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モヤモヤを斬る

ここ最近、なんだかすっきりしないというか、
心に引っ掛かりがあるというか、
本当に些細ではあるけど、モヤモヤとした日々を過ごしていた。
こんな日もあるよね、人間だもの。
そんなふうに自分をなだめていた。

ふと、クローゼットの中の一角に目が止まった。
片隅に予備の紙袋を置いておくスペースを作っている。
マイルールとして、ストックの紙袋は5枚までと決めている。
なのに、そこに収まりきらなくなった紙袋がスペースから溢れ出している。

実を言うと、このことには少し前から薄々気づいていた。
けれども、自分でもなぜだか分からないけれど、
見て見ぬふりをしていた。

この有り様を見て、何か大きなヒントをひとつ得たような気分になり、
思い切って、紙袋を全部出してみた。
あるわ、あるわ……。
数えてみると、大小取り混ぜ全部で30枚ほどになっていた。
溢れ出すはずである。

紙袋って、なんで取っておいてしまうんだろう。
お裾分けをするときに紙袋がなかったら困ってしまうんだろうな。
そういったところだろうか。
そして、お店独自の紙袋はとても可愛らしいものが多い。
それも捨てにくくさせている要因だ。
スーパーやコンビニのレジ袋は有料になったのに、
紙袋はまだまだ無料でいただけるお店がほとんどであるが、
そんな中、紙袋有料の店舗でショッピングバッグを持ち合わせていない場合、
当然、紙袋を購入することになる。
お金を出してまで買った紙袋は、もう絶対に捨てることができない。

そんなこんなの理由で、紙袋は大量に増えてしまった。
可愛い、有料だった、そんな理由を自分の中で思い切って断ち切る。
そして、選び抜いた精鋭の5枚だけを残し、あとは処分した。

たったこれだけのことなのに、ものすごい爽快感が私の中を駆けめぐる。
完全に火がついた状態になって、今度は読み終えた書籍に取り掛かった。

メルカリって、すごく簡単に出品できる仕組みを作ってくれているのに、
なんであんなに出品までが億劫なんだろう。
早く出品しようと思いつつ、もうずっと放置していたけれど、
今はすぐに取り掛かれる気分だ。
10冊ほどパシャパシャと写真を撮って出品した。
すべてすぐに売れ、数冊ずつ3回に分けて近所のコンビニに持って行った。

数時間で、家から余分な紙袋と本が綺麗さっぱりなくなった。
こんなに呆気なく終わるなら、さっさとやればよかった……。
胸のつかえが取れたというか、排水溝の詰まりが解消したというか、
実に清々しい気分である。

ここ数日感じていたモヤモヤとした気分は、すっかりなくなっていた。
毎日何気なく目にする溢れた紙袋や積まれた本が、
私の気分をどんよりとさせていたのか、
それとも、どんよりした気分の正体はまた別のところにあったのか、
私には知る由もない。

でも、確実なのは、何かを思い切る、断ち切る、
「斬る」という行為は、空気を変えてくれるということである。

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