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オバチャンになって楽になったこと

娘が学校の宿泊研修先の遊園地で仲間外れにされたとき、「一緒に回る?」と声をかけてくれたのはギャルグループで、やっぱギャル最強!大好き!とママは娘のクラスのギャルたちに最大のリスペクトを贈った。
ママ自身はギャルとは縁遠い人生だったけども。いや、だからこそのリスペクトなのかも。

ギャルと並ぶ、オバチャン最強説

今では笑顔で感じがいいと言われるツツジは、元は人見知りで愛想がなくて、友達がいないわけじゃないけど地味で目立たないタイプ。当たり障りのない話はできるし、外見も中の上くらいだったから、孤立したりいじめられたりすることはなかったかな。弱そうに見えるのか、ケンカを売られることはよくあった。その都度やり返してた。
自分では自覚がなかったけど、大人になってから再会した幼なじみに「絶対バイクの免許とか取ってると思ってた」と言われたから、髪の毛茶色くて(遺伝)目つきが悪くて(近視)ヤンキーみたいなイメージだったのかも。オタクだったわよ。ノーヤンキーよ。

そんなワタシが当たり障りのないお母さんを通過して、ついにオバチャンの称号を得る年頃になった。受け入れた、というべきか。少し前にはささやかにあったオバチャンという称号に対する抵抗感が、今はすっかり消え失せてる。若いお母さんが気を遣って、「お姉さんにありがとうは?」とかお子さまに言うのを、お姉さんはさすがにおこがましいわと心の中でツッコむくらいには、オバチャンが馴染んでしまってる。

ただ、オバチャンになって楽になったことも多数あるので、ぜひみなさまの老後の楽しみに活かしていただきたい。

オバチャンになって楽になったこと


・忘れっぽくても気にしない
元々親譲りのぼんやりなのだけど、歳のせいにすることで開き直りやすくなった。自分のミスは潔く反省して、繰り返さないように善処するべきだと思ってる。その点、自分は物忘れをすると自覚してるので、無駄なプライドで言い訳したり、注意されて抵抗を感じたりすることなく素直に反省できる。
そして、歳のせいだし仕方ないからクヨクヨしない。

・適度に図々しくなる
オバチャンというのは図々しい生きものである。生物学上のことなので仕方ない。そういうものなのだ。
わからないことはどんどん確認する。できないことは手を貸してもらう。わからないことが恥ずかしいなんて思わない。世の中についていけなくてあたりまえ。むしろ、ついていけないぐらいがオバチャンらしいとすら思ってる。
ときに「ちょっと図々しかったかな」と反省することもあるけど、オバチャンの生態みたいなもんだからね。度を超えないようにだけ気をつけようと思う。節度を持ったオバチャンでありたい。

・できることが限られてくる
人によって原因はそれぞれ。肩こりやら腰痛やら老眼やら体力気力の減少やら、無理ができなくなってくる。人生も折り返しちゃってるし、あとは衰えるばかりよ。
意地になって抱え込んでも疲れるだけだし、やらなくていいことはどんどん卒業しちゃえばいい。無理したっていいことないわ。
でも、逆に言えば今が1番若いんだから、やりたいことはさっさとやったほうがいいわよ。どんどんできなくなるんだから。

・共感力が高まる
オバチャンたちが「わかるわ〜うちもそうよぉ〜うちなんて」と大きな声で話してるのを、誰しも聞いたことがあるはず。
家庭や職場のことだったり、肩こり腰痛やら病気などの身体的な理由だったり、悩みがないように見えて実は心の問題を抱えてる人もいる。この歳になると、何も抱えてない人なんていないと痛感してるので、他人事でもなんとなく共感できるようになる。人の痛みなんて、わかるようでわかりゃしないけどね。いろいろあるよねー。
言うても自分が1番大変だと思ってる人もいるけど、ほとんどの人はその点もオブラートに包みながら上手いことやってる。大人だからね。

・可愛いの基準が下がる
自分の子より下の子はみんな可愛いの範疇に入ってるので、20歳以下の子はみんな可愛い。なんならおじいちゃんおばあちゃんですら可愛いと感じるくらい、可愛いのハードルが下がってる。泣いてる赤ちゃんも可愛ければ、必死にあやしてるママも可愛い。みんなに幸あれ!と思う。
偉いの範疇も広がるので、買いもの中につまんなくなって床に転がってる子どもも「ちゃんと自分の気持ちを表現できて偉いねー」と目を細める。もちろん、果敢に子連れで買いものに出るお母さんも偉い。みんなに幸あれ!と思う。
それにしても、最近の人たちってみんな可愛いよねー。うちの職場の人たちも、みんな可愛くて優秀。一緒に仕事してて、心強いし目の保養。

気にならないと楽になる

もしかしたら、この特徴はすべてのオバチャンに当てはまるものではないのかもしれない。攻撃的なオバチャンもいるし、偉そうに威張るオバチャンもいるし、無理難題を言うオバチャンもいる。
でもそういう人にもいろいろあるのかなーと思うと、まぁ仕方ないかと思う。長いこと姑にいびられてきたのかもしれないし、モラハラの夫や引きこもりの子どもに悩んできたのかもしれないじゃん。見ただけじゃわかんないからね。

あと、この歳になるといろんなことでめんどくさいことや謝ることも経験してきたから、謝るのなんてタダだと思ってるし、モヤモヤすることもワタシのせいじゃないもーんと心の中で開き直れるようになってきた。こないだも、タイミング的に返事できなかったときに「ちゃんと返事して」って言われてモヤっとしたけど、え?返事しましたけど?って体で行くことにした。自分の心の平穏のためにも、開き直るのは大切なスキルだと割り切れるようになった。オバチャンになって取得した最大のスキル。

でもこの歳になっても、まだご近所では若い部類に入るから、それがちょっとめんどくさい。そのうち上の方々はいなくなって年寄りに分類されると思うのだけど、それはいつからなのか。
古希を過ぎた親たちですら、まだまだ「若いわよー」と仕事を押しつけられる世界。先は長い。
今のお年寄りって元気だよねー。

まだ諦めきれないこともある

noteを始めて、ワタシまだまだ諦めてないなと気づいたのが、自分をよく見せたいということ。
仕事柄、服のことはいつも考えてるけど、体型も維持したいと考えてるし、お肌や白髪もなんとかならんかなーと足掻いてる。もっと増えちゃったら開き直るんだけどさ、周りを見るとまだ老け込んでる場合じゃないなーと思うのよ。

それにこないだ本屋さんに寄ったら、◯歳からの暮らしとか◯十代のファッションとかの高齢インフルエンサーの本がたくさん並んでて、まだまだ人生長いなーと思ったの。こうやって、楽しく人生過ごしていきたいわーって。楽しいばっかりじゃないだろうけどさ、楽しんだもん勝ちじゃね?

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