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海外暮らしの波

一昨日4月21日は私のドイツ記念日です。
2007年の4月21日に片道切符でドイツにやってきました。
日本で面接を受けた、でも現地採用での旅行会社勤め。
航空会社系の旅行会社だったので、親会社でのフライトでした。

ドイツの気候は日本より1か月遅れくらいと知っていたので、とりあえずの手荷物(70キロまで親会社がつけてくれた)には長袖やら冬物ばかり入っていて、夏ものは船便でした。
が!!!
2007年4月は記録的に暑くて30度を超える毎日・・・
長袖しかないのにw

今年は一転、とっても寒いです。
昨日の朝はまた零下で、フロントグラスが凍結してしている自動車をたくさん見かけました。
ドイツの4月の気候は本当に変わりやすくて「1日の中に四季がある」と言われたり、「April, April, der nicht weiss, was er will(四月よ、四月。自分でも何をしたいか分かってない)」と言われたりしています。


満17年ドイツにいて、先日の一時帰国で、またドイツに戻ってきたからしみじみと、私はドイツが好きだなあ!と思います。
でも、こう掛け値なしに言えるようになるまではそれなりに紆余曲折がありました。

海外に行く人の一部は望んでいくでしょう。
好きで行く、好きなところに行く、目的を持っていく。
最初は好きだな、うれしいなと思っているけど、段々自国との差を意識するようになって、滞在国のいやなところも目についていくようになると思います。
このとき、ドイツでいうと冬とかにあたると、暗くて寒くていやだなあと思っているから、余計に嫌いになっていく。
そして、帰ってしまう人も多いです。

また、会社の都合や家族の都合で望んでいないけど、海外暮らしをする人もいるでしょう。
最初はいやだなと思っているけど、期待値がそもそも大きくないので、段々滞在国のいいところも目についていくようになる。

どちらのパターンでも波があると思うんです。
いやで、いやで、いやで帰国になる人もいるだろうし(駐在さんは結構病んで帰る人も多い)、ずーっと好きだよ、という人もいるとは思いますが。

私は好きから、ちょっといやなところもあるになりました。
でも赴任するときに「2年は絶対にいよう!」と決めていたので、がんばっていました。
でも、そのあと夫と知り合い、彼を通じてドイツのいいところをもっと知ることができました。
ドイツ語も伸びたので、それも助けになりました。

そのあとも、好きになったり、いやになったりちょこちょこ変動しながら、グラフとしては右肩上がりを続けていきます。

決定的になったのはコロナでした。
日本に数年帰れず、久しぶりに帰った去年、「ああ、私は日本が嫌いだ」と思いました。
日本のいやなところばかり目に入る。
それまでは日本の一時帰国はうれしい、楽しい、おいしいばかりだったけど、2023年春の帰省では、ドイツのいいなあとばかり思っていました。

特に人、かな。働き方とか。
日本で「サービス」と言われていることが、これに対して、この人たちは相応しいだけの賃金をもらってるの?!
やりがい搾取じゃないの??と思う場面が多かった。
だからいいと思っていたサービスが「いやだなあ」と思うようになったのです。
ドイツはあれこれ問題はあるけど、やっぱりいい国だなあと実感して帰りました。

また1年経って日本に帰り、ああ、日本もいいふうに変わってきたなと思いました。
多分、日本人的には悪くなってるんだろうだけど、グローバルな観点では改善されてきている。
ま、それでもドイツのがいい、すきだという気持ちには変わりはないんですが。

とはいえ、もちろんドイツの暮らしにも文句はたくさんある!
でも、住んでみたり、旅行してみたり、話を聞いたりして比較することで、でも、〇〇よりはマシかという考え方ができるようになってきたのかな。

私は将来アジア(ベトナムのホイアンがいい!)に住みたいけど、多分そこでの暮らしは不便で、文句もいっぱい出るかも?!
それでも、この自然には代えがたいとか、物価がありがたいとか、この歴史地区の中にいられるだけで幸せとか、自分の中に軸がある限り、楽しく住んでいけるだろうなあと思います。

それは暮らしだけでなく、何にでもあること。
よかったり、悪かったりしながらも、向上していければいいなと思います。
人生万事塞翁が馬ですね。


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