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引き抜き 1.第一報

 2014年2月業界トップのA社から、当社の販売店を取り込む戦争を仕掛けられた。その対抗措置の顛末をシリーズでアップします。
 
 1.第一報
 
2014年1月、「Y商事が当社を裏切り、東京地区の販売を、当社製からA社製に変える」との第一報が飛び込んできた。当社は重要なインフラを支える特殊な鉄管の製造しており、年間の売り上げは約3万トンだ。このうち、Y商事向けは5千トン。
 
会社関係を整理すると・・・
・当社: 特殊鉄管のメーカーで業界3位
     年間販売量は3万トン
 
・A社: 鉄管業界1位
     年間売販売量15万トン
 
・Y商事:鉄管販売の代理店
     中部・関西地区はA社製品を販売
     関東地区では当社製品(5千トン)を販売
 
 Y商事が関東地区の5千トンを当社製からA社製に変えると、当社は大打撃をこうむり、会社全体の利益がなくなってしまう。先ずは、真偽を確認しようと、当社の営業室長がY商事の東京支店長に面談した。
 
・営業室長から、社長(私)&関係者へのメール
Y商事のT(東京)支店長と話をしました。
T氏は知っているはずですが、こちらからは敢えて追求せずに、「話があった。Aに決定したみたいだ。」と切り出しました。
「Tさんのせいじゃない、今までいろいろ協力してくれてありがとう」と反感をもっていない姿勢を示したら、
安心したようで、少しずつ話をしてきました。
おそらく当社に罪悪感を持っていたのだと思います。
11月にY商事の専務とこの件でかなり激突したみたいです。
 
 当社とY商事の東京支店とは、お互いを信頼して情報を共有しており、最終顧客(地方自治体)との人間関係も構築している。T支店長としても、今更A社の販売店になるのは心情的にも納得せず、社内でも抵抗したようだ。
どうやら、A社がY商事を使って当社に戦争を仕掛けてきたらしい。一方、私は6月末に任期終了、リタイアすることが決まっており、このまま後任の社長に引き継ぐわけにはいかない。

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