両親 27.父の四十九日
父の四十九日は5月11日、ツツジ咲く西〇○霊園で行った。一族と親戚が20人ほど集まり、一応、厳かに行われた。法要、納骨後の会食では、従兄弟連中の昔話が弾んだから、それなりの供養が出来たということかと思う。
その昔話の一つだが、姉より年上の従姉(70歳前後)が、今まで聞いたことのない話を二つした。
○○ちゃん(私)、蛸踊りしたのを、覚えているか?と聞く。聞けば、広島にいた頃の話だから、2,3歳のころだ。覚えているわけはない。当時、当家は広島市郊外に農家を借りていた。原爆の1週間前に市内から移り住み、それで一家は命拾いをし、私もこの世に生を受けたわけだ。
で、その家で私が蛸踊りをしたそうだ。障子の向こう側で、それらしく踊ると、廊下の電灯の影が障子に映り、なかなか・・・だったとか。話を聞くに従って、なんとなくそれらしいこともあったかなと思ったが、記憶と呼べるほどではない。
続いて、同じその家でのことだが、2階で遊んでいたら、○○チャン(姉)が、おしっこというので、お尻を露わにして、ベランダから外に突き出して、おしっこさせたとか。1階に連れて行くのが面倒だし、遊ぶ時間がもったいない。ところが、それが母にばれて、物凄く怒られたとか。確かにちょっと手が滑れば大事になるわけで、母が怒ったのはさもありなんだが、従姉の気持ちも分からないわけではない。
父も母もいなくなった今となっては、そう言った話をしても差し支えないわけで、いつか話そうと、暖めていたのかもしれない。
更に、姉が話題にしたのは、先に逝った母が父を受け入れるかどうか・・・。晩年母はボケの進んだ父を嫌っていたから、どうかな、との事らしい。そりゃ、母は待っているに決まっている、いい場所をとって、今頃手に手を取って・・・と言うことにしておいた。
以上をもって、27回にわたる両親の物語を終了します。ここまで読んでいただき、誠に有難うございました。全体と通しての感想などのコメントを頂ければ飛び上がって喜びますので、宜しくお願いいたします。
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