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小説          俺が「君を愛す方法」第7話

全話約23.000字
第7話約1.800字

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1話〜6話までのあらすじ

お前らを死より辛い地獄に突き落とす!

高校教師の俺、冬賀隼也ふゆがしゅんやは、勤務先の女子高生、有栖サナありすさなと偽恋愛をしている。有栖一家に復讐をするためだ。

そんな俺を疑うことなく有栖サナは、 一途に俺を慕う。
しかし、復讐の決意は変わらない。
必ず愛する妻と娘のかたきをとる!

俺は、生前の妻 冬賀麻美ふゆがあさみと娘の 冬賀柚良ふゆがゆらがピアノ教室で交流のあった 崎田道子さきたみちこという人物と待ち合わせをした。

崎田道子は妻の麻美と娘の柚良に、お世話になったお礼を言いに来たのだが、

そこで崎田道子自身が麻美と柚良の死に大きく関わっていたことが分かり驚愕する。

崎田道子は、加害者なのか、被害者なのか……。

俺は、崎田道子に復讐に手を貸すようにと促す。

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第7話

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3年前のあの日‥‥。

あの日は、うだるような暑い夏だった。
夜になっても湿度が高く、柚良ゆらがコーラを欲しがった。

麻美あさみは、散歩がてらにと言い、柚良を連れてコンビニへ行った。

そしてあの事故に‥‥。

路上で停車していたトラックが急に動き出した。

すぐ前に柚良がいる事を知らずに発進したんだ。

柚良を助けようと、動き出したトラックに突っ込んでいった麻美あさみもまた犠牲になった。

トラックの運転手は、2人を巻き込んだまま十数メートルも走った‥‥。

十数メートルも引きずられたんだ。

俺が行けば良かった。

何千回、何万回と後悔してもまた後悔した。

俺が警察から連絡を受けてアリス永生総合病院へと着いた時、麻美と柚良は、ひどい状態でまともに見ることが出来なかった。

そんな瀕死の状態なのに誰もが耳を疑うことを聞かされた。

「すみません。おふたりを診ることが出来なくなりました。救急車を手配してます。違う病院へお願いします。」

崎田医師だった。

言葉を詰まらせ、泣いているようだったが、そんなことはどうでもいい。何故、一度受け入れを承諾しておきながら、他へ行けと言うのか訳が分からなかった。


「どういうことですかっ!!」

くらいのことは怒鳴ったはずだ。

しかしそんな問答で時間を使うより、まず麻美と柚良を医者にせなければ…。
俺は、すぐ救急車に乗り込もうと歩き出した。

その時、

アリス院長の声が聞こえたんだ。

「僕のひとり娘がね、急性虫垂炎らしい。あの子、5日後に大事な試験があってね、今すぐ手術しておきたいんだよね、急だけど手術頼むよ。今日、何故かうち、スタッフが手薄でさぁ…。

さっき搬送された事故の患者さんね、ここで死なれたら、困るんだよね。今、この病院、大事な時だからさ。家内もね、くれぐれもよろしくってさ。
っねっ。」

アリス院長が軽く崎田の肩を叩いた。
忘れもしない。

クソ野郎の言葉だ。

瀕死状態の人間を目の前にして、いとも簡単に他に丸投げなんて、医者のすることかっ!!

この病院の院長、|有栖浩介《ありすこうすけ》有栖サナの父親。

ヤツは自分の娘、有栖サナありすさなを優先したんだ。

しかも虫垂炎って盲腸だろ。自分の私利私欲や我が娘可愛いさに瀕死の麻美と柚良を見殺しにしやがった。

便器にへばりついてる乾いたクソよりもっとタチが悪い。

いや、乾いたクソ以上に悪いものってある?
あればソレだ。

あの時、転院させず、すぐに処置をしてくれたら、助かったんだ。

たらい回しの末に‥‥。

でもその時は、まさか本当にふたりが逝ってしまうなんて思っていなかった‥‥。


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崎田道子があの崎田と夫婦だったなんて‥‥。どこにでもいそうな名前だし、まさかな、と頭をかすめが、さほど気に止めなかった。

これはもう、麻美と柚良が俺に無念を晴らしてくれと言っているとしか思えない。

分かってるよ。

一家まるごと一生つきまとう苦痛を味あわせてやる。

アパートの中で1人、俺は、改めて誓った。

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冷蔵庫の中は、今日も気の利いたものなど何もない。

ふたりがいた頃は、冷蔵庫はいつもたくさんの食材が入っていた。時々、俺がめしを作ってた。

麻美は

「今日は何?」

と聞く。

俺は、

「チャーハンだよ。」

と言う。

麻美は

「あっ、私、今それが食べたいと思ってたの。」

何を作っても、必ずそう言った麻美。

そんな可愛い嘘ってあるか。

柚良も麻美を真似て、言うようになった。

「やったぁー!それが食べたいと思ってたぁー。」

ふたりが顔を合わして微笑む姿は、

この胸の中にいつでも取り出せるように大事にしまってある。

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学校では、


有栖を含む3年生の生徒達は皆が受験という壁に向かっていた。

バッテリー希硫酸事件を起こした高橋もまた、その壁を必死に登ろうと頭から煙が出るくらいの 勉強をしていた。

騒ぎを起こした事で何か吐きだす事が出来たのかは分からない。だが、あれからはおとなしくしていた。

生徒達は夢を詰め込んだカバンを、先に壁の向こう側に投げ込んで、

後から自分が必死に壁をよじ登る。

そしていよいよおとずれた

大学入試センター試験。

勝負の時が来て、

それぞれの思いと共に終わった。

有栖は、大学入試センター試験の自己採点も好調。


卒業式を迎えた。

俺は、大きく息を吸ってゆっくり吐き、

「よく頑張った、自分。」

と自身を褒めた。

さあ、計画、第ニ章の始まりだ。

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to be continued

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