見出し画像

町屋ラボ リノベの記録その3 6畳和室を二部屋に分け、アーティストの居室を作る

前回までの記事でおおよその改修プランと、
残置物の整理や掃除の様子を紹介してきました。

この記事から本格的なリノベ作業の紹介です。

さて、5月半ばの下見の後、南条さんが5月末に再び現地入りします。
必要な資材をホームセンターで購入し、町屋ラボでいろいろな作業を進めてくれました。

ホームセンターで資材の買い出し中の南条さん

今回の記事はこんな感じです。


アーティストの居室をつくる

まずは建物奥の6畳の和室から、作業を進めていきます。

プランでは、この部屋の真ん中に壁を立てて
3畳の2間に分け、それぞれにベッドを置く予定。

床の改修と仕切り壁の設置が大仕事ですが、
作業自体は南条さんがパパッと進めてくれました。

中庭に面した出窓、奥に押し入れのあるこの部屋を、アーティストの居室にしていきます。

畳敷の部屋を板間にチェンジ

畳に布団も良いけれど、やっぱりベッドで寝たい…。
との南条さんのリクエストもあって、
まずは畳敷きから板間に改修していきます。

では、改修過程順に写真をご覧ください。

まず、埃が積もった畳を外します。写真は床板が見えた状態。
床板の上に下地を組んでいます。DIY用に購入したスライド丸鋸が大活躍。
下地の間に断熱材を詰めていきます。
下地の上にベニヤを貼っていきます。
フローリング材で仕上げの予定が予算オーバーのため、今回はベニヤで仕上げ。
ベニヤは後で仕上げの塗装をします。

仕切り壁を立てる

床ができたら、仕切り壁を立てていきます。
こちらも南条さんのお仕事。
アーティストと言うよりもはや大工です。

押し入れや天袋の中も下地を組んで…
ボードの継ぎ目をパテ埋めし、はみ出た部分を削って平らにします。
仕切り壁の奥の部屋。壁の凹みをパテ埋めしてます。

写真で見ると一瞬ですが、作業日数は3日ほどだったそうです。
天袋や押し入れの中まで壁を立てるのは大変ですし、結構な大仕事ですね。

壁面や床の塗装

床と壁が組みあがったら、仕上げの塗装作業です。

まずは壁から、続いて床を。
元々の壁もくすんでいたので、白く塗装し直します。

仕切った手前の部屋の壁を塗装。蛍光灯の色もあり、真っ白です。
マスキングを剥がします。照明も変わってオシャレ感が出てきました!
床のベニヤは黒ペンキで塗ります。部屋が引き締まった印象です。

塗装の際は、柱や鴨居、長押等の木材や建具が汚れないように
マスキングテープやマスカーで覆ってから塗ります。

仕切り壁奥の部屋、上部の壁を管理人が塗装中。

この部屋に限らず建物内の壁をほとんど塗装し直しましたが、
壁の四方をマスクするので、長いマステもあっという間に無くなります。
作業途中に何度もホームセンターに買い出しに行ったものです。

また、1度塗るだけではムラが出るので、乾いたら2度塗りします。
初夏から夏場の作業でペンキの乾きが早く、
スケジュール的には助かりました。

仕切り壁の奥の部屋も、床を黒く塗りました。

…という訳で、室内の塗装が済みました!

家具類の設置

マステやマスカーを剥がし、早速、某掲示板で交渉して譲っていただいた
無印良品のセミダブルベッド(2,500円)を設置します!

ベッドを置き、出窓にブラインドを付けて完成!

部屋の広さを考えてシングルベッドが欲しかったのですが、
ちょうど良い出物がなく、こちらのセミダブルの出物をゲット。
これはこれでベッドが広くて良いのではないかと。

寝具は、ラボにあった箱入り未使用のシーツとタオルケットの他、
ニトリのマットレスと枕を購入しました。
もともとあったアーティスト用の布団と組み合わせてベッドメイクします。

出窓にブラインドも取り付けて、これで居室が1部屋完成となりました!

右の部屋は完成。左の部屋はベッド入手待ちのため、とりあえずこんな感じで。(2018年時点)

仕切り壁奥の部屋に置くベッドもしばらく探していましたが、
翌年の2019年には、ご近所さんの不要な折り畳みベッドを
譲っていただくことができました。

後日奥の部屋にも無事ベッドを導入。これで2人滞在できます。
建具の障子もカラー障子に張り替えました。

アーティストの居室はひとまずこちらで完成となりました!

なお、こちらの部屋はアーティストの居室なので、普段はあまり公開していません。天袋や押し入れ部分に使わない布団や道具類を収納したりしていますし。

ビフォア・アフター比較

それでは、リノベ前とリノベ後の比較をどうぞ!

リノベ前。中庭に面した出窓から光は入るも薄暗く、襖も汚れて、全体的に古臭い印象です。
リノベ後。仕切り壁で2部屋に分かれ、狭いですがそれぞれアーティストの居室となります。

こうやって見比べると、大きく変わりました!


ライフライン設備の確認

改修作業と並行して、ライフライン設備も点検していきます。
具体的には、電気、水道、ガスを使えるようにするまでの話。

電気

まずは電気。

コンセントの掃除程度は自分達でできますが、
本格的な点検は当然プロにお任せです。
今回は近所の電気屋さんに点検作業を依頼しました。

古い建物・配線だと漏電が怖いのですが、
電気屋さんに漏電ブレーカーを付けてもらってまずは一安心です。

近所の電気屋さんに設備の点検と漏電ブレーカーの設置をお願いしました。

もう一つの懸念は容量が20Aと小さいこと。

契約アンペアを増やすことも検討しましたが、
引き込み線や建物内の配線をやり直す必要が出てくるので、
かなりの予算オーバーが見込まれました。

やむなくアンペア数は現状維持です。

ちなみに、リノベ用に購入した電動スライド丸鋸の消費電力は1500W。
照明等との同時使用を考えると容量ギリギリです。

とは言え、普段の滞在に関しては、主な照明はLEDにしてますし、
電子レンジ+ドライヤーの同時使用に注意すれば、何とか使えるでしょう。

水道

まずは水道局に問い合わせます。

すると、元栓を開栓すればすぐに水は使えて、
裏の敷地内に元栓があるとのお話。

早速敷地の裏に回って元栓を探します。

建物裏手はなかなかの浸食具合。水道元栓を探します…。

敷地の裏は雑草や蔦が伸びて地面が見えない状態で、
元栓はなかなか見つからず。

ようやく見つけて開栓してみますが、どこかからバチャバチャと水の漏れる音が…。

残念ながらキッチンへ向かって立ち上がった配管が破裂していました。
冬場の凍結の影響でしょうか。という訳で、こちらも修理待ち…。

後日修理が完了し、元栓を開けて蛇口をひねると、
当然ですが水が出ました!
(一応濁りはなかったのですが、しばらく流して様子見します。)

無事開通!これでお掃除もはかどります!

ガス

ガスを使う最大の目的は、お風呂を沸かすことです。

なので、まずは浴室の状態を確認します。

水道開通後に浴槽に水を貯めてみたところ、
浴槽と古い風呂釜の接合部に水漏れがあることがわかりました。

浴槽に水を貯めています。貯めた後に少し放置して、水位の変化を確認し水漏れを確認します。
タイルの目地も劣化が激しく、後日補修材で埋め直しました。

風呂釜を入れ替えるにしても、30年以上前の古い型なので、
今ではほとんどないらしく、どうしたものか…。

なのですが、実は管理人の実家が廃業した金物屋で、
古い風呂釜の在庫がありました!

こんな感じの風呂釜、今時見ませんね…。

と言うことでソレを使わせてもらいます。

ガスは、芸術祭会期中の短期使用であれば
プロパンで良いかということで手配。これでお風呂が沸かせます!

ガスとお風呂のその後

町屋ラボは当初、芸術祭のアーティストの滞在に合わせて整備・公開しました。

そのため、芸術祭終了後にはプロパンも解約、料金を清算(結構良い値段…)します。ここで再びガス無しになりました。

お風呂問題の解決に向けて、後日改めて都市ガス会社の方に
現場を見てもらったのですが、
現状ではメーターが取り外されていることがわかり、
新たに設置する費用として約10万円と、納期1か月待ちと教えてもらったのでした。

こうした状況で、設備の使用頻度と導入・利用の
イニシャル・ランニングのコストを勘案した結果、
町屋ラボはガス無しで今に至っています。

ガスの本格的な導入は、いずれアーティストの滞在ニーズが高まったり、
他に何か活用することで、事業として運営できる見込みが立てば、
と言うところでしょうか。


次回予告

町屋ラボリノベの記録、次回は中庭回りの整備についてです。

天井の雨漏り対策や傷んだ雨樋の交換、壊れた建具の修理などもしたので、その辺りの作業について投稿したいと思います。

傷んだ建具を直したり…。

続きはこちら。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?