【小説】デズモンドランドの秘密㉓
※前回はこちら。
「突然悪いわね」
ピンクキャットは、応接室(廊下と何ら変わりない鉄さびだらけの小部屋でした)のいすに座って頬杖をついていました。
「ねえ、お茶くらい出しなさいよ」
部屋の隅に陽炎のように立っていた長細い警察官(流花の話では、確かヒッチコックという名前でした)に、文句をいいます。
「普通なら門前払いにするのです、入れてやっただけありがたいと思うのです!」
「うええ」
ピンクキャットは変な声で抗議したあと、修治の方を向いて、「どうぞ」とまるで自分の家のように目