現役バーテンダーが語る「バー」「BAR」note

ハッシュタグ企画に便乗して僕の仕事の業界についての布教noteを書きます。

「バー」「BAR」の魅力について


入門のハードルが高いと思われる飲食店ランキングがあったとしたら断トツで1位なのではないかと思われます「バー」「BAR」。細かい説明は抜きにしてですね、現場で働いて12年目の僕が内側からステマなしのオール本音にて書かせていただきます。


とりあえずですね、

「お酒が美味しい」です

はい、自慢です。僕、美味しいの作れます。

僕は居酒屋やカラオケボックスでバイトしたことがあるのですが、使っているものが決定的に違います。お酒、割りもの、グラス、調理器具などなど。

安いもので美味しいものが作れるのは「食べ物」だけかなと個人的には思っています。業務用スーパーで大量買いしたお肉も味付けや調理方法で美味しく加工できます。例えばブラジル産のキロ400円しない鶏肉だって下味をつけて唐揚げにしてしまえばそれはそれは美味しいおかずになります。

「飲み物」、特にお酒というのは素材のポテンシャルに大きく左右されます。高いから美味しいとは限らないのですが安いお酒は味の「角(かど)」(←アルコール感が強い。例えるなら消毒用のようなツンとした風味がある)が立っていて口にするとグッときます。

特に「スピリッツ」と呼ばれるウイスキーやジン、ウォッカなどは顕著にその味に出ます。

つまり、

「美味しいお酒=良質なお酒」

と言い換えることができます。


そしてその良質なお酒の数々を

お酒のプロが扱っている

点も見逃せません。

ウィキペディア的な歴史とか生産者とかは興味の問題なので人によって知識差はあるのですが、僕たちは「このお酒にはこれが合う」とか「このお酒はこの比率で合わせるとスッキリテイストになる」など、お酒自体の「トリセツ」を持っています。これは日頃扱っているからこそ、レシピという教科書に沿った勉強をしているからこそ手に入れることが出来る非売品です。本屋で売っている本やネットで出ている情報を読んだだけ、知っているだけではわかるわけもないのです


スタッフと会話できる

のも楽しいですし魅力ですね。「コース料理を食べ終わったあとにシェフが挨拶に来る」みたいなシーンをドラマや漫画で見たことがある人もいるかと思いますが、「バー」「BAR」ではコース料理を頼まなくても、高級なお酒を注文しなくても作成者、つまりバーテンダーから沢山の情報を仕入れることができます

また、お酒の話がメインのように思われているようですが会話のポートフォリオを振り返ると「お酒」の会話の割合はきっと20%くらいかなと思います

(僕のお店はニッチなお酒マニア様がほぼゼロなので尚更ですが)

「じゃあ何を話すの?」かと言えばですね、そうですね、何気ないことばかりですね。僕たちがいくつか質問を投げて、それに回答してくれて、その回答から自然と会話の流れが生まれます。その中で「お酒」の話が出る場面のありますが、お互いの「好きなこと」や「興味のあること」、「コイバナ」「仕事論」などなど書ききれないほどの話題が飛び交います

職場の人や友人、恋人と話している内容とたとえ一緒だったとしても環境が違う人と話をすれば同じ内容でも返ってくる言葉は違いますし意味合いも変わってくるものです

なので僕たちプレイヤー側は毎日飽きずに楽しめています。むしろ毎日多くの意見を取り入れることができて幸せです。同じような気持ちにお客様にもなっていただけるべく毎日の学びをアウトプットしていくことで還元できるというサイクルも出来ています。


サードプレイス

的な側面もありますね。俗にいう「常連様」と呼ばれるお客様にとって「バー」「BAR」は自宅と職場以外の居場所「サードプレイス」となっています

「行きつけ」という言葉がありますが、それはただ通っているだけではなくて自分にとっての「リセットスペース」「エンジョイスペース」「メンテナンススペース」だったりします。

「仕事もプライベートも充実」みたいな人も「どっちも上手くいかない」みたいな人も良い意味での「避難所」的役割を担える貴重なスペースだと思います。


お酒好きな仲間に出会える

こともあります。

(まずもってプレイヤーである僕たちがお酒好きなのですぐに仲間となれる)

カウンターでは日頃出会えない、でも同じ店に来ているという共通点を持った方がたくさんいます。たまたま隣になっただけで仲良くなって友達になる方々もいますし、中にはカウンターで出会ってそのままお付き合い、その後結婚した男女だっています。

「オフ会」的なイベントに登録なしで参加できる感覚ですかね。こういったカウンターで仲良くなった方々の共通点は、

ひとりで気軽に飲みに来れる

という「バー」「BAR」の特徴を生かしているからです。

居酒屋にひとりで入るのには抵抗ありますよね?焼き肉屋にひとりで入れますか?結構厳しいですよね?

では、カフェはどうですか?ひとりで入れる方が多いと思います。これは「ひとりで来ている人が沢山いるから」だと思います

「バー」「BAR」は冒頭にも書きましたが、「入門のハードルが高いと思われる飲食店ランキングがあったとしたら断トツで1位」だと思っていますが、「バー」「BAR」側の人間はおひとりさまの対してアレルギーのひとつもないですし何ならスーパーウェルカム体制が整っています。というかおひとりさまは日常です。

ちょっと入りずらいとは思うのですがプレイヤー側がこういった気持ちでやっているとわかれば少しは入りやすくないですか?


僕は「バー」「BAR」が好きです。ただただ好きです。普段行く「バー」「BAR」はカジュアルな場所が多いですがホントに素敵な業態だなと思いますしこの「バー文化」をより多くの若い方に理解してもらいたいと考えています。良かったら地元にある「バー」「BAR」に興味を持ってもらえるきっかけになればいいなと願っております。読んでいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?