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#052 「メタ思考-『頭のいい人』の思考法を身につける」(澤円著)を読んで

 「メタ思考-『頭のいい人』の思考法を身につける」(澤円著)を読んで考えたこと・自分に取り入れたいと思ったことをまとめる。本書を手に取ったきっかけは、キャリア教育でよく聞く「非認知能力」、「メタ認知」とつながる部分があると思ったからだ。
「非認知能力」は、認知能力以外の人間の特性やスキルのことを差し、キャリア教育では「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つの力を指している。いわゆるテストのように数値化できないが、人が人らしく豊かに生きていくための欠かすことのできない能力である。一方メタ認知とは、自己の認知プロセスを理解し、制御する能力である。つまり、自分がどのように学び、問題を解決しているのかを自覚し、それを改善するための計画を立てることである。
 すなわち、非認知能力があってメタ認知が可能となる。そして、本著「メタ思考」は、メタ認知できるようになった上でどのように思考を働かせることがよいのかを考えるヒントになると思った。
 メタとは、「高い次元の」や「超越した」という意味で、学問や視点を外側に立ってみることを示しているが、本書では具体的にどのように自分自身を客観的にみて、思考していけば自分の人生が豊かになるかがまとめられていた。

①自分の人生のルールは自分自身

「犯罪行為」以外は、自分で作ったルールで良い。これは、大きな衝撃を受けた。私は、つい周りの評価を気にしてしまう。しかし、それは私の所属している環境による判断であり、非常に狭い世界での評価である。この世界(業界)での常識は、他の世界の非常識かもしれない。そもそも常識や普通というものは所属する組織や集団、さらには個人によって違う。それなのに、基準が曖昧な周りの評価を気にする必要はないと思った。
 これからは私の価値観を大切に自分のルールで生きていきたい。私の価値観マップの最終到達点は「人生楽しく」である。私が「楽しい人生を送るため」には、周りの人も楽しくなくてはならない。そういった意味で、周りの人にとっても良いと考えられる判断をしていく必要はある。しかし、自分に合わないルールに無理に従うことはやめようと思う。

②ルールを疑う・ルールにとらわれない

 ルールを疑う視点も大切にしていきたい。決まりの一つ一つを見直してみると「何のため」の目的の部分が明確でないものが多い。「ルールだから守る」だと思考停止に陥り、自分の可能性を狭めていくことになる。学校は特に、「何のため」が不明瞭なルールが多い。子供達の可能性を奪ないようにルールを疑い改善していきたい。
 また、ルールにとらわれない発想を大切にしたい。ルールはあくまで所属する社会(組織)でのルールであって視野を広く見渡すともっと良い方法や発想が生まれるかもしれない。だからこそ、教育分野に関わらず様々な分野の勉強をしたり人とつながったりして様々なルールややり方を知り、自分の人生の目的「楽しい人生を送ること」を達成していきたい。


③複数のコミュニティを持つ

 3つ目は、複数のコミュニティを持つことである。本書は、主にルールに捉われ自分の可能性を狭めていかないように書いてあった。また、様々な人との関係を築き、自分がいかに狭い環境で考えてしまっているのか、世の中にはもっと他の世界があることに気付くこととの大切さも書かれていた。
 教員になってから、教員の世界が一気に広がった。「ザ・先生」のモデルもたくさんいる。そこで憧れの教師像ができ、邁進することで憧れの教師像に近づくことはできた。しかし、それは本来の自分のなりたい姿・生き方なっているのか、「モデルとなる教師のような教師になること」が目的になってしまっていると感じる。モデルとなる先輩教員であっても欠点はあるし、真似たくないような部分もある。しかし、そういった部分まで似てしまっている。
 改めて自己を振り返ると、私の理想の教師像は複数の教師を掛け算した姿であると同時に、今ある学校の先生にはない部分を兼ね備えている。だからこそ、教員の世界を飛び出して、様々なコミュニティに所属し、自分の凝り固まった価値観を疑い、新たなモデルを作っていきたいと思った。
 これからは本書でも進めていた地域活動にも尽力したい。これは「遠く離れた人を幸せにするためには、まず身近な人を幸せにすることが大切」という私の価値観にもあっている。今所属している消防団でも入団後、様々な価値観を持った人に出会えた。これからは、消防団活動にだけでなく地域のイベントや会合にも積極的に参加し、身近なコミュニティに入っていきたい。

まとめ

 メタ思考について、まとめる中で気づいたことは「やっぱり視野を広く持つ。そのためには、勉強が大切である。」ということだ。本書では、「自分ルール。自分の世界の中で自分が勝てるルールを作り、そこで戦えばよい。」と書かれていた。その通りだと思う。しかし、自分のルールを作ったり自分の勝てる環境に気付いたりするためには、幅白い見聞が必要だ。そのためには、「あらゆる分野の学びを続けること」が必要だと思った。一方で時間は有限である。だから、「学び続ける」という意識のもと、自分や自分を取り巻く環境を「メタ=高い次元で」見つめ、客観的に見つめる幅広く考え、学んでいく癖をつけていくことが大切である。
 また、今回本書を手に取り、教師として「非認知能力」を子供達に身につけさせるだけでなく、その先にある「メタ認知」「メタ思考」ができるような子供を育てる教育を行なっていきたいと思った。



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