不妊治療仲間なんていらない

「必要なのは有能な医師と、有益な情報を持った信用のおける知人だけである。」

ここ数年、とある夫婦数組とグループ交際をしている(というか飲んでいる。)

結婚したタイミングや年齢が近いことなどから、良く合う仲間となったが、その内の一組夫婦に先日子供が産まれた。

その彼女と私の二度目の妊娠のタイミングはほぼ同じ。「予定日は2020年8月で、ほとんどかぶってるね!」と、お互い一度流産を経験していることを告白しあっていたので、年末に寿司やで喜びあったのを覚えている。

そんな彼女の出産祝いに皆で旅行に行くことになった。

彼女には嫉妬の気持ちはまったくなく、私も続きたいなと心から思っている。なんなら彼女は産業医なので、相談にもたまに乗ってもらっているぐらいだ。

今回の旅行にはもう一夫婦も行くのだが、今回嫌な思いをしたのはその奥さんにだ。

彼女も妊活中。私達のはなしを何度か聞き、「せっかちな性格やから私も体外にしたで!」と先日報告を受けた。

その後、五月雨にいろいろ聞かれたのだが、「どこの病院通ってる?」と一瞬見間違えたのだが、彼女から来たのは「どこの病院で産む?」であった。

「卵何個採れたー?」「今月移植できるん?」「いいなー私なんかまだ2個やわぁ」「ぜったい一緒に産もなー」「あそこの病院で産もうと思ってんねん。」と、矢継ぎ早に来るメールを見て、うんざりした。そして旅行に行きたくなくなった。

なんでこんなにデレカシーがないんだろう。なんでナイーブなことをこんなに話してくるんだろう。と旦那や友人に相談した。

「あんまり私のことを分かっていないから、嫌なことは嫌だと言ったほうがいい。」と皆口を揃えて言った。

わたしはあまり納得できなかったけれど、まぁこういう人もいるよな、この人とは深くは仲良くなれないなと思いながらも、目下旅行があったので彼女に告げた。

「せやなー、ナイーブやもんな!」と来た。

こんな感じか、と、モヤっとしたがそのまま旅行に出掛けた。

ただ旅行先で、子供が産まれた彼女にその話を少しだけしたら、モヤッとした気持ちが晴れた。「彼女は私たちみたいに流産してないから、どこまで話していいのかわからないんだと思いますよ。」と。また、年末の寿司やで「予定日一緒ぐらいだね。」と話したことを気遣ってくれた。

なんだか私も反省した。

日々、気づかないうちに誰かを傷つけている言葉をきっと私もたくさん発しているだろう。

それを気にしすぎていたらなにも発せなくなってしまうだろうけれども、そういった事を気をつけようという機会を与えてもらった気がする。

ただ言えるのは、不妊治療は人によってスーパーオリジナル。

一緒に同じだけ頑張ったからって同じ成果が出るもんじゃない。勝ちも負けもない。お手々繋いでゴールも出来ない。伴走者もいらない。応援はしてほしい人に、してほしいときにだけ、自分から頼むから、頼むからいっしょにがんばろうねなんて言わないでほしいと思った。