不倫は個人間の問題か

不倫は本当に個人間の問題か、という点に疑問がある。

芸能人や著名人の多くが、
不倫は個人的な問題なので、それによって職を失ったり、
世間から批判されるのはおかしい、という主張をする。

昨今のマスメディアが行っている細かいメッセージや録音を
おもしろおかしく晒しものにするような報道が正しいとは思わない。

しかし、結婚や家庭に人生の比重を置き、
何年もの時間や労力を注いできた人にとって、
不倫によってそれが壊される事は果たして些細な問題だろうか。

そもそも、個人の問題とそうでない問題の違いはなんだろうか。

他人に被害が及ばないと言えば、組織的でない窃盗や詐欺だって、
被害者以外の人間には関係ない。

大事なのは、被害者の救済に、司法など第三者の手を借りる必要があるか、
という点ではないだろうか。

であれば、不倫は刑罰が下る罪ではないものの、
離婚の際の有責事項や、慰謝料が発生する行為とされているのだから、
それに当てはまるように思う。


一対一のカップルだけが正解とは限らない


これだけ多くの人々が浮気や不倫をしているとなると、
そもそも人間という生き物が一対一のカップルに向いていないのではないか、という疑問も出て来る。

よって、そもそも、一人の人間が一人の人間とだけ交際する現在のカップルの有り方を見直すべき、
という議論は有っても良いと思う。

しかし、それと今現在既に成立している一対一の交際を前提とした関係を、裏切るような形で破壊する事が正しいかは別問題である。

また、人間の脳や本能が複数のパートナーを求める事を前提に作られていたとしても、
一人のパートナーに執着して、独占欲を持つのもまた本能であるように思うし、
そう考えると、一対一のカップルである事にも、綺麗事を抜きにした合理性はありそうに感じる。


不倫によって引き起こされる事


不倫をされた側の精神的な苦しみ以外にも、
不倫によって引き起こされる被害は、様々なものが想定し得る。

職場が絡むトラブルであれば、
不倫に関わったどちらかが精神的に傷つき、
業務の遂行に問題が出るかもしれない。

子供が絡んでくれば、もっとわかりやすい。

不倫をされた側のストレスが子供にぶつけられてしまう事も考えられるし、
もし能動的にぶつけなくても、
子供は両親のストレスを感じ取って、自分自身を傷つけてしまう。

そういった問題を全て我慢で済ませたとして、
婚姻外の女性にお金を掛けている事が子供の教育環境に影響を与える事は考えられる。


一番避けるべきは被害者が責められてしまう事


不倫の話や性の話をするのは気まずい。

それを避けたいと思う人が多いのはわかる。

しかし、我々はテレビなどで流れるニュースを必ずしも心地よいから聞いている訳でない。

不倫は時に人の、子供の、人生をゆがめてしまう。

家庭内の問題だからと、社会からそれを切り離す事に過剰に固執し、
加害者だけが守られ、
被害者だけが社会から隔離されるような状況にだけはなって欲しくないと思う。

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