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【読んだ】ご冗談でしょう、ファインマンさん

おすすめ度 ★★★★☆

確か落合陽一さんの「忘れる読書」で紹介されていて、読んでみたのだけど、面白かった。
物理学者の話だし、落合陽一さんの勧める本難しそうだからド文系の私には理解できないかもなと思ったけど、ユニークでウィットに飛んでいて、気楽に読むことができる。

ファインマンさんはノーベル物理学賞も受賞している天才物理学者だが、

「ファインマンと聞いたとたんに思い出してもらいたいのは、ノーベル賞をもらったことでもなければ、理論物理学者であったことでもなく、ボンゴドラムでもマンハッタン計画でもない。僕が好奇心でいっぱいの人間であったということ、それだけだ」

下巻訳者あとがきより

と本人も書いているように、好奇心の塊のような人。上巻では、幼少期から学生時代、終戦までの日常が描かれている。

幼少期の話なんて、マンガで見るような天才ぶっ飛び系少年がやることを一通りやっている。アレを分解したりコレを直したり、とんでもないいたずらをして家があやうく火事になりかけたり。
「全く危ない話だ!」って自分で書いてる。

読み始めた頃、私は彼が物理学者であることすら知らなかったから、なんだか面白い子どもなんだなーくらいの気持ちで読んでいたら、
「高校時代は問題や定理を発明した。僕が11か12歳のころ図書館から三角法の本を借り出して読んだことがあったので、自分で考えだした加法定理と半角公式を使って〜」みたいなことが書いてあったりしてひっくり返ってしまった。一体この人何者なんだ?

こういう天才エピソードだけではなく、アルバイトの話やダンスパーティの話(アメリカ!)、大学の授業で教授をバカにする話などクスっと笑ってしまうエピソードが綴られている。

そうかと思うと、原爆の開発にも関わっていて、当時の専門的な話(このへんよくわからん)や、政治的な駆け引き、当時のアメリカの緊縛した空気感も伝わってきて、読み応えがある。
アメリカ視点での原爆が、どういう存在だったのかも垣間見えて考えさせられてしまった。


岡本太郎の本と並行して読んでいたこともあり、なんだか天才の摂取過多でお腹いっぱいになってしまった。常人とは明らかに違うものの見方、対応の仕方、会話のウィット。
すごい人ってほんとにいるんやなぁーぽかーん、と何も考えずに楽しく読むことをおすすめする。

中途半端に頭いい人の話より、ぶっ飛んでる人の話のほうが面白いよね。

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