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今の家計管理に行き着くまで

私は今、家計簿を付けて家計管理をしている。
家計簿歴は、10年弱だ。
それまで私は家計簿について、始めてはみるものの
継続できたためしがなかった。
小学生の頃のおこづかい帳も三日坊主だったし、
就職してからも、何度か、
「今度こそ家計簿を付けて、お金を貯めるぞ!」と決心するのだが、
まったく続けることができなかった。
それには一つ、大きな理由がある。
性格が飽き性だということももちろんあるが、
クレジットカードを使った時に、どのように家計簿に付けるのかが、
全く分からなかったのである。
カードを使った時に家計簿に記入する、
では引き落とし日の金額はどのように記入すればいいのか。
いつもここでつまづくのだった。
ではカードを使わなければいいようなものだが、
その頃は、財布の中に現金がないときも欲しいと思ったら我慢できなかった。
今、自分にはいくら貯金があるのか、またないのか、
はたまたマイナスになっているのか、
皆目見当がつかないという生活を40過ぎまで送っていたのだから、
今考えたら、とても恐ろしい。

転機はある日不意にやってきた。
インターネットの広告でMoneyFowardMEが出てきたのだ。
目に飛び込んできたということは、
心のどこかで、家計にいつか向き合わなければ大変なことになる、
という気持ちがあったのだろう。
私は、すぐにアプリを入れてすべてを紐付けた。
私が始めた頃は、まだ10社ぐらい無料で紐付けをすることができていた。
そこで、私は初めてクレジットカード利用分の記入方法について知ることとなる。
「振替」!?
私はそれまで、家計簿には「収入」と「支出」という項目しかないと信じていた。
そうか!使った時に支出で管理して、引き落とし分は振替にすればいいのか!
目からウロコが落ちた瞬間だった。
それからは、アプリに助けてもらいながら、家計簿を継続できるようになった。

軌道に乗ると不思議なもので、残高が合わないと気持ち悪くなってくる。
また、支出が収入を上回ったら”マイナス”と出るのが嫌で、
買い物をする際に、MoneyFowardの画面が脳裏を掠めるようになった。
こうなればしめたもので、何か減らせる項目はないかとチェックするようになり、
携帯電話代、クレジットカードの年会費、保険、使っていないサブスク、
全然行けていないスポーツジムなどの見直しに成功し、
気づけば、お金の管理ができるようになっていた。
そして、少しずつではあるが、残高が増えていくのがどんどん楽しくなった。
月の最後の日に、ゆったりした気持ちで大好きなコーヒーを飲みながら、
家計簿を締めるのは、私の大切な儀式となった。

最初はとにかく残高を合わせることに必死だったが、
要領がわかってくると、ようやく何の項目が多かったのかなどの
家計の見直しという、次の段階へ進むことができた。
数年経ち、アプリの画面を見なくても大体今これくらい使っているのかな、
と感覚を掴むことができるようになってきた。

ここで私は思い切って、さらに家計簿を進化させることにした。
食費、交際費、などのいわゆる家計簿の王道である費目を
独自で作ろうと思い立ったのだ。
いろいろ考えた挙句、
「使って気分が良かった費目」と「使って後悔した費目」、
「生きていくのに必要な費目」の3分類のみとすることにした。
初めは、どれに分類するか分かりづらいことも多かったが、
だんだんコツを掴み、今はこのやり方で落ち着いている。
例えば、スイーツ。
スイーツを買ってしまったら、体に良くないという理由で、
迷わず「使って後悔したもの」に入れていたが、
そうとも限らないことに気がついた。
心地よく体が疲れた時や、仕事を頑張った日など、
スイーツを食べて心から満足することができれば、
それは「使って気分が良かった」項目になる。
反対に、惰性で買ってしまったときは、
自分はどうしてこれを買ったのだろう、と自分に質問を2、3回投げかけて深掘りすれば、思いがけない理由に突き当たったりもする。

とにかく残高が増える喜びが大きい時期もあったが、
だんだん、果たしてそれで良いのだろうか、という疑問が生まれた。
お金というものは本来、回っていくものであり、貯めておくものではない。
使わなければ、自分以外の人は誰も喜ばない。
つまり、お金=エネルギーだということにこの頃ようやく気がついた。

かなり回り道をしたが、家計簿を付けなければ、
私はこのことに今でも気づくことができないでいたと思う。
習慣にするまでは大変だが、一旦習慣になってしまえば、
今はアプリというとても頼りになる助っ人の存在がある。
大いに使うべきだと私は思う。
そうしてお金というものの理解が進めば、
いつかお金の本質を垣間見ることができるような気がしている。

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