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母の想いと看護師娘の経験から伝える♯7治療が中止に。

母のがん治療について、母の想いと娘で看護師の私が経験した、患者の家族としての行動や気持ちについて書いています。
治療ができなくなった時のことについてをお話します。

母は、2013年4月に子宮頚がんと診断されました。
抗がん剤治療と放射線治療により、腫瘍は縮小し、腫瘍マーカーも正常値になったものの、肺転移が見つかり、抗がん剤治療と放射線治療を開始しました。
しかし、抗がん剤を点滴している最中にアレルギー反応が出て、治療は中止となりました。

両親との対話
治療は中止になりましたが、母はいつも通りの体調で自分のことはもちろん、家事も今まで通りできていました。

がんと診断された時に、両親とその時に考えていること、がん治療について、延命治療について、これからの生活場所など話をしました。

がんの診断を受けた時から5年が経過し、両親も年齢を重ねており、病状も診断を受けた時とは違っています。
両親にこれからどうしたいのか、聞いてみました。

父は「こっちは病気の素人なんだから、医者の言う通りにする」と。
母本人は「病院にはなるべく入院したくない。死ぬのは怖くないけど、痛いのと苦しいのは嫌だ」と。

体調が悪化したり、問題に直面してからでは手続きなどに時間がかかることもあります。そんなことを想定して、早め早めに両親の気持ちは聞いておこうと思ったのです。

例えば、父と二人では不安だから、私の住む街に来るという考えが出てきたら、住むところや転院のための病院を探すことが必要になります。

他にも、家で過ごしたいという希望があったら、父だけではできないこともあるだろうと考えると、ヘルパーさんや訪問看護が必要になることを考え、介護保険の申請をしておく必要があります。

なるべく家で過ごしたいこと、延命治療はしないという気持ちを確認しました。

介護保険については、私が次に実家に帰ったときに手続きすることに。

母の行動

母は、動けるうちに気になるものを片付けたいと言っていました。
一番のネックは、私が子供の頃に飾っていたお雛さま。
私も妹も、それぞれの家にお雛さまがあるので、自分たちのものは引き取る気持ちはありませんでした。
両親は、人形供養をしてくれるところに持ち込み処分してくれました。

その後、通帳と印鑑、生命保険の証書をわかるようにしておくと連絡がきました。

片付けをする母からの言葉で印象的だったのは、

「治療ができないってなると、いつか分からないのに死ぬの待ってるみたいで、いやーな気持ちだわ。」

「いまのうちに、片付けしようと思うけど、明日も生活するから、何もかも捨てるわけにいかないし。どこまで片付けたらいいんだろう。着るものまで捨てられないし、なんか片付けも中途半端」

片付けなければと思う気持ちと毎日の生活をこれからも続けていく気持ち。
生活していくのに、死とばかり向き合い続けるのも辛いものです。
毎日、何を食べよう・何を着よう、今日は何をしようと、楽しみや張り合いが必要です。


母の揺れる気持ち・本音だったと思います。
一緒にいる時には、母の食べたいものを食べに行ったりして過ごしました。

お金は自分のために使った方がいいとすすめていました。
片づけをしているのに、矛盾していますが、残された時間を自分のために、快適に過ごしてほしい気持ちがありました。

日中、居間で過ごすために、リクライニングする椅子が欲しいと言っていたので、その購入をすすめました。

生きている人全員に死は必ず訪れます。
病気をすると、病気になる前より死を意識することが増えます。

こんな時、どうしたらいいだろうと思った時に、私や母の経験が少しでもお役に立てればと思います。

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