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医療を支える人たち~医療はチームで成り立っている~

医療系ドラマで主人公になるのは圧倒的に医師。時々看護師だろうか。
最近アンサングシンデレラやラジエーションハウスなどで薬剤師や放射線技師が登場するものも目にするが、やはり数は少ない。
でも、声を大にして言いたい。医療はチームだ。
 
チーム医療というと学生に頃にならった患者を中心として様々な職種が関わる図が思う浮かぶ人も多いだろう。院内には色々な職種の人がいて、それぞれの専門性を発揮して患者に医療が提供されている。
 
でも、今回はその環の更に外側の人たちについて伝えたい。
なぜなら医療安全管理者だったときに、医療はいろんな人たちの力で成り立っていると痛感したからだ。
 
例えばシステム管理室の人。私の病院は他の業者の人がシステム管理室に常駐している。
電子カルテを導入しているがなにか機能を追加すると大きなお金が発生することも多く、正直低予算でのタイムリーな動きは取りづらかった。そんな時、様々な方法で相談にのってもらい表示の仕方やテンプレートなどを活用し同じようなインシデントが発生しない仕組みをいくつも作ってくれたのは院内に常駐しているシステム管理室の人たちだった。
私の医療安全管理室での活動は、彼らがいなければ出来なかったと本当に思う。
 
また、医療器具のメーカーの人にも色々相談に乗ってもらった。
もちろん医療材料のメーカーだから、会社の利益を上げる上でも医療安全上の対策を講じた新しい製品を開発し、営業して病院に卸すのは当然の取り組みなのかもしれない。
でも、こういう製品が開発されたから二度と同じようなアクシデントを起こさずに医療を提供できるのも事実だ。
例えば2000年に東海大学附属病院で経管栄養チューブの三方活栓(直接鼻から十二指腸につながっているもの)に入れるべき内服薬を、血管内の点滴ルートに誤って入れた結果患者さんが亡くなった事例が起こった。その後消化管へ投与するものは、血管内に入っているルートには物理的に接続出来ない規格となった。
私の病院も医療安全管理室にいたときに、テルモの製品のシュアプラグADプロテクトというのを導入したが、この製品は従来のシュアプラグADと比較すると、誤った部分を持って操作しても空回りが発生するようになっており、誤操作による接続部外れのリスクが低減されている。
誤った部分を外したことに気づかず大量に出血した事例、空気塞栓が起こった事例が他院で起こったという情報を見て、当院でも同じことが起こるリスクを考え導入となった。
 
入院している患者さんからは見えないだろう。
でも、安全な医療を支えてくれている大切な仲間だ。
 
きっと医療に限らず社会ってそういうものなのだろう。
私が目にしているのは氷山の一角で、見えないところで様々な人たちが支えてくれている

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