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日本語、継承語、国語、ときどきドイツ語~自己紹介にかえて~

私は、ドイツで日本語を教えることを生業としています。

外国語としての日本語

まずは工業系の大学の、一般教養科目の選択としての「日本語」。
初心者と初級の2コースを持っていますが、9割男子学生!
私の住む地域は外国人(移民)も多いし、留学生も多いので、「ドイツ人」に教えているというというと、語弊がありますが、授業はまあドイツ語中心に進めます。
徐々に日本語の指示を増やしていきますが、やはり文法の説明はドイツ語が早いし、ドイツ語との比較もよくします。

それからプライベート授業もしています。多くはオンラインです。
オンラインなので、北はベルリン、南はドイツを越えてスイスまで生徒さんがいます!
年代も下が小学校2年生から、上は私と同年代の四十路まで。
(私はもうすぐ大台なので、ちょっと年下だけど)
でも、多くは中学生高校生年代です。

どちらにも共通するのは、やはりマンガ・アニメが日本語の入り口だということ!
私はマンガは結構読むけど、アニメはあまり見ません。
(時間が決められるのがいやだし、声とかのイメージを持ちたくないから)
でも、まあ原作をちょっと押さえて、練習材料に使うこともあります。
「ナルトはラーメンが好きです」みたいなね。

ドイツには定期刊行のマンガ雑誌があるわけじゃないし、アニメもNetflixのような有料チャンネルが中心なので、日本ほどはっきりした流行がありません。
未だにNarutoは人気だし、推しの子とか新しめのもすぐ入ってきているようです。

そして、娘たちの学校で日本語クラブを指導しています。
売り込んで立ち上げたクラブで、ようやく半期が経ちました。
2月から後期が始まって、クラブ活動の再登録だったので、やる気のある人だけが残ったので、ここからガンガン行こうと思っているところです。

「継承語」と「国語」としての日本語

「継承語」は近年使われるようになってきた言葉で、親から受け継ぐ言葉。
日本生まれ育ちだけど、両親の両方またはどちらかが外国語を話せば、日本語以外も話せるようになりますよね。
ここでいう外国語も継承語です。

我が家も、ドイツ人夫と娘たちはドイツ語。
幼稚園や学校はドイツ語で、日本語は私から受け継いでいます。

私が教えている高校生も100パーセント日本人と、いわゆるハーフの日本人が対象で、学校はドイツ語で、家庭(の一部)だけが日本語という状態です。
高校の国語教科書を使う他、ニュースなどから題材をとり、読む、書く、話す、聞くの四技能の活動をするようにしています。
中には日本の高校生と遜色ない実力の生徒もいます!

ほんのちょっとだけ国語

それから、国語も教えています。
日本に帰国予定のある日本人家庭の子女で、小学生年代です。

経歴らしきもの

そもそも私はドイツ文学科という、何の役にも立たない学科を卒業後、旅行の仕事に長らく携わってきました。
ドイツに来たときも、旅行会社で働いていました。

夫と知り合い、娘たちが生まれて、子育てと両立できる仕事として、補習授業校で教えることを選びました。
補習授業校はいわゆる日本人学校とは違い、平日は現地の学校やインターナショナルスクールに通う子どもたちが、国語や算数を学ぶための学校で、世界各地にあります。
文部科学省と外務省の支援が出ている、日本の子どものための学校で、ほとんどは週1回です。
私が教えていた補習校は土曜日に授業がありました。

10年近くいましたが、コロナのときにさまざまな制約があり、自由にやりたくなった私は補習校をやめることにします。
オンラインで授業ができるツール、スキルを得たことで、自由度が高まりました。
コロナは悪い面もあったけれど、そういう点では私にはよい転機となる時期でした。

初めオンラインの日本語教師をちょぼちょぼしていたら、あれよあれよという間に大学の非常勤講師の仕事が決まり、高校生の授業が決まり、今ではオンラインのプライベート授業もびっくりするほど増えています。
でも、どの場も自分の好きにできるので、ストレスもないし、どの生徒さんとの授業もとても楽しいです。

旅行の仕事も本当に楽しかったけど、この仕事は自分に合ってるなあと実感します。
人が好きで、言葉が好きなのですね。
転機を迎えたのは、五十目前なので、人生とは分からないものだと思います。

自分が楽しくて、生徒さんも楽しいのが理想!

資格という点では、私は教育免許も日本語教師の資格も何も持っていません!
経験は、大学生のときにずっとしていた子ども相手のインストラクター(アウトドアリーダー)が基本となり、その上に旅行業のホスピタリティが加わっています。

驕った言い方が許されるなら、私は目的と手段をプランニングでき、相手を見て内容や進度を変えられます。
(大学は予定を消化しないとダメですが)
常にどうしたら楽しく学べるかという視点を持って考えています。
そして、自主的に取り組めるように援助しようとしています。
一対一でない限りは、授ける「授業」じゃなくて、いわゆるファシリテーターでありたいと常々思っています。

だからか、生徒さんたちの多くが「先生の授業が一番面白い」と言ってくれます。
本当にうれしい言葉です。
でも、私こそ楽しませてもらっているのです。
そして、学生や生徒さんたちからたくさん学ばせてもらっています。
このnoteには、その学びを書き記していきたいと思っています。

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