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生き抜くなんて

 小さい頃からドラマや映画、本、アニメなどの中で私が「なんとなく自分に似てる」と思った登場人物は途中で姿を消したり、自死も含めて死ぬ事が多かった。そんな時はいつも悲しい気持ちよりも「やっぱりそうか」と腑に落ちる感覚だった。今思えば生きづらい人たちがふと生きるのをやめる、もしくは偶然的に死ぬのはどこかそう決まっているような、それ以上進むマスがないから仕方ないようなイメージに近かった。

 自分が自分の不可能性に絶望したとき「生き抜く」を第一にそのライフハックを記した本に無意識的に救われたことがある。著者は根性論ではなく出来ないことをしっかり見定め、より実践的なことを紹介していたが、どれも「生き抜くぞ」というその情熱というか意志が宿っていた。

 正直、「生き抜く」という言葉だけピンとこなかった。そことはなんとなく距離を取って、むしろ拒絶して現実的な部分だけを私は汲み取ろうとした。「生き抜く」なんて私にはなんとなく現実味がなかった。

 でも結局その本を読んだ後、何をしてても「生き抜く」という選択肢が私にまとわりついた。だから文字通り、辛い時期を「生き抜く」ことが出来た。言葉は凄い、一旦脳に認識されると意識されるようになる。

 でもそんな人も、今着実に死ぬ準備をしている。Xでの投稿からやり切って終わろうというのが伝わってくる。今回ばかりは「やっぱりそうだったか」という感情に自分でも少し寂しくなる。

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