「君の靴のサイズはいくつだ?」とその家政婦さんに博士が最初に聞くというシーンがあるのですが、すごいセリフだと感じました。
「24」です。と家政婦が答えると「4の階乗だね。潔い数字だ」
この一言で博士の生きてきた人生の深さが出ていると思うんです
こういうセリフが出るというのは普通の感性じゃないなと思います。
作者はどれだけ悩んでこのセリフを作ったんだろう。
この映画にはすべてのシーンにハッとする言葉が含まれてます。
詩の美しさというんでしょうね。並々ならぬ言葉への情熱が伝わりました。
本当に言葉の美しさを感じます。
一言一言に博士の優しさがあふれているというか、キャラクターすべてが優しいんですね。
映画自体が作者の優しさに包まれているような映画でした。
小川洋子さんという原作者の作品には本当興味がわきました。
キャストについて
主演の寺尾聡さんの名演技が光ります。
博士の優しさ、子供に対する思い、自分の記憶がないことに対する戸惑い、
野球を子供とする時のはしゃぎよう。
やはり、セリフがありきなのですがほんのちょっとの動作でも優しさが伝わります。
途中で、「僕をみくびっちゃいけないよ。僕は忘れないよ」と言いながら自分の体にメモを張り付けるというシーンがあるのですが、なんか子供っぽい寺尾さんの表情と一緒に博士がいとおしくなります。
結構最初に博士が変人だという印象を作るシーンがあるのですが、笑ってしまうんです。
そういうところ寺尾さんをキャスティングした監督さんも見事だなと感じます。
深津絵里さん、吉岡秀隆さん お二人とも私の好きな俳優さんで味があっていいですねえ。
撮影について
中盤で桜の中を博士と家政婦さんが歩くシーンがあって、そこの周りの自然を写すシーンがあるのですが、ああいった桜をとるシーンを映画でやるってめちゃくちゃ大変だと思います。
雨が降ったら終わりだし、時期が少しずれただけで来年まで撮れなくなりますし、できれば入れたくないと思うんですけど、意気込みが伝わるなあ。
室内で撮っているシーンが多い分、野外のシーンがとても豪華に作られている。
桜のシーンがないともっと見栄えしない映画になったかもしれません。
そういう意味で印象的な桜のシーンはとてもきれいに見えました。
まとめ
この映画、若い時に見たらあまりいい映画だと思わないかもしれません。
そして脚本とかに興味がなければ特に地味な映画だと思ったと思います。
そういう意味では、ちょっと薦めにくいものなのですが個人的には面白かったです。
言葉の美しさとか詩的な表現を感じる珍しい作品です。
それでは今日はこの辺で
またいい映画をみたいなあ。
それじゃまたね
さいごに
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