君という花


KANA-BOONの『Jack in tour 2023』。

略してジャッキン。

対バン形式で各地を回るツアー。

ツアー最終日の対バン相手は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの予定だった。

しかし、事情によりKANA-BOONのみのライブとなった。

そこで、KANA-BOONは大先輩アジカンの『君という花』をカバーしたという。

その一部が、後日、公式X(Twitter)に投稿された。



アジカンは、大学の先輩がカラオケでよく歌っていた思い出があって、とっても好きだ。

『リライト』では、みんなで「消してぇー!!!」と、大コーラスをしたものだった。

あれはとてもいい瞬間だったなーと思う。

大学生活(それ以前も、それ以降も)は、万事うまくいったわけではなかったけど、暗い胸のなかで煌めくような一瞬一瞬が息づいているならまだいけそう、と思う。


そんな記憶とアジカンが結びついているので、KANA-BOONという大好きバンドがカバーしたというだけで感情の高ぶりが凄かった。

また、投稿された動画では、掛け合いをする観客の姿もちらりと映った。

手を挙げてにこやかに歌っていて、その一体感が心に訴えかけてくる。

もうおばさんには致死量に近い。



また、原曲は言わずもがなよい。

背後で鳴るギターが、水のように、たゆたう波のように、安らぎを与えてくれる。

ベースも動きすぎず静かすぎず絶妙。

ドラムもどっしり4拍のバスドラムが安定感を増している。

そこにシンバルのアクセント。

オープンハイハットだったり、(これは推測だけど)カップを叩いて「カン、カン」という音を出してみたり。

別の音色のギターが盛り上がりの役割を担っている。


お昼すぎの穏やかな日だまりと湖のキラキラした光、みたいな、まさにMVどおりの風景が思い浮かぶ。(監督天才過ぎる)



こういう曲を聴くと、自分でもギターを弾いてみたくなるが、その前にドラムさえ習得していないので、願い下げ。


とはいえ、同じ空間でバーンと音を合わせる時間が好きで、細かいリズムのよれとか考慮しないで、やっぱりバンドでなくっちゃ満足感は得られないとも思う。


そういう考えもあって、アジカンは4人で音を合わせていることにすごく憧れる。

しかも、結成当初から脱退する者もなく、不変のメンバーでやっているところがなお憧れる。


理想が体現されているから、私はアジカンを聴き続けるのかもしれない。