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「台湾独立」や「台湾有事は日本の有事」は中国との戦争を起こしたい人達のプロパガンダ

親日国と聞いて真っ先に台湾をイメージする人は多いだろう。東日本大震災や福島原発の処理水放出に関しても日本を応援してくれる存在の台湾。

しかし、その台湾と日本は国交を樹立しておらず、ネットで更に調べてみると、「台湾独立」や「台湾有事は日本の有事」などを見聞きした人はいるだろう。

国交を結んでいない理由については、とても複雑に絡み合っていて話しが長く、ややこしくなるので今回は割愛するが、台湾を応援したいばかりに「台湾独立」や「台湾有事は日本の有事」などの運動を支持してはいけない理由について解説したいと思う。

①台湾独立について

2016年5月20日、蔡英文台湾総統就任式は台北の総統府前の広場で行われたが、台湾独立派の団体も活動をしていた。

引用元:台湾は日本の生命線!

この独立派の団体らの主張は中華民国体制からの脱却=台湾独立というものだが、台湾総統に就任した蔡英文は民進党の人間であり、民進党は台湾独立の建国を謳った党綱領を凍結して、中華民国体制を認めている。

また、蔡英文総統を日本のメディアが独立派などと報じていた事もあり、そのようにイメージしている人が多いとは思うが、実は違うのだ。

事実、2021年10月10日の中華民国建国記念日にあたる「双十節」の祝賀式典で蔡英文総統はこのように演説している。

統一圧力を強める中国を念頭に「我々の主張は現状維持だ。(中台の)両岸関係の緊張緩和を期待する」と述べ、自制を促した。

ここまで見て、どうして?と疑問に感じた人もいると思うので少し歴史の話しをしよう。

中華民国は辛亥革命の後、1912年1月1日に中華民家臨時政府が成立し、孫文が臨時大総統職に就任。その後、袁世凱が大総統に就任して1913年10月6日に日本政府をはじめ13カ国が中華民国を承認した。

1945年9月2日に日本が降伏文書に調印し、第二次世界大戦における中華民国の勝利と日本の敗戦が決定した。

降伏調印

1945年9月10日、上党地区にて中華民国の国民党軍と毛沢東率いる共産党軍が軍事衝突した上党戦役が同年10月12日まで続く。

1945年10月10日に国民党軍と共産党軍が分裂している局面を終結させ、戦後中国に統一した政権を樹立させることを目的とした双十協定が調印される。

双十協定

中国共産党は蔣介石主席と南京国民政府が中国の合法的な指導者の地位にあることを承認し、南京国民政府は中国共産党が合法的な政党であることを承認する。

双十協定内容

1945年10月15日、GHQの一般命令第1号に基づき、国民革命軍が台湾に進駐して同年10月25日に台湾光復式典を開く。

台湾光復は、台湾島・澎湖諸島(狭義の台湾)における日本の統治が終わり、両島が中華民国の統治下に編入されたことを指す

1945年10月24日、南京国民政府(中華民国)が国際連合に「中国」代表として加盟して安全保障理事会の常任理事国の地位を獲得する。

1946年6月26日、国民党軍が共産党軍に攻撃を始め国共内戦(第二次)となる。

1947年12月25日、中華民国憲法を公布。

1949年10月1日、国民党軍が台湾に撤退した事で南京政府崩壊となり、共産党が中華人民共和国建国宣言をした。

1952年8月5日、日本と中華民国との間で戦争終結となる日華平和条約が結ばれる。

このように中華民国(国民党)のスタンスとしては、中華民国は国際的に認められたのにも関わらず、共産党との内戦にて共産党が一方的に建国宣言をしたという考えなのは、この記事からでも分かる。

蔡氏は「台湾はもはやアジアの孤児ではない。権威主義の拡大は、民主的な世界各国に警鐘を鳴らしており、台湾は民主主義を守る最前線にいる」とも述べた。今後も国際社会との連携を重視し、中国の圧力に対抗する姿勢を強調した。さらに「台湾と中国は互いに従属しない、主権は不可侵で併合できない」とも語った。

中国は毎年、建国した1949年の10月1日を「国慶節」として祝う。一方、中華民国を正式名称とする台湾は、清王朝を打倒した辛亥革命の発端の反乱が起こった1911年の10月10日を建国記念日とし「双十節」を祝う。

中華民国の正当性を保つ為にも、中華民国体制の否定・脱却からの台湾独立では無く、中華人民共和国の建国よりも前の1911年10月10日には中華民国として独立・主権を保持しているというスタンスなので、台湾独立を訴えるのは正解とは言えないのだ。

②台湾有事は日本の有事について

これまでを読めば、現台湾政府とは考えが異なる台湾独立を煽れば中華人民共和国との対立を深め、何かのきっかけで中華人民共和国がハレーション起こして有事になるのは子供でも分かるだろう。

もし、中華人民共和国が中華民国に対して軍事行動を起こした場合、アメリカは台湾関係法に基づき武器提供などのサポートなのか軍事行動をとるのか大統領判断となる。

私達、日本とアメリカが結んでいる日米同盟(日米安保)のような確実性のあるものでは無く、その時のアメリカ大統領判断で台湾に武器提供するのか軍事行動をするのか不安定なものである。

その為、確実性を持つ為に台湾に有事が起きたら日本の有事とさせ中国と日本・台湾・アメリカを戦わせようとするプロパガンダが、X(Twitter)やYouTubeで流れている。

中国が日本に軍事侵攻や軍事行為をすればアメリカ軍が出てくるので、そのような事を中国が日本にする可能性は極めて低く、狙うとすれば日本は台湾有事に日本が参戦する根拠すら無いので、台湾だけ狙うのは普通に考えれば分かるだろう。

なお、台湾海峡は公海なので中華人民共和国の領海でも中華民国の領海でも無い為、台湾海峡で軍事的衝突が起きても日本が参戦する根拠は当然無いので勘違いしてはいけない。あくまでも航行の自由の為、台湾海峡を守るという話しである。

日本の防衛力強化は台湾有事は日本の有事の為ではなく、北朝鮮のミサイル発射や中国による尖閣諸島周辺の領海・領空侵犯、ロシアによる軍事侵攻の脅威なので勘違いしてはいけない。

最後に

中国やロシアがアメリカの民主党や民主党議員に対して事実無根のフェイクニュースを流している。

歴史を振り返ってみても戦争を多くしているのは民主党の大統領であり、大空襲や原爆投下も民主党の大統領の為、中国やロシアからしたらドナルド・トランプのような共和党の「わかりやすい」大統領の方が都合が良い。

事実、ロシアがアメリカ大統領選挙に関与してドナルド・トランプが当選するよう有利になるプロパガンダを流していたのは記憶に新しい。

バイデンもその一人なのだが、彼は親中派のレッテルを貼られているが、対中政策を強めたり、台湾防衛に対してハッキリと名言している。

アメリカのバイデン大統領は、CBSテレビのインタビューのなかで「アメリカ軍は台湾を防衛するのか」との質問に対し「前例のない攻撃が実際にあればそうなる」と述べ、中国が武力で台湾統一をはかろうとした場合、アメリカ軍が台湾を防衛する可能性に言及しました。

さらに記者が「ウクライナの場合と異なり、中国が侵略すればアメリカ軍と、その兵士が台湾を守るのか」と改めて問うと、「そうだ」と述べて、アメリカ軍が台湾を防衛する可能性に言及しました。

このようにハッキリとアメリカが台湾防衛にアメリカの兵士が守ると明言したのはバイデン政権で初である。

ネット上には意図的に間違った世論に向けるプロパガンダが流れているので、好きな情報だけを見ていては間違った認識になるので注意したい。

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