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ブルームの教育目標分類(改訂版)


ブルームの教育目標分類(改訂版)

ブルームの教育目標分類とは何か

今日のセミナーで最大の収穫は、ブルームの教育目標分類を知ったことだろうか。
1973年にアメリカ人教育心理学者が考えた分類を、門下生がさらに改善したもの(だから改定版)で、学習の段階、内容をまとめている。
ピラミッドの上に行くほど、高度な学習ということになる。

今後、学習計画を立てる上で、目標に応じた活動をより明確にできると感じた。
例えば、昨日高校生クラスで行った「句会」は、俳句のルール確認や作品紹介という「記憶」の上に、「応用」(本歌取り)や「創作」があり、「評価」があった。
今まで何気なく行ってきた活動を新たな視点でとらえられ、広げられるチャンスが増えた。

ブルームの分類については、学校ICT系の専門家、田中康平氏のまとめが一番分かりやすかったので、リンクを貼ります。
2つ目のが詳細。


日本の学校教育の特徴

これを見ると、日本の学校教育は最下層の「記憶」とその上の「理解」が中心で、テスト内容もその2つが主になる。

「実践、実験、演奏、演技、実習」という「Apply-応用」は、理科、音楽、家庭科といった科目で行われているし、1年のうちのごく一部で、ディスカッションなどの話す活動(Evaluation-評価)、詩作などの創作活動(Create)が国語でも行われるだろうが、果たして成績評価にどれだけ影響があるか。
小学校までの単元テスト、中学高校の定期テストや受験などは、ほとんど低位の活動でしか評価されないのが実際だろう。

もちろん私が大学にいるころから、一芸入試というのが流行ってきた。
今や学力でも突出した語学力や、小論文など、学力以外の部分での受験も多様化しているようだ。

なぜ、「記憶」「理解」領域のテストが多いかというと、採点がしやすいからではないかと思う。
〇か×か、それで済む。

補習校に勤めていたときは、小学校の単元テストの最後の方の「あなたの意見を書きましょう」の採点は面倒だった。
採点が公平になるよう、隣のクラスの先生と模範解答を参考に、こんなことが書けていればいいが、これはどうする、あれはどうする、と話し合ったものだ。
たかが1問10点の採点が、90点分より大変だったのだ。

その後、中学生年代を持ったときは一人だったけど、その手の問題は、なぜその点数なのか明確に説明できるように、常にぶれない指針を持って採点した。
記述問題が多いと、採点が面倒になる。

今は大学で試験をするが、同様に短作文問題と会話も出すが、残りは選択問題にする。
それでも短作文の採点は1日仕事だ。
ただ、大学の成績評価には、2回の筆記試験の他にプレゼンテーションや作文を課し、総合的につけている。
(でも、これも事前に筆記の割合は〇パーセントと事前に通達している)


ドイツの学校教育の特徴

一方で、ドイツのギムナジウムに通う娘たちの試験はどの教科もほとんど記述問題!
もちろん語学のリスニングみたいのもあるので、選択もあるけど、書くところの多いこと!

7年生(中1相当)の次女はこの間、物理で「なぜ配管はまっすぐでないのか」というテーマでプレゼンテーションをしなくてはならなかった。
理由も自分で調べて、グループメンバーとパワーポイント資料を作ってがんばっていた。

8年生(中2相当)の長女も、アメリカ五十州をクラス全員に割り振って、英語でその州についてプレゼンテーションをするというのをやっていた。

そんな感じで話す活動や、調べる活動も普段からとても多い。
この分類でいえば、まんべんなく行われているように思う。
高校卒業試験というか大学入学試験のようなアビトゥアは、食事持ち込みで5時間くらいの記述試験と、口頭試問から成り立っていて、かなり高位の問題だ。
多分、日本の大学の試験より難しい。


意識的に高位の目標に近づけていく

この分類でいう下位のことは、すぐにAIにとって代わられるだろう。
アナライズもお手の物だ。
一方で人間しかできないことは、判断や評価、そして創造だろう。
(創造もChatGPTでできちゃうかも?!)

どんな学習でも、社会での実践でも、教える者も学ぶ者も目標をしっかり定め、高めていこうとすることで、効果がいっそうあがると思う。

日本の学校はきっとすぐには変われない。
でも、家庭での取り組みは今日からでも変えられる。

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