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『何卒よろしくお願いいたします』 イ・ラン

978-4907053550

韓国のアーティスト イ・ラン×『ぼのぼの』の漫画家いがらしみきおの往復書簡

コロナ禍最中の往復書簡。接点というか、往復書簡が成り立つのか不思議でしばらく積読していたんだけどこんなに興味深いとは思っていなかった。

日常のことに正面から立ち向かいつつ、この往復書簡がなによりも楽しみとしていた姿が目に浮かんだ

「私は「変化する自分」について特に心配したりはしません。今までの35年間あまり好きになれなかった「食べて寝る」ことをしないでよいのなら、自分の身体すべてを機械化する実験にだって喜んで参加します。食べて寝るのは本当に疲れます。ところが、映画の中に出てくるAIたちは皆充電期間を必要としていて、そして、彼らが充電している間に限って悪い事件が起きるのをよく見ました。私は、機械化されても充電しなくていい体が欲しいです。」(p32)

「友人の葬式で不思議だったのは、彼が歩んだ人生の時期ごとに、彼と縁を結んだ人々が訪ねて来ていたという点です。33年の短い人生でしたが、1年単位で分けたとき、彼の1年1年がどのようなものだったのか想像できるのか不思議でした。さらに不思議だったのは、そのさまざな時期に出会った人々が口をそろえて、彼に「たくさんお世話になった」と言うことでした。」(p58-59)

「最近の私の将来の夢は「見物人」になることです。他の人々が何をして、どのように暮らしているのか、一生見物しながら暮らしたいです。」(p100)

「『ぼのぼの』を出版している竹書房は、麻雀の本や漫画で有名なところです。」(p127)

「手に入れることができないものが多くて悩んでいた私に、ある友達が「そんなに苦しんでいるのなら、その時間に欲しいものを盗んで手に入れればいいんだよ」と簡単に言ったのです。」(p133)

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