いちかわりん

東京の岡山でインド

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最近の記事

(ほぼ初めて)カレーを作ってから

実はカレーを作って色々変わったことがある。 一番は、自分の考えを話すのが楽になった。 たぶん、料理は経験や思考を材料に表現することなんだと思う。 自分の頭の中にはアイデアがいっぱいで、全部吐き出さなきゃいけないと思う反面、口の中で大渋滞していた。 このなかから、なにを相手にあげればいいのか分からなかった。同時に、自分の世界で完結していたので、相手の話をあんまり聞いてなかったんだろなぁ。 料理は、誰かが食べる。 なので、相手を考えるようになった。 つくることは、誰

    • カレー作りに挑戦(1回目)

      カレー作り前日 1人の時、食べるものはほぼ外食かコンビニ弁当、良くてスーパーの惣菜なので、知らなかった。 料理は原料を調達するところから、「考えないといけない」のか。 いつもは食欲が湧いたタイミングで、頭に思い浮かんだものをもとに料理屋やコンビニに駆け込んでいたので。 「料理をする」という作業が欠乏していた自分にとって、食べることとは、非常に本能的で感覚的な行為である、という意味合いしか持ち合わせていなかった。ナントー まずはスパイス原料を調達。仲良くさせて頂いてい

      • 私が料理で失敗する理由(カレーを作るにあたって)

        残念ながら私は料理が苦手だ。 学生時代の飲食のアルバイトも含めると、なんだかんだ10年くらいは食に携わる業界にいるにも関わらず、だ。 一方、昨年から料理をする人、いわゆる作り手の方と向き合う機会が格段に増えた。なんならその人達の研究をしようとしている。で、ようやく気付いた。 料理をつくって人に提供するうえで、作り手の感じることが分からない。分からないから、作り手に関して何か書こうとしても薄っぺらい表現しか出来ない。 というわけで、今月はカレーを作ることを目標にした。

        • インネパ料理屋さんのエスニック戦略とアイデンティティ

          先日、大学院の授業で、ゲマインシャフトとゲゼルシャフトについて学んだ。 なんのこっちゃだったのだが、社会学では基本的な用語らしい。 定義としては以下である。 近代化になるにつれてゲマインシャフト(共同社会)からゲゼルシャフト(利益社会)へ変化しつつあるものの、私たちは両者のバランスの中で生きている。 また、ゲゼルシャフトが進んでいく先に、私たちはゲマインシャフト ー 共同体意識 ー アイデンティティを欲する様になるらしい。 例えばと或る農村地帯では、近代になり観光業が急

        (ほぼ初めて)カレーを作ってから

          インド料理屋さんから教えてもらったカースト制度

          あれも文化これも文化

          インド料理屋さんから教えてもらったカースト制度

          インドラージャスターンと御徒町のこと

          3月、東京マサラ部はラージャスターン月間です。 ラージャスターン州といえばインドの西側パキスタンとの国境に接していて、インド国内州最大の面積を持ち、砂漠から密林地帯まで、なんでもござれ。 自分自身は数年前に、同州東部にあるヒンドゥー教の聖地プシュカルへ一度訪れたことがあります。キャメルサファリが体験できると聞いたのがきっかけ。 ラクダに跨ってキャラバン隊と砂漠の荒野を歩けることを期待したのですが、その実おじいさんとラクダ一匹で広場を散歩しておわただけでした。亜流サファリ。

          インドラージャスターンと御徒町のこと

          インドヒマラヤ地域の自然崇拝をちょっとだけ考察

          東京マサラ部で1月はナガランド料理月間なので、同地をぽちぽち調べることにした。調べるうちに、ひとつの写真に目が留まった。『ナガランドとマニプルの精霊信仰』という小磯千尋さんの研究レポート内に掲載されていたミトゥン牛(mithun)の頭蓋骨の写真である。ナガランドのある村の、村長宅の裏庭に置かれていたらしい。 私はこれに似たものをインド北部のラダックで見た。観光でヌブラ渓谷からレー市街へ戻る際、休憩した屋外レストランで見つけた、ヤクを象った置物だ。椎名林檎のギブスのMVに出て

          インドヒマラヤ地域の自然崇拝をちょっとだけ考察