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休職初日

休職することになった。1ヶ月。
正直休職することへの安堵よりも
お金のこと、転職のこと、健康のこと、人生のあらゆることが一度に押し寄せてきた感じ。

「休職したら好きなことをやればいいよ」
と心療内科の先生は言っていた。

でも大丈夫じゃないから休んでいるというのをつくづく思い知らされる。

Netflixで映画でも観ようと動画を再生しても、音と画面の動き、情報がばっと目と耳から入って何だかうっとなり入ってこない。それだけで疲れる。

好きなものを食べようにも、少し食べて気持ち悪くなって二、三時間も気分が優れないままだ。

あ、そうだ。早く診断書を会社に郵送しなくてはと思ってから、添付する添え状の文章を書くのに2時間ほど要した。こんな時に礼儀を気にしても頭なんか回るはずがない。

バスで郵便局まで行く。外に出た方が気分転換になると言うけれど、外に出ると色んな音が一気に入ってきてキツイ。よくアニメで声の圧で攻撃するシーンがあるが、それと同じで声や音が刺激となって体が圧倒される感じ。すぐさまヘッドフォンをするが、次はその頭への締め付けが苦しい。

「あぁ、もう存在するだけで苦しい」

ふと窓から外を見やると、女性がポテトチップスの袋を片手に持ち、足早に歩きながら食べているのを見て、「いいなぁ」と思う。その軽やかさが欲しい。元気になったらこうなりたいと思うだけで少し私は自由になる。

やっと家から帰って勇気を出して母と電話。やはり泣いてしまった。仕事を休んだ経緯を話してたらやっぱり泣かずにはいられなかった。「辛かったね」「頑張ったね」と言ってくれる母に「こんな不安定な娘でごめん」と本当はちゃんと謝りたかったけど、それを言うと立ち直れそうになくて言えなかった。「頑張ろうかな」と前向きに一言。母は「もう頑張らなきゃって焦らない方がいいよ」と言ってくれた。
核心を突かれた、と思った。でも「じゃあどこに私が生きる存在価値があるの…」と思ったけれどそれも言わない方がいいのだろう。電話が終わると少し罪悪感がなくなったように思えた。

夕方、犬の散歩にいく。夜の空気は気持ち良かった。犬のペースに合わせて、小走りしていたら地面に思い切り倒れた。転けたことに気づくまで時間がかかった。つまづいて転けるまで
私はただ重量に任せていた。転けた時に咄嗟にバランスを取るという思考が追いついてないみたいだ。膝と手のひらがじんじん痛む。

こんな風に転けたのはいつぶりだろう。
私は確かに今弱っている。

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