思春期の少年達にとって、童貞を卒業しているかどうかは死活問題であり、
非童貞が童貞を馬鹿にしたり、いじる光景は、
ありがちな青春の一ページである。

非童貞の少年達は、それを童貞の少年達に対する差別化要素、
アドバンテージとするために、時に過剰に優位性を主張してしまう。

これによって童貞の側の少年達が自信を喪失したり、
女性との関わりに恐怖を持ってしまう事が、
実は本人の人生にとって結構な危険だと思う。

今回は差し出がましいようではあるが、ある種の性教育のような事をしてみたい。

予防線を張っておくと、
私は生まれてから今まで2人しか彼女がいた事が無いので、
これはモテるようになる方法ではなく、
スタートラインに立つ方法だと思って欲しい。

非童貞の見栄

そもそも人間は自分のモテ具合について、見栄を張りがちな生き物だ。

飲み会でベロベロにした女の子と運良く一回セックス出来ただけでも、
「セフレがいる」と周りに自慢する（下手すりゃ準強姦だと思うが）。

必死に頼み込んで、付き合ってもらったり、
セックスをしていたとしても、
その部分は省略して、
ごく自然な流れでそういう関係になったかのように言ったり、
なんなら向こうから頼み込まれたかのように言って回る。

そして、さも童貞と自分との間には、
行動力やコミュニケーション能力、果ては人格に、
圧倒的な差があるかのように見せようとする。

もちろん、中には、圧倒的に容姿が良かったり、
話術に優れていたり、
人気の職業、肩書、趣味を持っている事で、
飛びぬけたモテ方をする男性もいる

しかし、逆を言えば、
それ以外の一般的な男性のモテ方というのは、
女性と付き合うまでの手順を知っているかどうかの差でしかない、
と私は思う。

童貞が気を付けるべき事

女性と付き合うまでの手順を大まかに言えば、
友達として仲良くなる→何度か遊びに誘う→付き合う、
というだけなのだが、
いくつか気を付けた方が良い事はある。

一つ目は、自然発生的な恋愛を夢見ないようにする事だ。

少年漫画などのメディアの影響で、
普段お互いを恋愛対象と意識していなかった二人の間に、
日頃のコミュニケーションによって、自然と恋愛感情が芽生える、
というような流れを思い描いている男子は多い。

荒っぽい口調で普段喧嘩ばかりしている男女が、
実はお互いを大切に思ってる、みたいな展開は、
ドラマや漫画の王道だ。

しかし、実際の恋愛では、
告白する前から、明確に相手に好意を示していないと、
ほぼ進展しないと言っても過言ではない。
（イケメンは除く）

思春期の少年にありがちな事として、
女性に対して消極的である事を、
硬派でかっこいいと勘違いしている人が多い。

自分で女性と話せない事を自虐ネタにしながらも、
心の中で、それを自分の誠実さや可愛いらしさだと、
勘違いしてしまっている人は多いように思う。

恋愛に積極的か消極的かという事と
積極的になった上で、
恋愛の相手や周囲の人達に誠実な態度を取り続けられるか、
というのは別問題である。

二点目に大事なのは、変な予防線を張らない、という事である。

遊びに誘っても応じてもらえなかった時に、
相手や周囲の自分への評価を下げたくない気持ちはわかる。

しかし、それでも断られた時のダメージを減らすために、
変に軽いノリを装ったり、
何かのついでかのような雰囲気を出したりするのは、悪手でしかない。

ストレートに相手と一緒に過ごしたいと伝えた方が万倍良い。

一対一のデートに相手を誘った時点で、
もう意図は見え透いているのだから、変な予防線は逆効果だ。

女性の立場で考えてみて欲しいのだが、
こそこそと自分のプライドを必死で守りながら行動し、
あわよくばリスクを冒さず良い思いをしようみたいな態度で近づいてこられたら、
例えそれまで少し良いと思っていた相手でも、
その瞬間すごく気持ち悪く感じないだろうか。

ストレートに伝えれば必ず付き合ってもらえるなんて言わないが、
元々ある程度の関係性がある上で、
自分の思いを正直に伝えてくれた相手に対して、
人間は、たとえ恋愛感情が無くても、そこまで悪印象を抱かない。

まとめると、
①付き合う前から勇気を出して相手に好意を示す
②相手をデートに誘う時に変な予防線を張らない
これらの事を意識してみて欲しい。

タイミングを待ちすぎない、言葉を選び過ぎない

一つ前の章に含めようかとも思ったのだが、
この話題は大事なので独立して語りたい。

相手に連絡する時やデートに誘う時、
相手が暇な時間を狙うぐらいは良いと思うが、
相手の気を引くための最適な時間などを狙いすぎていないだろうか。

もしくは相手の気分を害さないために、
過剰に言葉選びをしたり、言葉を長く連ねたりしていないだろうか。

再びこの言葉を使わせてもらうが、
女性の立場で考えてみて欲しい。

自分が魅力を感じていたり、
既にある程度仲が良い相手とコミュニケーションを取る時、
言う程相手の細かい言い回しや、
連絡のタイミングに気をしているだろうか。

相手の事を特別嫌っていなければ、
多少言い回しにおかしな部分があっても好意的に解釈しようとするし、
いつ連絡が来ても大抵嬉しいものではないだろうか。
（連絡がしつこいみたいなのは、また別問題だが）

あなたが魅力がある人間かどうか、優しい人間かどうか、というのは、
一回のメッセージや会話にこだわらずとも、
普段の振る舞いで相手に大体伝わっている。

逆に言えば、
普段のあなたに相手と仲良くなる努力が出来ていないのに、
急に一回のメッセージにだけ必死に気を遣っても何の意味もない。

自分自身にも、相手にも、
完璧を求めず気軽にコミュニケーションを取ると良い。