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高価な化粧品の効果はいかほど?

アイブロウペンシルを買いに、化粧品店へ行った。

私は特に決まった化粧品メーカーはなく、
気に入ったばらばらのメーカーのものをこだわりなく使っている。
だから今日も、百貨店の化粧品売り場で、
比較的暇そうにしているところをめがけて行った。
そこは私にとって、初めてのメーカーだった。
そこで、美容部員の方に色味などを選んでもらい、
実際に眉を描いてもらった。
自然な感じに仕上がってとても満足したため、それを購入することに決めた。
袋に入れながら、美容部員さんは他にもいろいろと商品を出して説明してくれた。

「当店では年齢に応じたスキンケアのラインナップを準備しています。
お客様のご年齢ですと、このラインのものが一番いいと思いますよ。」

一つ一つ丁寧に説明してくれたのだが、
パンフレットを見て、私は仰天した。
化粧水が3万円、乳液も3万円、
美容液に至っては1瓶10万円もするではないか!!
驚きのあまり私は恥ずかしげもなく、
「みんな、こんな高いの使ってるんですか!?」
と聞いてしまった。
「そ、そうですね。とてもご好評をいただいてます」
そうなのか、需要があるのか……。
それにしても、今の化粧品ってこんなに高価なんだ……。
今はさほど驚くような価格でもないんだろうか。

私も若い頃、シャネルだとか、ディオールだとか、ヘレナだとか、
いわゆる高級化粧品と言われるものを使っていた時代があった。
でも5年前から、スキンケアはニベアの青缶、これ一つである。
メイク落としはベビーオイルだ。
はっきり言って、これで困ったことはない。
肌の調子は、むしろ今が一番いいくらいだ。

これは人によって美的感覚が違うから、一概には言えないが、
私は、何を使っても大して差はないんじゃないかと思っている。
高価な化粧品を使うと、
艶が出たような気がする!とか、ハリが出てきたと思う!とか
そんな気分になるけれど、それは自分自身でさえ気づくか気づかないかくらいのレベルである。

重力に逆らえず少しずつ落ちていく頬。
笑うたびに増えていく目の周りの皺。
これらに抗うこと自体、無間地獄の始まりだと悟り、
もう抗うのは止そう、ありのままを受け入れようと決め、
ひたすら隠すのをやめて薄化粧に変えた。
すると不思議なことに、褒めていただく機会が増え、
どこの化粧品を使っているのかと聞かれることが多くなった。
なんと、弱点は隠さない方が目立たないのだ!
皺やシミを隠そうとするあまり、
ファンデーションを厚く塗り込む人を時々見かけるけれど、
あれは絶対にやらない方がいい。
「ここが弱点なんです!」と自ら強調しているようなものである。

歳をとるということに諦念の境地を見出したとき、
何より私はとても解放された気分になった。


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