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【読んだ】カルト宗教信じてました。

おすすめ度 ★★★☆☆

実態を知るところから始まる

統一教会の問題は、怖いなぁと思いながらニュースで見ていた。

怖いものは「ダメ絶対」で隠すよりも、むしろ正確に知っておいたほうが対処できると思っている。詐欺や薬物、依存症なども同じ。
だけど、テレビのように扇動的すぎるのには抵抗がある。

そんなわけで、子どもにわかりやすく実態を伝えるにはどうしようか考えた末、こちらの本を読ませてみた。

漫画だからできること

絵もシンプルで、テンポも良いので読みやすい。

かなり衝撃的な話もあるのだけど、著者が淡々と描いていて、過度な深堀りがないのも良い。
Web記事にもいくつか取り上げられて一部読めるのでぜひ。

この辺テレビの報道って
「どうですか、ひどいでしょう。ひどいですよね?なんて恐ろしいんでしょう!」的で引いてしまうのだけど、これは本人の経験談だし、そういう要素が少ない。(だから余計に怖い)

私も勉強になったけど、息子の反響がすごかった。
何度も何度も読んでいる。そんな繰り返し読むか?と思うほど、読んでいる。

息子の感想

いや〜、怖いわ。恐怖すごい!が、息子の最初の感想だった。

エホバの証人という存在も知らなかった彼には、衝撃が大きかったらしい。(統一教会というワードは知っていたけど)

著者は、小学5年生の時に母親が宗教にハマり、巻き込まれる。
息子は同い年だったので、他人事とは思えなかったようだ。

英語を教えてもらうために年上のきれいなお姉さんの家で勉強するようになるが、実はそれがエホバで、徐々に洗脳されていくという話だ。

最初はおかしいと思いながらも、お姉さんへの憧れから、じわじわ懐柔されていく描写がリアルだ。

エホバ、うちにも来たことあるよ

いやー怖いわぁ怖い怖いと言い続ける息子に、「うちにも来たことあるよ、エホバ」と言った時の衝撃はすごかった。

どんな事言われたの!?どんな人が来たの!?と質問攻めである。

エホバは、一人暮らしの時に1回、育休中に1回来たことがある。(もしかしたら別の宗教だったかもしれない。)
どちらもドアは開けなかったが、ポストに冊子を入れられた。

「そうかぁ、絶対にドア開けちゃダメなんだね。てか、こんな身近に…本当に存在するんだね。」と噛みしめるようにつぶやく息子。

確かに、本の内容も経験談とはいえ現実離れしているので、身近にあるって思えないよね。

身近にいたら、どうする?

最後に、息子にこんな質問をしてみた。
「もし、クラスにエホバの子がいたらどうする?」

えぇ〜〜〜!?と、息子はかなり戸惑っていた。
そして「まずはその子とどんだけ仲いいかによるよね、男子か女子かとか」と、かなり現実的に考えていた。

悩んだ結果、息子の回答はこうだ。

まず、「え、それやばい宗教じゃね?」とネタ的に話して反応を見る。

その子の家に遊びに行って、一緒の趣味で遊べるか検証する。様子を探る。

遊べたら、友達続ける。でも、エホバやめたほうがいいよ、とは言わない。

宗教の自由があるから、やめたほうがいいとは言えない、という。そんな事知ってるんだと少し驚いた。
もし遊べなかったら、翌日学校で「なんで遊べないんだよー」ときいてみるらしい。なぜその場ではなく学校なのか、と聞くとうまく理由を言えないようだった。
みんながいる前で弾劾したい、という感じでもなかった。でも、その子の家で聞くのはちょっと怖いらしい。

難しい質問をしてしまったな、と少し反省した。
でも、本当に起こり得るから、想像しておくにこしたことはない。
大人ならスッと引いて付き合いをやめる、で終わらせてしまうだろうけど、子ども同士はそうもいかないんだろう。

宗教問題は、大人でもなかなか踏み込めない複雑な問題だ。
子どもの頃から、あまり知りすぎるのもどうなのかと悩むところだけど、知る機会としてはとても良い本だったと思う。


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