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オッペンハイマー


こんにちは!お久しぶりです!
Mariです✌🏾

プライベートや仕事が良く言えば充実していて、悪く言うなれば忙しく余裕がなく、しばらく文章を書けていませんでした、、

映画はちょこちょこ観にいっていましたし、大好きな気持ちも変わっていないのですがアウトプットがなかなかできておらずウズウズしておりました笑

さて、今回は表題の通り「オッペンハイマー」のレビューです。
解説や考察ではなくあくまでもレビューなので、私の率直な感想で 駄文かと思いますが読んでいただけたらうれしいです🙇🏻‍♀️

先に言っておくと、私は世界史に全く明るくないですし 月並み程度の知識しかございません。
政治的思想も特にない23歳一般女性ですので、そこをお知りおきくださいませ。

以下ネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください⚠️



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クリストファーノーラン監督の映画は私もいくつか観たことがあります。
ダークナイト三部作、インターステラー、インセプション、テネット、プレステージ…

物心ついた頃から両親によく映画を見せられて過ごしてきましたが、娯楽的映画(ラブストーリー、コメディ、ヒューマンドラマ)が好みだった私にとって全て衝撃的で興味深い作品ばかりです。
ノーランの映画がきっかけでSFというジャンルを見始めだと言っても過言ではありません。

ノーラン映画といえば、時系列がバラバラで一度では理解できない。ただ映像、映画体験として非常に面白くテンポも良いので、理解できずとも楽しめてしまう印象です。
テネットに至っては3回鑑賞したのにも関わらず今だに全くと言っていいほど理解はできていませんが、映像と音楽があまりに好きすぎて何度も映画館に足を運べるほどでした。

私の中のノーラン映画の印象はそんな感じで、だから今回の「オッペンハイマー」もかなり難しいのでは?理解できるのかと不安になりながら映画館に足を運びました。

本当は池袋のグランドシネマサンシャインで鑑賞したかったのですが、遠方ということとちょうど良い時間がなかったため、豊島園のIMAXで鑑賞。
2度目は、世界史と映画の解説を私なりに焼き直してから近所の通常スクリーンの映画館で鑑賞しました。

結論から言うと、すごく好みで面白く、興味深い作品でした!

鑑賞してすぐの興奮冷めやらぬ状況だからなのかわからないですが、私が鑑賞したノーラン作品の中でもかなり上位に食い込んでくる作品です。

撮影が告知されたとき「キリアン主演のノーラン映画!?絶対面白いじゃん!」と期待値がかなり高かったのですが、テーマが原爆開発の過程=マンハッタン計画と聞いて驚きました。

日本で公開されないのではととても心配していたら案の定公開が遅れ、8ヶ月遅れで公開されました。

しかも原爆投下した国はアメリカなのに、アメリカ人が監督しないのか?ノーランはどのように描くのか?そこが私の中の1番の興味でした。

これは私の勝手な主観であり、好みもありますが、アメリカの描く戦争映画ってどこか敬遠する傾向がありました。
日本は敗戦国であり、アメリカは一人勝ちのような状態で戦争を終え、美味しいとこだけ持っていった!みたいなイメージがあって 日本人としてどうやって捉えれば良いのかわからないからです。
アメリカという国はこうやって開拓されてこうやって自由を手に入れた!と言わんばかりの映画だったらどうしようと不安がありました。

一方イギリスの戦争をテーマにした映画は、いくつか鑑賞したことがありますが、どこか憂いに満ちていて必ずしもハッピーエンドではない印象があり、戦争によって得た何かを描くというより、戦争のプロセス、苦悩、情緒的な部分に焦点を当てているイメージがあります。

そんなイメージが両国にある私にとって「アメリカが舞台の事実に基づいた映画」で「イギリス人が指揮を取る」というのが全く想像がつかず 見るまで全くどんな映画なのかわからない状態でした。

鑑賞後の印象としては、右にも左にもよらず偏りの無い作品だったなと思いました。

世界恐慌が起こり、アメリカに共産主義のブームが起き、冷戦時代に入ると、敵対するソ連が共産主義国なのもあり赤狩りの風潮が強くなり、赤狩りが加熱。主人公オッペンハイマーもその餌食となってしまう。

そんな赤狩りの風潮に乗っかってオッペンハイマーが追放されてしまう聴聞会で、恥部や汚点をも聞かれながら、回想という形でマンハッタン計画を振り返っていきます。

私が1番衝撃的だったのが、日本のどこに落とすのかという会議のシーンです。
あのシーンは日本人として怒りと悲しみ、複雑な感情が入り混じってみていました。
「京都は文化的に素晴らしいしハネムーンの場所だから」と候補から外すシーンはあまりにも身勝手で軽すぎる発言と考えですし、改めて原爆を落とすという判断を下したのはこんな人たちなのかと残念でならない気持ちになりました。

また、原爆投下を実行すると、大気に引火して地球全体が燃え尽きてしまうかもしれないというリスクを抱えながらトリニティ実験に挑むオッペンハイマーらは、科学者としての知的好奇心でどんどんと後戻りできない方へと足を進めていきますが、その過程も非常に不気味で、恐怖すら感じました。

核開発によって世界が後戻りできない最悪な状態に陥ってしまうことを頭の片隅では理解していながら(実際に実用反対署名をしていた科学者もいて署名を依頼されていた)、抑えられなかった知的好奇心によって多大なる後悔と罪悪感に苛まれながら生涯を過ごします。

ノーラン監督は、オッペンハイマーの視点で映画を進めていくことで追体験をして欲しかったと話しています。
確かに追体験することによって、聴聞会のシーンや テラーと揉めるシーン、投下後のスピーチで葛藤するシーンは胸が苦しくなるような思いや同情もありましたが、
鑑賞後に改めて気持ちを整理すると「後悔してもあとのまつりだろ!投下しなくても日本の敗戦は目に見えていた状態でなぜやめなかったんだ!あの時ヒルの差し出したボードに署名することだってできたじゃないか!」という怒りのような気持ちも湧いてきました。

私は全く理系の人間ではありませんし、学もないので科学者の気持ちは完璧には理解できませんが、知的好奇心を止められなかったオッペンハイマーはある意味科学者らしかったのかなと。
劇中でトリニティ実験について話している際に「私たちは誰にも止められない」と発言するシーンがありましたが、2回目見にいった時には明確に私の中で「なんだよそれ!お前その後一生後悔するぞ!」と少しイラッとしてしまうような気持ちにもなりました。

ただ、科学者と一口に言っても、エドワードLヒルのように実践反対派もいたわけで。
その時の感情や好奇心が一生の後悔につながるというのも非常に怖かったです。

個人的な好みなのかもしれませんし、役柄も相まってなのかもしれませんが 今回のラミマレック、かなり良くなかったですか!?

出てきたシーンはだったの2つで、1回目はロバートに署名を求めて拒否されるシーン、2回目はストローズの公聴会でストローズに批判的な意見を述べるシーン。

実際に、ラミマレック演じるヒルは、実在の人物で史実には基づいているものの原作には出てきていないそうで、登場シーンが少ないのにも納得です。
ただ、彼かなりいいスパイスですし、キーパーソンでしたよね!

劇中の聴聞会にかけられるロバートは、負け確定の中、テラーをはじめとする多くの人物に裏切られ、ソ連のスパイ疑惑をより濃厚にさせてしまいます。

全てストローズが仕組んだもので、中には味方してくれる人物(奥さんのキティやラビ、グローブスなど)もいましたが 結局負けてしまいますよね。

時代は違いますが、劇中同時進行で描かれるストローズの公聴会も 順調に思われていた中どんどん疑惑が深まっていきます。
その疑惑を確信に導き、ストローズを転落させたのがラミマレック演じるエドワードエルヒルです。

ストローズは、署名を拒否されたヒルはオッペンハイマーを恨んでいるだろうと踏んで証人として出廷させますが、
ヒルは真実を述べ、ストローズは科学者にとっては邪魔者でいなくなってほしいと発言します。

このシーンは非常に感動的で、3時間の映画の中でも最も高揚感のあるシーンのひとつでした。

ヒルはほんとに一瞬しか出てきませんが、バインダーを床に落とされて拾い、ロバートを見つめるシーンは非常に印象的で「え!こんなちょい役にラミ使うの!?豪華すぎる!」と驚きましたが最後にこんな大活躍してくれるなんて、、

過去の聴聞会でロバートは「誰か真実を述べる人はいないのか」と項垂れますが、時を超えて真実を述べてロバートの名誉を保ってくれる人が現れたのは実に感動的で報われた気持ちでしたね。


また、妻のキティも 本当に印象的な人物でした。
元々メアリーブラントが好きなので 出演しているだけでとても嬉しかったのですが非常に好きな役柄でした。

アルコール依存症やネグレクト、非常に能力のある頭のいい女性なのに、主婦をしなくてはいけないという葛藤もあり 決して完璧な妻ではなかったのかもしれません。
ただ最後までロバートに寄り添い、支え続けた強いハートの持ち主であることは間違いなく、ロバートに彼女がいてくれて本当に良かったと思いました。

特に聴聞会で、検事に対して品がありながらも強く振る舞う姿はとてもカッコ良かったですし、胸がスカッとしました。

また、ロバートがジーンの死で落ち込んでいる時も励ます姿を見て「不倫相手の死に落ち込む夫を励ますってなんて器の持ち主なんだ、、」と衝撃を受けました。

もう好きな登場人物が多すぎて書ききれないのですが、、、
ラビ、グローブス、アーネストも ロバートと意見の対立はあったものの情にあふれた素敵な人物でしたよね。

彼らが歴史的に与えた影響力は凄まじく、今現在も私たちは核が存在する時代を生きています。

核開発と使用はよかったことなのかと言われたら私は容易く頷けることではないと思いますし、明確に否定的な意見を持っています。

それはこの映画を観る前から変わらない意見ですが、核開発に関わった人たちと落とすと決めた人たちの物語をみてそれがより強い意見と確信へとつながりました。

開発してしまった側も、落とした側も、そしてもちろん落とされてしまった側も、負の感情が残る結果となったのは事実です。

実際にアインシュタインも、生前 日本人の科学者にあった際に泣きながら何度と謝罪したという記事を読んだことがありますし、
本作を鑑賞したアメリカの若者の半数以上は「日本に謝罪すべきだ」と考えているそうです。

ノーランはなぜ広島や長崎の映像を流さなかったのかと批判的な意見もよくみられますが、私はあの皮が捲れていく女性や炭化した死体を踏んでしまうシーンなどで十分に恐怖や恐ろしさが描かれていたのではないかと感じています。

ノーランは10代の息子と話した際に、核というものの認識の薄さに衝撃を受けたと話していました。実際、そうなりつつなる今日に必要な映画だったことは間違い無いと思います。

日本人として、世界唯一の被爆国に生まれた今を生きる若者としても非常に考えさせられる作品でした。

最後になりますが、助演男優賞を獲得したロバート・ダウニー・Jr演じるストローズの小物感めちゃくちゃよかったです!笑

最後のシーンとか、この人がアイアンマンだと思えないくらいめちゃくちゃダサくてカッコ悪くて最高でしたね。

作品としても非常に面白く興味深く、映像、音楽、そして役者も演技も優れていて、さらに歴史的興味や関心を膨らませる非常に良い作品だと思います。
冒頭にも書きましたが、私はかなり好きな作品でした。


上手くまとまっていなかったかと思いますが、最後まで読んでくださりありがとうございました!

作品自体もすごく難しく、テーマもセンシティブだったためどうまとめるか迷った結果
自分で推敲していても「???」となる文章になってしまいましたが、、笑

またこの作品についてまとめたいことがあれば追加で記事を書ければと思いますので、その際はぜひまた読んでいただけると嬉しいです!


また、この記事のご意見、コメント、いいねをいただけると非常に励みになりますので お時間のある方はぜひよろしくお願いいたします🙇🏻‍♀️

ではまた!

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