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「失業するかも」という不安が性格を悪化させる

「失業するかも」という不安が性格を悪化させる
リーズ大学の研究

仕事に不安を抱えている人は多いだろう
成長していない経済や景気の低迷で、いつ仕事が首になってもおかしくない
それに、技術の進歩によって、様々な仕事が消えると言われている
そんな、いつ仕事がなくなるかわからない、という不安を抱えていると性格にまで悪影響が出ることが判明した

オーストラリアではHILDAという、家計、所得、仕事に関する調査が行われている
HILDA Surveryではビッグファイブによる性格診断も行われている
二つのデータを使って、仕事に不安を抱えている人がどのような性格の変化を起こすのか調べた
対象者は、1046人のオーストラリア人
期間は、9年間

調査の結果、失業するかもという不安を抱えている人は、神経症傾向、協調性、誠実性が悪化することが判明した

神経症傾向の悪化で、感情が不安定になっていた
ちょっとしたことでイライラしたり、不安になったり、落ち込むようになっていた
また、不安が長期的に続くとうつ病になるリスクも上がっていた

協調性の悪化で、興味・関心が他人ではなく自分自身に向かうようになっていた
チームを組んでする仕事に影響が出る

誠実性の悪化で、努力をしたりなり、目標も立てなくなった
不真面目な言動が増え、やる気の低下も見られた
職場にやる気のない人がいると、そのネガティブな影響は職場全体に広がる
結果として、職場全体の雰囲気を悪くする

仕事に不安を抱えていると人間関係や生産性に悪影響が出る
仕事がなくなるかもしれないという不安が、失業のリスクを高めてしまう
何とも皮肉な結果となった

不安に思えば思うほど、仕事ができなくなり、クビに近づく
不安を抱えるほど、不安が現実になってしまう
仕事がこの先も続くか不安を感じたら、転職したほうがいいかもしれない

仕事がなくなるかも、と思ったときの対処法
人生は山あり谷あり、これを受け入れる
悪いこともあれば、いいこともある、と思えば少しは不安が軽減する

変えられない現実ではなく、変えられる現実を見る
クビになったり、会社が倒産することはどうしようもない
自分の力で対処可能なことに注力する
意味のないことをしても、時間の無駄である

頼る
友達、家族、同僚を頼る
不安を口に出すことでも不安が解消する
また、仕事を失っても、友達の伝手で新しい仕事が見つかるかもしれない
友達を頼ることは悪いことではない

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参考文献
Effects of chronic job insecurity on Big Five personality change.
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fapl0000488

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