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日曜の早朝はNHK俳句2

  続けてNHK俳句からもう一句・・・・
 
 数年前に紹介された作品、
「生涯に 定年なしと 稲を刈る」
が心に残っている。
 題「定年」での俳句だが、選者のコメントは・・・・
「生涯に定年なし」と言い切った表現と稲をスパッと切る表現が響き合っていい作品。農家の場合、肉体作業なので大変だと思う。自分に対して体を大切にしなければとのプレッシャーを与えている作者の凛々しさ。・・・・とのこと。
 
 すこし広げて解釈すると、世に言う定年は、社会の仕組み、会社の都合で決められたもので、本来の人間、人生とは何も関係ない。生涯に決まった定年などあるわけはなく、生きている限り何かをしなければならず、それを、稲を刈ると言っているのではないか。
 
 今、我年齢は76歳、来年1月には77歳になる。昨今、先は危ういと感じることもあったが、今は一段落、この先何時まで生きるかはさっぱり分からない。直ぐに終わるかもしれないし、80歳を大幅に越えるかもしれない。その都度ベストは尽くすつもりだが、自分では致し方のないこともある。
 
 話しは少し変わるが、昨日の夜、長男が会社帰りに当家に立ち寄った。年に2,3度の事で、私の退院後の顔色を見に来たとのこと。夕食を食べ、暫し話をして、用意しておいたお土産を持って帰宅した。彼は入社以来経理部門一筋で50歳、会社の幹部になろうとか、一旗揚げようかといった気持ちは全くない。仕事は忙しそうだが、淡々と真面目に勤務し、家庭では3人の娘を可愛がっている。定年後はどうなのかと思わぬでもないが、どうせその時に私は生きていないから「知らない!」のである。

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