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八石(席)目。 bed side編

昨晩、ウナギの串屋でいつもの如く、瓶ビールを一本付けていたら隣りに座っていたジイさまがやけに俺に向かって説教をタレてきて、ひぜうに気分を害するほど五月蝿かった。。もう串が不味くなんだろ?と黙って食わんかい!とヘラヘラとノラリクラリとかわしながら糠漬けをハムハム食って何にもおたくの云っていることはビタ一文たりとも、響いておりませんアタクシ…はって!
そりゃー!熱い鉄のような真っ赤な青さを持ち合わせている年齢であれば打ち響くこともあるかも知れねえけど…全然違うし、見てみろよ。遠赤外線で焼かれるウナギのジューシーさを。そこは圧倒的な熱量ではなく質量(優しさ)だろ?と。

漬け物が俺を黙らせている

漬け物が無かったらやっていたぞ。と。
しかも大体、こういう酒の席の出会いなんてマジメにテキトーな話出来ゃーいいのよ。相槌だけで大抵は深く落とし込めるんだから。余計な詮索をして説教カマしてきやがって酒の呑み方もわからねえセンスのないジジイがよくもまあ、ウニャウニャと…喋くり倒して…。そうか、、、!?こいつだけ変なウニャ串を食ってるから思考も態度もデケエんだなあと。滋養強壮というより自白強要。まず、互いを知らねえんだから名前を名乗れっつーの!って言ってんのに、''名乗る程の者ではない''って。もう酔ってんだよ。説教をしたい自分に酔っている…。説教という名のスパイスを肴に焼酎を煽りやがって、もうちょい上手く立ち回るとかナントカならんのか?このジジイは…。老することに害している自覚がない。正当化している。ウニャ串のせいでもあるのか…。

俺のもウニャ串だったりして…

白焼きでシラを切る。しらーっ!
終いには置き土産をブン投げてきて、現場だけじゃ食えねえ。やるべきこと分かってんだろ!何かを始めるには遅いはない!始めないヤツの方が断然遅い!わかってんなあ?!若造!と。 じゃあ俺は帰る!って。

あー。はいはい。どうぞ帰って下さい。ついでに俺のお代も付けて帰れよ!こっちはウナギ食ってんだからな?ウニャ串じゃねえんだ。そもそも、現役世代のニンゲン様が頑張っているおかげで食えてんだから余計なもん放り込んで帰るくらいならヘビでも食ってろ!お前のお金は俺の血と涙。なんなら付けてんのは俺の方!ったく!ジジイの癖にスゲエ舌鋒だったな。大概にしねえと目玉に串ブッ刺してってタコ焼きにして食わすぞ!って顔して見送ったんだけど、今日になって…

あれ?確かにあのジジイの言ってること正しいし、何か俺のこと知ってるような言い方だったなあ?みたいな。ひょっとしてデロリアンに乗ってきてね?!って思ったよ。未来から来てたんかも…。確かに似てた。ハゲてたけど。だったらスポーツ年鑑くらい寄越して億ションくらい買わせるのが本筋だろうが。こっちが耄碌してしまった。  しっかし、すげえ舌鋒だったな……………。

ハナシの肝とは?

危うくヤツに正当な未来に変えられる所であった。

ジョニー・B.バッドな1日。

粒山椒が俺への最高のスパイス!


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