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【読書レビュー⑧】宮部みゆき「理由」

こんばんは。PisMaです。

本日は「理由」の続きを読んでいました。
読み終えたのは11章「売家」
12章「幼い母」。

11章「売家」では、石田直澄がどうやって件の競売物件を買うに至ったかについての詳細が語られる章となっていました。

本格的に家を探し始めた直澄は、最初は普通の物件を探していましたが…どこからともなく「安くて良い物件が手に入る」という競売物件に目をつけます。不安を覗かせる母の心配をよそに、直澄は裁判所などの知識を着々と見につけ、直澄はついに競売物件を落札することに。

その後直澄は「住居を手に入れたのは良いものの、入居者がなかなか立ち退いてくれない」というトラブルに悩まされることとなります。

この章で気になるのは、石田直澄に誰が競売物件が良いと教えたのかです。これは石田直澄が口を閉ざしていたこともあり、誰が石田直澄に競売物件を勧めたのかは分かりませんでした。

証言によると、同窓会で出会った「石田直澄の同級生」。

これが既に出てきていた人物になってくるのか、それとも完全に新しい人物なのか分かりませんが…名前が伏せられていることには何か意味があるのではと思ってしまいます。

12章「幼い母」は、宝井康隆が姉・宝井綾子の殺人告白を聞いてからの後日談。

綾子の容体が安定したため、康隆は綾子から詳しい事情を聞くのを試みます。
姉弟の会話の様子を観察していると、弟・康隆はいままでずっと姉と両親との防波堤の役割を担っていたようでした。
両者の喧嘩を仲裁したり、綾子が言いにくいことを代わりに親へ伝えたり。なんだかんだ綾子に尽くしている康隆。喧嘩とは訳が違う「綾子の秘密」に対しても、康隆は側に立って味方をする雰囲気。ですが今回は異色の事態過ぎて、二人もピリついた空気のまま口論ばかりになってしまいます。

ここで存在感を増してくるのが、綾子の元彼氏…現在は殺害され、亡くなっている八代祐司。

理由はまだ明瞭ではありませんが、事件当初…宝井綾子は息子の祐介とともに、八代祐司と縁を戻すため八代祐司が住むヴァンダール千住北ニューシティ・ウエストタワーに訪れていました。
地味に八代裕司がここの住民だったことが判明しましたね。

そして綾子は八代祐司と口論になり、殺されそうになったため必死に抵抗。その末、誤って下の階に転落してしまった。

綾子は何やら住民と揉める石田直澄のことも目撃している模様。康隆は「八代祐司が自分の両親と祖母を殺したうえで、綾子や祐介を殺そうとした」と推測するものの、綾子はまた新しい真実を口にします。

「そうじゃないの。あの人が殺したのは、あの人のお父さんやお母さんやおばあちゃんじゃなかった。違うの」

八代祐司は二〇二五号室の人物たちを殺していない。しかし八代祐司はその現場に居た。全く経緯が見えてきません。

殺された3人と八代祐司にはどんな関係があるのか?結局、誰が二〇二五号室の3人を殺したのか?

前後関係もなんだか分からなくなってきて難解になってきました。少しずつ物語の核に近づいていっている気がします。次はどんな新情報が出てくるでしょうか。楽しみです。

本日はここまで。
明日はもし続きが読めたら続きます。
最近少々お仕事が忙しく、更新頻度がまた落ちるかもしれませんが…お茶でも飲みつつのんびりお待ちいただければ幸いです。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
真実、背徳の隙に見える感情。

おやすみなさい。

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