suuu

ずっと以前に書き溜めて ずっと奥底に閉まっていた物語達を ふっーっとシャボン玉のように…

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ずっと以前に書き溜めて ずっと奥底に閉まっていた物語達を ふっーっとシャボン玉のように放ってみようと 思い立ちました。 ポケットに忍ばせて持ち運べるような物語達です。 どうぞ宜しくお願い致します。 心にsuuuっと、風が吹きますように。

マガジン

  • novel 恋愛時計

        ✳︎携帯novelをまとめています✳︎   ホッと一息つけるようなお話を連載中   是非お読みください      宜しくお願いします♡

最近の記事

page 20 陽炎

it's story of the Mr. 神島 蓮 「じゃあな」って快の言葉が     いつもより暗いトーンで聞こえた。      「お友達ですか?」      「ああ、       うん。       高校時代からのね」  彼女が快を知らない事に違和感を覚えた。  知るはずも無い。  彼女は汐音じゃないんだから。       「浴衣、とっても似合ってますね」    「いや、それは心羽ちゃんでしょ。     向こうから歩いて来た時、     花が近づいて来たっ

    • page 19 夏の歯車

      it's story of the Mr. 神島 蓮        快「マジ…かよ」   行き交う人の波に、   赤い花の浴衣はとてもよく目についた。   彼女の髪に刺してる白い花が近づく度   陽炎みたいに眩しくぼんやり反射して     ただそれを呆然と見ていた。   噴水のパウダー状の霧が   露天の街灯に、ちりぢりに舞う     粉々に散っては消えていく        繰り返し        繰り返し       生まれては消える        ザー・・・

      • page 18 涼夏

        it's story of the 神島 蓮        快「お前さ、     悲惨な結末になったらどうする?」    噴水広場の水しぶきを浴びながら    快は呟いた。    まぁ、顔も見た事もない人との    待ち合わせのシチュエーションだから    そんな風に思って当然だ。     ははっ        蓮「悲惨って」   快「例えば全体的に…こう、          デラックスとか」      はははは       蓮「デラックス 笑」   快「じゃな

        • page 17 兄のセレナーデ

          it's story of the Mr. 梛木 亜門     「いいよ お兄ちゃん」   「後ろに乗っけてくからコレ被って」    久々に見た白地に赤い花の浴衣    心羽がこれを最後に着たのは    何年前だっただろう…    「電車で行くからいいってば」  亜門「誰かと一緒ならまだしも     浴衣姿で混雑した電車に乗せられ     るかよ」  心羽「だからって     浴衣でバイクの後ろって困るよ。     髪も浴衣も崩れちゃう」  亜門「んなもん、着いた

        page 20 陽炎

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        • novel 恋愛時計
          21本

        記事

          page16 ヒマワリ

          it's story of the Mr. 八木 快          ・    快「浴衣とか、反則だろ」          蓮「いや、      浴衣持ってるって言ったら      目印にもなるし      着てきてって言われたから」          ・    いつもの公園は露店が並び   いつもと全く違う世界を作っている        夕暮れは薄紫のグラデーションで      夜へ向かう階段を作り      祭りで賑わう人波を     徐々に暗い青に染めてい

          page16 ヒマワリ

          page15上の空とチーズタルト

           it's story of the 梛木 心羽         ・       cafe時計屋         ・    この店内の入り口奥には    無数の時計が壁全体に    かけられているスペースが有る    大小様々な形の時計達は    一斉に羽音のような音を奏で    まるで小さな小雨のように    店内を静かに演出している。   この空間の雰囲気が落ちつくと言って   足を運んで下さるお客様2割と、   お兄ちゃん目当てに通ってくれる   綺麗な女性

          page15上の空とチーズタルト

          page14 織姫の秘密

           it's story of the Mr.梛木 亜門    亜門「日に焼けるから入って来いよ」       心羽「 うん 」          ・   心羽には忘れられない男が居る          ・   その男と別れたのは随分昔の話だし   別れてから他の彼氏が出来た事も   知っているけど、      未だに心羽の心に焼き付いてるのは    高校時代のアイツだって事は   別に心羽から聞いた訳じゃないけど       分かっていた。           

          page14 織姫の秘密

          page 13 cafe 時計屋

           it's story of the Mr. 梛木 亜門           ・     「心羽、そろそろ店開ける」            「あ お兄ちゃん」    「お前さ、今日ぼんやりし過ぎ」           ・           カラン           ・      店のドアを開けた途端        晴天の空に    クリームが乗っかってるような      入道雲の白さが目に眩しくて       思わず瞳を閉じた。  店先に植えた大量のラベン

          page 13 cafe 時計屋

          page 1 ナツノキオク

                    《20××年7月》 蓮「お前さ、 あの頃なりたかったもんとかって有る?」 快「あの頃? 何だよ唐突に…」           ・ 社会人になって初めて行われた高校同窓会は  あんまり変わってない仲間の笑顔で溢れ、  あんまり変わってない話題で終わった。   いつものメンバーで花火を調達して   いつも集まる大通りに位置する公園 歩いて来た俺達の頭上に吹く涼し気な葉音が あの頃にゆっくり時間を戻して行くように錯覚する。           ・

          page 1 ナツノキオク

          page 12 ツキガキレイ

           it's story of the Mr. 神島 蓮        初めて聞いた声があまりに綺麗で      こういう時ってまず、   名前を聞いたりするのが普通なのに   話の筋書きもブッ飛んじゃうような    まるで舞い上がった行動の俺、                  あーんど  凄く頑張って冷静を装う俺に                 自分で苦笑してしまう。    「日本人の奥ゆかしい感性は    直接的な“愛してる”を言わないで   一緒に月を眺める事が

          page 12 ツキガキレイ

           page 11 moon voice

           it's story of the Miss 梛木 心羽          ・       「もしもし       「ぁ、もしもし」          ・      「えっと、こんばんは       改めて…神島蓮といいます」    胸が痛い程ドキドキと音を立てて    携帯を握る手に力が入ってしまう   「夜分の時間帯にかけちゃってるけど         今って時間大丈夫?」      低い声が優しく耳をくすぐる。   一瞬ふっと笑った声に胸の奥がキュッと

           page 11 moon voice

           page 10 first contact

           it's story of the Miss 梛木 心羽    夏の夜の風には    少し切なさが混ざっている    窓から入る風が髪を揺らして    息をするとスッと入って来る  そんなblueな想いをそっと受け止める    部屋の照明は暗いのが好き    理由は月の明かりが優しいから    今夜も    パソコンのページに画像を載せる          カタッ     ブログにメッセージを下さる方が居て   その人の言葉に独特の優しさを感じて    いつも

           page 10 first contact

           page 9 君の名は?

           it's story of the Mr. 神島 蓮        仕事が終わってシャワーを浴びて     コンタクトから眼鏡に変える      冷蔵庫からビールを出して   パソコンを立ち上げると大体この時間   このルーティンに1つプラスされたのは         “織姫”のブログをチェックする事        今日は空の画像…     だいたいこのくらいの時間に     彼女からのメッセージが届く         “お元気ですか?”           

           page 9 君の名は?

           page8 夕闇のニュース

                it's story of the Mr. 八木 快             「マジで言ってんの         それ!」  iPhone片手にビールに口をつけてたら  蓮のあまりに驚きの内容に衝撃を受けて      吹き出しそうになった。      「デカいんだよ声が」             「ちょっと待て!         早まるな!     お願いだから一回考えよう」       「蓮、いいか、  ブログで繋がった相手と実際に会うなんて   そんな

           page8 夕闇のニュース

           page7 endless wave

          it's the story of Mr. 八木快           ・    コウは蓮の事をずっと好きだった                       ・    高校時代いつも3人で居たから   言葉にしなくてもお互いの思いは手に取るように分かってしまっていた。   クラスの中でも飛び抜けた人気の蓮が   他校の1つ先輩の汐音さんと付き合う   ようになってから        コウは心から笑わなくなった   いつも視線の端っこで蓮を見てた事   3人のバランス

           page7 endless wave

           page3 記憶ノpuzzle

           it's the story of 神島 蓮         カタン…     マンションのドアを開けて     照明のスイッチを入れる       「ただ今…」   って言っても自分しか居ない訳だけど    首元のシャツのボタンを緩めて    洗面所で手を洗う    冷蔵庫の中のビールを探って   ひんやりとしたプルトップに手をかける 静かなリビングにプシュッと弾けた音を合図に    疲れた体をソファーに投げた 金曜の夜に一人で寂しくないかと聞かれても   

           page3 記憶ノpuzzle