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家探し。それは、永遠に続く戦い

賃貸住宅に一人暮らしをし続けて約15年。
4回引っ越した。
東京・東京・大阪・東京。
一度転勤のために大阪に住んだが、あとは都内で暮らしている。

今の家に明確に不満がある。家の目の前の通りは狭い一本道なのに、朝からトラック・ゴミ収集車が頻繁に通る。それだけではなく、荷物の積み下ろしが行われ、作業音、話し声が、1年365日朝6時から鳴り響く。
引っ越してすぐは気にしていなかったし、会社に出勤していた頃は、目覚ましとして一役買っていた。しかし、コロナでリモートワーク中心になった今では、朝早く起きる必要が無くなった。途端に、目覚ましだったものが、憎き騒音に変わった。

ともかく、引っ越しを決意し部屋探し中なのである。
住んでいる街自体は好きなので、ごくごく近隣に住むつもりだ。
数ヶ月前からスマホのアプリで住宅情報をウォッチし続けている。気に入った部屋があれば、3ステップくらいで不動産屋と連絡がつき、部屋の状況や初期費用などを知ることができる。6年ぶりの部屋探しは非常に便利で快適だ。だがそれは、アプリ内に限った話である。
不動産屋からのメール、電話、おすすめ物件情報がひっきりなしにやってくる。最初のうちは、自分では見つけきれなかった物件情報が送られてきて便利さを享受していたが、実際に問い合わせをすると、既に契約者が決まっていたり、おとり広告だったりすることもしばしばある。
更に、時間を作って内見をしに行き、決めかねていると、「早く決めないと、誰かにとられちゃいますよ」攻撃が襲ってくる。
加えて、不動産業者特有の謎の初期費用やサポート費用なるものが上乗せされ、敷金・礼金1ヶ月ずつの部屋なのに、総額6ヶ月分くらいに膨れ上がる。今話題の中古車屋並みに悪徳さを感じ辟易としてくる。
「今の部屋、このまま更新しようかな・・・」とさえ思えてくる。

最近、単身高齢者が家を借りられないというニュースをよく目にする。
貸主側が、孤独死などにより事故物件化することを恐れてということらしい。
改めて思う、孤独死という言葉への違和感。
死ぬタイミングなんて、大きな事故やテロや戦争でなければ、大体の人が一人だ。家族に見守られて自宅で布団の上で死ぬのが理想なのは理解できるが、病院や介護施設で死ぬ人の方が多いはずだ。死に際に人様のお世話にならずに、暮らしてきた家で、誰に看取られることないく、人生を終える。実に自然で素晴らしいではないか。それを厄介者のように扱うなんて、バチ当たりにも程がある!と思っている。
そして、私も確実にその道に進むことになる。

話しを部屋探しに戻すが、不動産屋からガンガン連絡が来ること自体は、有難い状況と言えるのかもしれない。
あと何年、そんな風に部屋探し中に不動産屋から、営業をかけてもらえるのだろうか。
一人暮らし15年、今まで払ってきた家賃、払いに払った初期費用や退去費用、2年毎の更新料のことを思えば、いっそ買った方がいいと思うこともあるが、ローンを組んだり、動かない資産、不動産を所有する勇気が、いざとなったら無い。

安住の地を買わないということは、荒野の中で部屋を探す戦いを続けるということでもある。まだまだ戦いの日々は続くが、お盆休み期間に入り、不動産屋とのやり取りは、一時休戦となる。
ご先祖様、どうかお盆明けに良い物件が見つかりますように。


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