お勉強443:膵癌、局所治療の意味は?

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10840322/

BRや局所進行膵癌で
FOLFIRINOX(この試験ではmFOLFIRINOXもOK)
で導入治療をして、局所治療の上乗せに意味があるか?
また、最適なタイミングは?
という研究

2015年~2020年に、
治療された258例の膵腺癌患者を
全身療法群(ST)と集学的治療(MT)で比較
MTは
FOLFIRINOX+放射線療法(RT)(MT1)
FOLFIRINOX+外科的切除(MT2)
FOLFIRINOX+RT+外科的切除(MT3)
の3群に分けて検討
(基本的には手術できそうなら、手術するという
 スタンスで、難しければRTを加えて手術、もっと難しそうなら
 FOLFILINOX続行というプロトコールだったよう)

放射線治療には陽子線も入っている
照射スケジュールはいろいろ 
基本的には`long cource`のCRTのよう
予防照射はなしのよう

追跡期間中央値18ヵ月。患者年齢中央値は60.5歳
4割BR,6割局所進行
ST/MT1/2/3で123/55/59/21人
結局手術に行けなかったST/MT1は178人で、
うち26%がもともとBRの診断

手術できた症例のうち
FOLFILINOX開始後6か月以内に
BRは79%、局所進行は47%が手術を受けている

最終的な切除率はBRが56.5% 局所進行は12.7%

当然インダクションのバイアスがかかるため
STの2年OSは22.0%で、
MTより有意に不良であった

(MT1:46.3%、MT2:65.7%、MT3:90.2%、P < 0.001)

STにおける2年局所無増悪生存率(LRPFS)は10.7%でMTより優位に不良
MT1, 31.8%; MT2, 45.3%; MT3, 81.0%

STの2年PFSは7.0%であり、これもMTと比較して有意に低かった;
PFS:MT1, 23.3%; MT2, 35.0%; MT3, 66.3%

R0切除はMT2とMT3で変わらなかった
(そもそも最初に切れるか微妙な人がMT3グループに
 入っているので、RTの効果はあると取るべきだろう)

手術との比較では、いわゆる通常のCRTだと
手術に大敗だが、BED10>70Gy以上のいわゆる「高線量」
のハイポだと手術と差がなかったと。

時間変化多変量Cox比例ハザードモデルでは、
局所治療はより良好な治療成績に寄与。、
OS、LRPFS、全PFSの調整ハザード比はそれぞれ
0.568(95%CI、0.398-0.811)
0.490(95%CI、0.331-0.726)
0.656(95%CI、0.458-0.940)
FOLFIRINOX投与後11~17ヵ月の期間が、
OSにおける局所治療の最大効果を示すようであったとのこと

ディスカッションでは
・とりあえず、局所治療を加えることはそれなりに意味がありそう
・(統計上は)11~17か月のインダクション後が
 一番成績がよさそうな結果であった

個人的見解
・バイアスはありありな設定だが、
 局所治療ができるのであればやはりしたほうが良いのであろう

・放射線治療は高線量の時代であろう。手術に匹敵する
 成績が、今後ハイボリュームから出てくるのかもしれない
 ただ、エビデンス的にはまだまだ
 しかし、漫然とかつての50.4Gy/28Frをやる時代は終焉なのだろう

・インダクションをどのくらいするのか、という点に関しては
 なかなか難しい。figureをみるとやはり2か月は短すぎるよう
 かといってFOLFILINOXのmPFSから考えても
 (ほとんどが遠隔転移で進行しているだろうが)
 一年ぐらいインダクション、というのもどうなのか

・個人的経験を踏まえてもRTを加えることで
 手術と相補的に(消化管近くは手術、血管周囲はRT)
 R0からの長期生存を狙えるとは考えている。

 個人的にはできるのであれば手術はしたほうが良いと思っている。

 どうしようもないURはJCOGでは否定されたが
 インダクションケモ→RT が今の時代は妥当だろう。

・日本のJCOGの結果から見てもFOLFILINOX→GEM+nabPTX
 が今後の日本の流れ(BRCA変異除く)と思うので、
 GEM+nabPTX(でどのくらい頑張る?)→(C)RT→opeで
 BR/局所進行は頑張っていくのが今のところの個人的FA



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