嫌な奴は出世が早いのか？
カリフォルニア大学バークレー校の研究
対象者：MBAコースの受講者457人と214人
期間：平均14年

・研究の意図
嫌な性格の人が出世する、ということがしばしば囁かれる
専門家も攻撃的で利己的な個人が権力を獲得するのか議論することがある
今回は本当に嫌な性格の人の出世が早いのか調べた

チンパンジーやゴリラは攻撃と支配による恐怖で権力を獲得する
弱者を従わせるのに暴力を厭わない
ヒトにも似たような性質があってもおかしくない

・研究の内容
MBAコースを受講している学生を集めて、ビッグファイブと呼ばれる性格診断テスト行った
研究は二回行われ、一度目は457人、二度目は214人が対象になった
その後、学生が卒業し、企業に就職して、実際に出世するのか14年後に再度調査した

嫌な性格の定義は、喧嘩腰、冷淡、無神経、利己的などが当てはまる

ビッグファイブとは、5つの特性からその人の性格を判断するテスト
協調性、外向性、開放性、誠実性、神経症傾向から測定される

・結論
嫌な性格の人の出世が早いということはなかった
逆に、出世が遅くなることもなかった
嫌な性格の人は社内政治が上手く能力のアピールが順調だが、協調性が低く寛大さがなかった
能力はあるというプラスと橋梁な性格というマイナスが相殺した結果、出世スピードが可もなく不可もなくになった

研究によると、出世に影響を与えたのは「外向性」だけだった
良好な人間関係を築いていれば同僚からアシストを受けることができる
評判がよくなるので、出世する

性格以外の要素も出世とは関係なかった
性別、人種、文化、会社の大きさ、などは特に出世とは関係ない

・感想
嫌な奴が出世すると言われるのは、単に目立っていたのが原因だろう
目につく分、記憶に残ってしまうので、嫌な奴は出世する、という図式が出来上がったと思われる

とにもかくにも、出世したければ外向性を身に付けるのが手っ取り早い
それに、権力を得るための方法は他にもある
組織論者は、社内政治が上手な人が出世できると考える
理論家は、組織において必要府かけるな存在になることが出世できると考える
他の多くの学者は、他人への積極的な施しが出世できると考える

出世したければ、自分に合った方法を模索すべきである
道は一つではない

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参考文献
People with disagreeable personalities (selfish, combative, and manipulative) do not have an advantage in pursuing power at work
https://www.pnas.org/content/early/2020/08/26/2005088117